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2017.01.29

明日に向けて(1347)東芝が海外での原発建設から撤退!核なき未来がまた一歩近づいた!

守田です(20170129 23:00)

1月27日、東芝が重大な決定を発表しました。海外での原発建設から撤退するなど、同社の主力に位置づけてきた原発事業の大幅な見直しをするというのです。
理由はアメリカにおける原発事業で7000億円とも言われる赤字を出して経営が極度に悪化してしまったためです。
そもそも東芝は2016年9月末時点で株式資本が3632億円しかなく、資本増強をしないままに7千億円の赤字が確定すれば債務超過=倒産にすら発展しかねない状況にあります。

直接的な理由は、東芝の原子力部門の子会社であるアメリカのWH(ウェスチング・ハウス)社が買収したアメリカ原発建設会社のCB&Iストーン・アンド・ウェブスター社が巨額の赤字を持っていたことが判明したことによるもの。
なぜか東芝は調査が不十分なままにこの会社をWH社にほぼ対価なしで買収させてしまい、なんと7000億円とも言われる赤字をそのまま背負って大苦境に陥ってしまったのです。

この東芝の大崩壊について、マスコミ各社は主にアメリカにおける原発事業での失敗からばかりから原因分析を行っていますが、僕にはそこから解き明かすのが正しいとは思えません。
最も重要なのは福島第一原発事故の影響とその後の反原発運動の全世界的な発展によって核産業の未来が閉ざされてきたことにあるからです。その意味で私たちの努力が原発メーカーを追い詰め、核なき未来をまた一歩手繰り寄せているのでもあるのです。 (さらに…)

2017.01.27

明日に向けて(1346)放射性廃棄物問題、原発メーカー崩壊と核なき未来の展望、放射線防護の課題をお話します!

守田です。(20170127 23:00)

当面の講演などのスケジュールをお知らせします。
なお2月8日から12日には4回目の群馬講演ツアーにうかがいます!
群馬の方、近県の方、ぜひいらしてください。

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1月28日 京都市

明日28日になりますが、京都市において放射性廃棄物拡散問題学習研究会にて、講師を務めます。

この学習研究会は、福島原発事故による放射能汚染され除染作業などで集められた放射性「汚染土」のうち、8000Bq/kgのものを公共事業で再利用してしまえというあまりにひどい政策の実態を批判的につかみとっていくために継続しているものです。
主催はNPO法人・市民環境研究所。呼びかけは同研究所代表理事の石田紀郎さんと守田敏也です。
ちなみに僕も同研究所の研究員に加えさせていただいています。

今回は第5回研究会。8000Bq/kg問題の最新情報を扱います。とくに昨年12月12日に行われた「第5回中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」について分析します。
あわせて前回参加していただいた河野益近さんに守田が「放射線管理区に関する誤解」「クリアランスレベル(いわゆる100ベクレル規制)に関する誤解」を詳しく教わりましたのでその点も解説したいと思います。
なおIWJの萩崎さんが中継してくださることになりました!!

日時 1月28日(土曜日)午後2~4時
場所 市民環境研究所(京都市左京区田中里ノ前21石川ビル305)
参加費 若干のカンパをお願いしています。
連絡先 090‐5015‐5862(守田)

***** (さらに…)

2017.01.22

明日に向けて(1345)アメリカはあくどい投機の場に転落していた!(トランプ大統領就任に際して3)

守田です。(20170122 22:00)

3、ジェントルマンが投機屋に変わり社会がめちゃめちゃに!

トランプ大統領就任式が予定通り行われましたが、この日、全米でたくさんの人々が立ち上がり、トランプ新大統領の差別主義、排外主義と真っ向から闘う姿勢を示しました。
翌日の今日には反トランプデモが世界中に拡大!世界のあちこちで差別主義と排外主義への批判が響き渡りました。素晴らしいことです。
差別主義、排外主義にノーの声をあげているすべての人々への連帯を表明します。

その上で、ここではなぜオバマ政治の継続を訴え、ほとんどのマスコミも味方につけていたはずのヒラリー・クリントンが敗れ、トランプの「勝利」が実現してしまったのかの解き明かしを続けたいと思います。
そのために前回、宇沢先生のことをご紹介しましたが、今回は宇沢先生が新自由主義=市場原理主義の始祖、ミルトン・フリードマンについて繰り返し語った逸話をご紹介したいと思います。新自由主義の核心がよく分かるからです。
宇沢先生の『ヴィブレン』という本から直接引用します。

「1965年6月頃のことだったと記憶しているが、ある日、ミルトン・フリードマン教授がおくれて昼の食事の席にやってきた(その頃、経済学部の教授はファカルティ・クラブの決まったテーブルで一緒に食事をする慣わしだった)。
フリードマン教授は興奮して真赤になって、席に着くなり、話しはじめた。
その日の朝、フリードマン教授はシカゴのコンチネンタル・イリノイ銀行に行って、国際担当のデスクに会って、英ポンドを1万ポンド空売りしたいと申し込んだというのである。

当時IMFが機能していて、固定為替相場がとられていた。1ドル360円、1英ポンド2ドル80セントの時代である。それは、英ポンドの平価切り下げが間もなくおこなわれようとしているときだった。
IMF理事会の決議事項は必ず一週間か二週間前にはリークされてしまうのが慣例で、そのときも英ポンドの平価切り下げはすでに時間の問題となっていた。
ただ、その切り下げ率のみが不確定であって、経済学部の同僚たちは切り下げ率について、賭をしていたほどであった。実際にこのエピソードの一週間後に英ポンドが2ドル80セントから2ドル40セントに切り下げられることになった。

それはさておき、「英ポンドを一万ポンド空売りしたい」というフリードマン教授の申し出を受けて、コンチネンタル・イリノイ銀行のデスクはこういったというのである。
No, we don’t do that, because we are gentlemen.
「外貨の空売りというような投機的行動は紳士のすることではない」、と。

そこで、フリードマン教授は激怒していった。
「資本主義の世界では、もうけを得る機会のあるときにもうけるのが紳士だ。もうける機会があるのにもうけようとしないのは紳士とはいえない」
(『ヴェブレン』岩波書店 p180、181) (さらに…)

2017.01.19

明日に向けて(1343)トランプはなぜ勝ったのか?アメリカで何が起こっているのか?

守田です。(20170119 23:30)

昨年のアメリカ大統領選で、ドナルド・トランプがヒラリー・クリントンに「まさか」の勝利をおさめました。

とうとう20日(日本時間では21日未明)に就任式を迎えようとしていますが、今のところ50人以上の議員がボイコットを表明しています。
中心になっているのは、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師とともに、公民権運動を闘ってきたジョン・ルイス下院議員(民主党)。
あからさまな差別を口にし、排外主義をあおるトランプへの怒りが就任前から表明されていると言えます。

就任式に際してワシントンに集まるのはオバマ大統領の就任式のときの半分ぐらい。しかもそのうちの相当数が就任反対デモを行うと言われています。
僕も当然ですが、差別と排外主義の塊であるトランプ氏に何ら共感するものはありません。
それどころか、障がい者の真似をして笑いをとったり、メキシコ人やイスラム教徒を犯罪者扱いする彼の価値観に全面的に反対です。

しかし解き明かすべきことがあります。どうしてあれほど暴言を吐いているトランプが勝ち、マスコミのほとんどを味方につけ、優勢が伝えられていたヒラリー・クリントンが負けてしまったのかです。
このことを解き明かすためには、そもそもいまアメリカ社会はどうなっているのかを分析していく必要があります。

アメリカの現状分析についてはジャーナリストの堤未果さんが系統的に書き続けていて僕も共感してきました。
この小論でお伝えする僕のアメリカの現状分析も、多くを堤さんの本に依拠していることを初めにお伝えしておきます。
実はその堤さんの本を読んでいた方の多くは「トランプが勝つ事もあるかもしれない」と思っていたようです。
あるいは先日、僕が昨年対談したアーサー・ビナードさんもそんなことを言っていたし、アメリカでは映画監督のマイケル・ムーアなどもトランプの勝利を予想していたようです。

実は僕も選挙中から「トランプがひどいといっても、ヒラリー・クリントンが良いともまったく思えない」と強く感じていました。
というよりヒラリーはイラク戦争を支持してきた戦争屋であり、ウォール街をバックにして、貧富の格差を広げてきた張本人の一人でもあるがゆえに極めて批判的でした。
さらにオバマ政権のもとでなされたのも貧富の格差の拡大であり、イラク戦争の継続であり、結果としてシリアを滅茶苦茶な状況においやる政策で、何も評価できるものはないと思っていました。
そのため「トランプが下卑たことを言い続けて、ヒラリーがリベラルな顔をして次期大統領になるのは嫌だな」とも思っていました。

アメリカは1970年代後半より新自由主義の道をひた走り続けています。
いま世界はその流れにどんどん引き込まれつつあります。もちろん日本もです。
そのアメリカはいま、いわば「新自由主義のはて」に近づきつつあり、帝国としての大崩壊に向かっているのではないでしょうか。
今回の大統領選の中には、実はこのことへの民衆の側からの気づきという側面もあったのではないかとも僕には思えます。

トランプが圧勝で排外主義が全面化しているのであったら、20日のワシントンには差別主義者、排外主義者の万歳のみが響きわたることになるでしょう。
しかし就任式を前にしたワシントンからは、オバマ就任式のときのような熱気が伝わってきません。トランプへの期待はけして大きくはないのです。
いや、「ヒラリーだけには勝たせたくない」とおそらくは「究極の選択」でトランプに投票した「隠れトランプ派」が、今度はトランプ批判デモに立ちあがりつつあるのではないか。そんな風にも思えます。
今回はそんな点を掘り下げていくために、アメリカ社会でいま起こっていることを分析していきたいと思います。 (さらに…)

2017.01.14

明日に向けて(1342)被曝から命を守るために問われていること

守田です(20170114 13:00)

1月7、8日のコープ自然派脱原発ネットワークの伊方原発ツアーに参加した際に、松山センターで行われた集会での発言の起こしの3回目を載せます。
今後の脱被曝の展望について述べました。

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伊方原発を止めるために!被曝から命を守るために!
2016年1月8日 コープ自然派松山センターにて
4、放射能の危険性への目覚めを広げることが課題

ただ一方でしっかりと見ておかなくてはならない大きな課題があります。
反原発運動のこれほどの進展に対して、反被曝という側面はまだ十分に追いついてきていません。なぜかというと放射線被曝の害が非常に軽く語られていて、まだこの点での民衆の覚醒は十分ではないからです。
放射線の人体への影響は世界的にアメリカが作った教科書で教育されてしまっています。この教科書が元にしているのは、原爆の被爆者への被害調査です。
誰がこれを調べたのかと言えばアメリカなのです。ひどいと思いませんか?加害者が被害者を調べたのです。
こんな調査はあってはならないのです。当然加害者は被害を軽く見積もりますよね。しかもそれが核戦略の根っこにあることなのです。核戦略を維持するためにも放射線の害は非常に軽く語られてきたのです。
残念ながら多くの学者さんやお医者さんがこの教育を受けてしまっています。

ちなみにこのためお医者さんは被曝に対して甘い意識を持っている方が多くて、レントゲンなどで自らもかなりの被曝をしている場合が多いです。
僕の知り合いで、いまは被曝に対して厳しい感覚を持っている医師の中でも、若い時に内科にいてしょっちゅうプロテクトもあいまいなままレントゲンを撮ってしまい、かなりの被曝をしてしまっている方がいます。
そうするとどういうことが起こると思いますか?そのお医者さんの子どもはみんな女の子になるのだそうです。もちろん男の子が生まれることもあるのですが、そうすると「浴びたりないぞ」と言われるのだそうです。

だから放射線被曝に対する評価がとても甘く見られていて、福島原発事故のあとも、お子さんが鼻血を出して、しかもこれまで見たことのない鼻血だというのでお母さんたちが病院に駆け込み「放射能の影響では」というと次のように言われてしまうことが起こりました。
「お母さん、何をバカなことを言っているんですか。そんなことをあなたが言うから子どもさんが精神的におかしくなるんですよ」と。
それで社会の中でもお母さんたちが過剰に怖がっている。「放射脳になってしまっている」などと揶揄されたりしました。
そういうことが各地で起こっているのです。こういうことをなんとしても変えなくてはいけない。 (さらに…)

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