守田です(20230320 22:00)

● 「原発推進は愚かであまりに危険 311に福島と広島・長崎をつなげて考える」というタイトルで講演

奈良駅前集会(3月11日)の録画をご覧下さい。このところ、3回にわたって掲載しています。

今回は後半の三分の一、「福島と広島・長崎をつなげて考える」という部分の解説を行います。17分30秒から最後までです。

● 放射能の危険性と向き合おう

私たちが原発に反対するのは、原発が爆発すれば放射能が出てくるからです。その放射能の被害を限りなく低く見せようとしてきたのが、広島、長崎から福島への歴史の流れ。だからここをきちんと見すえる必要があります。
アメリカは広島と長崎で原爆を使って大量虐殺を行いました。明らかなる戦争犯罪です。しかしおさえておかなくてはならないのは、核爆弾による最初の被爆者は広島の方ではないということです。

アメリカ軍は1945年7月16日にニューメキシコ州のトリニティサイトで人類初の核実験を行いました。最初の核爆弾の被爆者は周辺の住民です。さらにその爆弾を作るために、アメリカインディアンやウランの埋蔵地の先住民族がウランを掘らされ被爆しています。
そしてアメリカが広島と長崎で大領虐殺を行ったとき、ヨーロッパの生物学者や疫学者からすごい避難が巻き起こったのです。被爆の危険性が知られていたからです。アメリカはこれを押しつぶした。それそのものが核戦略の重要な一部だったのです。

テクニックは放射線による被爆の影響を半径2キロ以内だと言い張ることでした。それより遠いところは調査せず、証拠を残さなかった。しかしもっと遠くまで放射能のプルームが流れ、内部被曝がおきていました。アメリカはこれをすべて無視したのです。
このため原発を停めていくために、さらには核兵器を無くしていくために、一番大事なのは隠されてきた被爆の影響を明らかにしていくことです。今日はそのために『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を持ってきました。ぜひ参考にして下さい。

アメリカによる黒い雨被害など、膨大な被爆事実のもみ消しを告発した『NHKスペシャル』より

● ヒバクシャとは私たちのこと

福島原発事故でものすごい量の放射能が飛び散りました。その中にたくさんの救助隊が入っていきました。警察官、消防官、自衛官、そして行政の職員たちが奮闘しました。それで被爆被害が出ないはずがないのに一件も報告されていない。隠されているからです。
さらにヒバクシャとは誰なのかと大きな意味で考えるときに、ここにいる私たち全員がヒバクシャだということを自覚しましょう。なぜか。私たちは核実験でめちゃくちゃに被爆させられているからです。

核実験は広島、長崎の後に頻繁に行われました。被爆でどんなことが起こるか分かった上でやったのです。だから向こう側は被爆影響を隠し続けてきました。その間に多くの人々が影響を受け続けました。
顕著な例を言います。日本人男性、とくに僕や僕より上の男性に前立腺がんが多く発症しています。いま患者数は10万人ですが、1975年には2500人しかいなかったのです。女性の場合も乳がんが増え続けていてやはり10万人ぐらいですが、1975年は約1万人でした。

恐ろしいことに放射能は生殖器に集まりやすいのです。おそらく放射性セシウムが三大栄養要素のカリウムに化学的特性が似ているため、人体がカリウムと間違えてセシウムを大事なところ、生殖器に送ってしまうからだと思われます。
私たちはそのリスクをしっかりと知って、互いをケアし、互いの命を守るとともに、命を危険にさらす放射能の被害についてしっかりと訴えるることで、原発と核兵器を無くしていきましょう。

そのためにもう一度、言いますが、私たち民衆には力があることへの自覚を強めましょう。Power to the people! 民衆の側に力を得ること。そのことでこの核の時代を越えることができます。
そのために一緒に歩んでいきましょう。僕も呼んでいただければ何度でも奈良にも来ます。ぜひともに歩きましょう。どうもありがとうございました。

終わり

核実験の被害の告発を続けなくては!ー『AFTER TEN YEARS』(にょきにょきプロジェクト)より

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