守田です。(20150309 23:30)

6日から8日にかけて各地で講演を行い、デモにも参加してきました。
とくに7日には舞鶴で原発ゼロ京都北部集会に参加し、一時間ほど講演させていただきました。

いつも僕を迎えて下さる舞鶴の田中ユージさんが、録画してFacebookページにアップしてくださったのでご紹介します。
ピンマイクもつけての録画・録音だったので音声がとてもクリアに入っています。
ユージさんの紹介文(ちょっと恥ずかしい)とともにご案内します。

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昨日、京都府舞鶴市であったジャーナリスト守田敏也さんのお話です。
いやー、ほんとにね無気力とかしょげたりとかしなくていいんやん♪
て思わせてくれる守田さんに感謝です。
すっごく具体的で経験に基づいたお話なので聞き応えあります!

今までお聞きしてきた「原発」についてのアレコレがギュッと詰まった内容でした。
1時間くらいなので、ぜひ観てほしいなあ。シェアとかもして欲しいな。
どんな話かって?

1.高浜原発再稼働の問題点
2.被曝で広がる健康被害
3.生きつづけられる故郷を
4.原発ゼロの実現に向けて

前日、夜中三時まで晩酌してたとは思えないほどテンションの高い守田さんに敬礼。

「原発」のことがほとんどわかるわかりやすいお話。by守田敏也さん2015.03.07
いきつづけられる故郷を
http://youtu.be/_t7ZXCN3i2g

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音声がクリアで聴きやすいのでぜひご覧下さい。ちょうど1時間です。
ちなみに前日、6日の夜は西方寺ふれあい会館に田中ユージさんたちが声掛けして下さった方たちが集まってくださり、トークと座談会が行われました。
その後、添田潤さん光子さん宅に泊めていただき、さらに話し込んでしまいました・・・。温かく迎えてくださった舞鶴のみなさん。ありがとうございました!

お話の内容はユージさんが触れて下さっているように4点です。

1番目では福島原発の現状を踏まえた上で、原子力規制庁が3月3日より高浜ケーブルテレビで流しているビデオの批判をしました。
新基準を説明したものですが、規制庁はこの中ではっきりと重大事故が起こりうることを前提に対策を考えたと言っています。
「重大事故を越えて、原発が重大な損壊を受けることも感がている」とも明確に語っています。原発が安全ではないことをはっきりと認めているのです。

川内原発の審査でも原子力規制庁は、「川内原発は新基準の審査をクリアしたがだからといって安全だというわけではない」と明言しました。
ところが政府は「規制庁が安全を確認した原発から動かす」と言っています。両者の発言の食い違いに「責任のなすりつけ合いだ」という批判が生じました。
そうも言えるのですが、しかしよく規制庁の発言を聴いてみると、規制庁は「重大事故は起こらないという従来の見解を転換した」と繰り返しています。

つまり重大事故を起こさないための対策を施すが、それでも起こることはありうると言っているのです。
その場合に対処する対策を施すことにしたのがそもそもの新規制基準の中身なのです。私たちはもっとこの点をハイライトさせなくてはいけません。
問題は新たな稼働は、重大事故、いやそれも越える「原発が重大な損壊を受ける事態」すら想定してまでの稼働なのだということです。もちろんそんなもの許せるわけがありません。

2番目の話では、広島、長崎への原爆投下以来、アメリカの核戦略の元で被曝が過小評価され、とくに内部被曝が隠されてきたことを語りました。
重要なポイントは、加害者であるアメリカが被害者である被爆者を調査し、被害を極端に過小評価したデータが、現在まで続く放射線学の基礎データとされてきたことです。
とくに重要なのは内部被曝による被害がまったく無視されてきたことです。原爆投下後の広島、長崎市内に家族や知人を探して入って被曝してしまった「入市被曝」が無視されてきたのです。

このために内部被曝による被害の大半が無視されてきたのですが、同じことが今も起こっています。
福島原発事故以降、東北・関東を中心に、さまざまな病気が福島原発事故以前よりも急速に増え続けています。
その中には心筋梗塞など、これまで国際機関が放射線による被害を認めてこなかった病もたくさんあります。

しかし被曝により心筋梗塞をはじめたくさんの病が起こっていることは、すでにウクライナ政府による240万人にも及ぶ広域の疫学的調査でもはっきりとデータ化されているのです。
ウクライナでは汚染地の第二世代の子どもたちがなんと8割も病にかかっている。このため学校では授業を低学年で10分、高学年で5分、短縮し、学年末テストの多くも止めてしまっている。
子どもたちが倒れてしまうからです。こうした被害が出ているのに国際機関は被害を一切無視している。国際原子力村=核武装勢力が、低線量放射線被曝の影響を隠したがっているのです。

3番目の話では、高浜原発直近の舞鶴市はまさに当事者であることを示しました。舞鶴市は高浜原発から半径30キロ以内にすっぽり収まってしまいます。市役所からの距離は12キロちょっとしかない。
しかし高浜原発から90キロも離れた福井市に県庁を持つ福井県と高浜町だけが「当事者」とされています。こんなことはまったくおかしい。直近の舞鶴市も、60キロに市役所がある京都市もまさに当事者です。
もっとたくさんの市町村の人々が当事者としての発言権をもって当たり前なのです。

このことを踏まえるとともに、高浜原発を見下ろすことのできる青葉山から撮った高浜・内浦湾の写真をお見せし、高浜原発が日本の中で他にない内海に放水している原発であることをお話しました。
そもそも福井県には南北問題があります。県庁がありより豊かな嶺北に対して、原発の矛盾がより貧しい嶺南に押し付けられているのです。そしてその嶺南の中でもとくに高浜の内浦に矛盾が押し付けられている。
原発からは海水温より7度も高い温排水が大量に出るので、排水口は外海に向けられるのが原則です。しかし高浜原発だけは内浦湾に放水しているのです。

この内浦を僕はかつて地元の方に案内していただきました。今でも美しいところなのですが、温排水で沿岸部の生態系が悪化していました。
「このあたりは昔は本当に美しかったのですよ」という話を聞いてとても悲しくなりました。こんなことは許しておくことができません。
同時にこの内浦の一部は事故があった時にまず原発に近づいてからでないと避難ができない。避難のための道も限られており避難は困難です。だから高浜の人々のために再稼働を止める必要があります。

4番目の話では原発ゼロに向けて私たち民衆の力にもっと自信を持とうと提案しました。
原発は3月7日時点で539日間動いていません。私たち民衆の力が止めているのです。さらにそもそも大飯原発をのぞけばほぼ3年以上どこの原発も止まっています。
一番長く止まっているのは柏崎刈羽原発で8年近く動いていません。実はこの原発は世界最大の出力を誇る原発です。

あれだけの絶対多数の議席を誇る安倍政権が再稼働を強行できない。
なぜかを示すために昨年末の総選挙の分析を行いました。ここから見えてくるのは実は安倍自民党が獲得できている有権者の支持は約18%、六分の一ぐらいしかないということです。
安倍政権は小選挙区制度の歪みでのみ多数派を作り出せていること、実際にはそれほどの支持がないことを実は良く知っている。だからこれまで再稼働ができてこなかったのです。

そのためにウラン価格が暴落するなど世界の原子力村が疲弊が続いています。私たちはもう本当に長い間、原発の稼働を阻み、国際原子力村にダメージを与えているのです。このことにもっと自信をもつべきです。
これに対して国際原子力村が日本政府に対して安倍首相に対して原発を動かせと言う強い圧力をかけているのでしょうが、私たちは私たちの力の強さを知り、原発ゼロに向かう必要がある。
そのために東日本の痛みをシェアし、東日本を助けながら、しかし痛みを背負った東日本の人々の声と動きこそが原発を止めている原動力であること、西日本が先に助けられていることを自覚して、原発ゼロに向けて歩もうと提案し

ました。

みなさん。熱心に聞いてくださいました。話していて心地よかったです。
講演後、小雨降る中を2コースに分かれて舞鶴市内をデモ。僕も前の方を歩かせていただきました。駆けつけてこられた高浜の方とご一緒し、いろんなことを語り合いながらデモをしました。雨の中でも心が熱くなるデモでした。

このように6、7日と舞鶴の方たちと素晴らしい時間を過ごさせていただきました。僕自身、高浜原発再稼働を止めるためになお一層、奮闘を続けます!みなさん。さらに頑張りましょう!