守田です(20230724 23:30)

● 守田敏也がご案内します!

今週末29日土曜日午前10時半集合で、表題の企画を行うことになりました。
「知ってるようで、実は知らない京都を訪ねよう!」というサブタイトルがついていまが、初回に訪れるのは京都護国神社です。
主催は京都文連です。

チラシにこう書かれています。
「護国神社は何のために、いつ建てられた?」
「護国神社と『維新』、どう繋がる?」
「護国神社と靖国神社の関係は?」

これらを現場で解き明かします。

● 京都護国神社は靖国神社の原型!

このうちあらかじめ少しだけネタバレの話をしてしまいます。京都護国神社と靖国神社の関係はというと・・・実は靖国の原型がここなのです。これ全国の他の護国神社とのきわめて大きな違いです。
もともと京都の護国神社に造られたのは招魂社でした。魂を招きよせる場です。誰の魂なのか・・・。「天皇のために戦って死んだものの魂」です。
この招魂社が初めに建てられたのは長州、今の山口県下関市でした。建てたのは高杉晋作。長州藩は独自に「攘夷」決行を目論んで、関門海峡を封鎖。アメリカ、フランス、オランダの船舶に砲撃を加えました。これに対し海峡封鎖を「不利益」としたイギリスを加えた3国が軍事報復。砲撃で長州藩の砲台が完全に粉砕されてしまいました。これを「下関戦争」と呼びますが、高杉晋作はその死者を祀ったのです。

その際、高杉晋作は奇兵隊とともに仲間の魂を呼び寄せる儀式を行いました。魂を呼び寄せることはもともと陰陽道で行われていたものですが、呼び寄せるのは幽体離脱をした魂などで、死者に対しては禁止されていました。
高杉らはその禁を破り、戦いで散った仲間の魂を呼び寄せ、その前で自分たちもまた死をもって仲間たちに報いることを誓ったのです。
明治維新後、この招魂社を東山に造ろうということになり、明治天皇の掛け声のもと、山口、高知、福井、鳥取、熊本の各藩が祠を建て、やがてそれが全国に広がって130社にもなり、1939年にそれらが護国神社に改名されました。

最初に山口藩招魂社が作られた 守田撮影

その点で京都護国神社は軍国主義日本を支えた靖国神社の原型なのですが、現場にいってこそくっきり見えてくるものがあります。そこに貫かれているのが、実は長州藩士たちのすさまじい怨念であることです。
先にここに招かれるものは「天皇のために戦ったもの」と書きましたが、実は長州藩は幕末の政変の中で一時期、京都を追われ、その後に天皇への「逆賊」=天皇の敵として「長州征伐」を仕掛けられたのでした。
それを打ち破った下関戦争が招魂の出発点になっているわけですが、そこには「われわれこそが天皇の本当の臣なのだ。わわれれを逆賊と名指すなど絶対に許さない」という強い想念が籠っている。

幕末の蛤御門の変で戦死した長州藩士166名の墓碑が並ぶ 守田撮影

実は靖国神社に行くとこの怨念がソフィストケイトされて見えにくくなるのです。といっても本殿の前に、長州藩士であり日本陸軍の祖でもあった大村益次郎の銅像が高く据えられているところにその片鱗が見えるのですが・・・。
ともあれ僕はここにこそ、江戸時代の寛容さとはうって変わって「逆らうものは撃ち滅ぼす」という苛烈な暴力を身にまとってしまい、戦争に継ぐ戦争を戦っていった近代日本の原型があるように思えます。
その点をみなさんと見に行き、ともに怨念と格闘して、アジア侵略につながった日本の暴力性を越えた平和への思いをあらたにしたいと思うのです。どうかご参加下さい。

靖国神社境内でひときわ高い所に立つ大村益次郎の像 守田撮影

● 東山安井金毘羅さんの鳥居あたりで集合です

日時は7月29日土曜日10時30分集合。その後、墓地に入ります。
参加費や無料ですが、ガイド料としておひねりをお願いしています。
チラシには「1000円程度、お気持ちで解散前に集めます」とあります。その他、墓地拝観料で300円かかります。

小雨決行ですが、まあ晴れそうですね。当日開催の可否は以下までご連絡を(竹内090-1912‐8849 午前8時から9時まで)
なお暑いので十分な水分をお持ち下さい。やぶ蚊対策もお願いします。

なお散歩の後、五条坂「ひの木」(喫茶店)で昼食交流会を行います。
昼食希望の方は必ず事前申し込みをとのことです。

お問い合わせ・お申し込みは京都文連まで(京都労演内)
電話075-231-3730 ファックス075-211-7855

東山安井金毘羅さんの鳥居でお待ちしています。

坂本竜馬、中岡慎太郎も祀られていることから歴史愛好家に人気のスポットでもあるが、今回はちょっと違った視角から解説 守田撮影

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