守田です(20191215 03:00)

みなさま。 12月11日に心の底から尊敬するペシャワール会の中村哲医師のご葬儀に参列してきました。
現場から3本の記事をFacebookにアップしました。 今宵、これをみなさんにお届けします。
3本なので3回に分けます。最初は11日11時05分に投稿したものです。

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● 博多にて

みなさま 博多にいます。午後1時からこちらで行われる中村哲さんのご葬儀に参加するためです。

現地ワーカーだった荒野さんと京都駅で待ち合わせました。こちらで蒔田さんと合流します。
その他、たくさんのワーカーの方、ピースウォーク京都で一緒に中村哲講演会を主催した方などともお会いすることになりそうです。

7日に行ったビジルの場でペャワール会へのカンパ77,385円が集まりました。カンパを頂いた方に2001年12月の中村哲さん講演録を差し上げました。
カンパはその後も増え続けているので少し足してちょっきり10万円を封筒につめて僕が持参しています。香典ではなく寄付としでお渡しします。
ビジルの写真も多数プリントアウトして持ってきました。ペシャワール会のみなさんにお見せし、あの日、京都で寄せられた思いをお伝えします。その後、可能なら棺の中に納めさせて頂こうかなと思っています。

ビジル以降、中村先生のご逝去を悼むたくさんの記事が書かれ、番組やニュースが流されました。 アフガンの空港で棺が大統領などに担がれて飛行機に乗せられたこと。日本に戻られ、福岡へと丁寧に運ばれたことなども報道されました。

でも僕はなんだか観ることができませんでした。辛かったからです。この悲しい事実を避けたかったのかも知れません。
でも今日はご葬儀に参加することであらためて中村先生が亡くなられたことと向き合ってきます。向き合って「必ずご意思を引き継きます」と誓ってきます。

● タバコが好きだった中村先生

中村先生。講演会に来られる時はいつもチャーミングな顔もたくさん見せてくださいましたね。
京都ノートルダム女子大学に来られた時、先生の大ファンであるシスターたちのたっての願いを受けて、修道院の素敵なゲストルームにご一泊されました。

その翌日のこと、僕がお迎えに行くと「喫茶店に入りたいのですが良いでしょうか」とおっしゃいましたね。
「どうぞ、どうぞ」とご案内すると「ここはタバコが吸えますね。実は一服したかったのです」とタバコを出されました。
先生は火をつけて煙をはいてほぉーっとため息をつかれてこう言われました。

「修道院はとてもきれいで本当に快適でありがたい一夜でした。でもあそこは禁煙でして」
「そうでしたか。禁煙の一夜を過ごされたのですね」と僕が言ったら「いや、実は我慢できなくなってこっそりと外に出て一服したのです」とおっしゃる。敷地外にまで出られたのですよね。
「そうでしたか。それは美味しかったでしょう?」とお聞きしたら「それが隠れて吸いに出たらなんだか背徳のタバコのようになってしまいまして、少しもうまくはなかったのです」とはにかまれ「それでわざわざ喫茶店に寄らせていただいたというわけです」と頭をかかれました。

僕は思わず笑ってしまいました。ごめんなさいねえ。
それで「どうぞ。心ゆくまでお吸いください」と言うと「はい。そうさせていただきます」とニコリとされて美味しそうに煙をくゆらせておられました。
先生、修道院でゆっくり寝ることができてシスターたちへの感謝の気持ちに溢れていただけに、こっそりタバコを吸いにいかれたことをなんだか申し訳なく思われたのでしたよね。
そうやっていつも周りの方に優しく温かくそしてチャーミングに接せられていたことを思い出します。

● 中村先生、ゆっくり休まれてください!
 
中村先生。どうぞあちらに行かれたらご自由になんでも好きなことをされてくださいね。タバコも好きにくゆらしてくださいね。
そしていっぱい働いて、愛をふりまいて、ほんとうにたくさんの業績を積み上げられてのですから、どうかたくさん休まれてください。

先生がこちらにおられないのは無性に淋しいです。
もうあのチャーミングなお姿に接したり、喫茶店にお連れしたり、山田堰の話を聞かせていただいたり、水路建設の悲喜交々をお話いただいたり、それらの何一つも叶わないなんてやはり信じたくない。
また何度でも確信を込めて平和への道を話される中村先生の講演会を執り行いたい。 「いやだいやだ」と泣き叫んでいる幼い少年のような自分が心の中にいます。

しかし先生は皆さんに送られて今日、旅立たれます。ご遺体も灰になられます。みんなでその事実をしっかりと受け止めます。
中村先生。それでみんなで本当にしっかりとご遺志を受け継ぎますね。先生の撒かれた平和の種をみんなでしっかりと育てますね。だからどうか安らかにお眠りください! 働いて働いて働かれたのだからもうすべてから解き放たれていただきたいです。

とまらぬ涙をぬぐいながら、万感の思いを込めて、いまご遺体のもとに向かっています。
みんなで中村先生を天空高い星の世界へとお見送りしてきます!

#中村哲 #ペシャワール会 #アフガニスタン #武器より命の水を #まずは生きておれ病は後から治す