守田です(20180424 23:00)
連載1500回越えに際してカンパを訴える6回目に、日本から海外への原発輸出を止めるための活動への支援を訴えたいと思います。
この点について書き始めていたら「このタイミングで!」という感じで、私たちにとっての朗報が飛び込んできました。トルコへの原発輸出計画から伊藤忠が撤退するというのです。
記事は以下のように述べています。
「(伊藤忠は)事業化に向けた調査の結果、収益性が見込めないと判断した。原発は安全対策費の上昇で建設費が膨らんでおり、日本が官民挙げて進めてきた原発輸出に暗雲が垂れこめている。」
「三菱重工が主体となり、15年から3年間、事業化に向けた調査を実施した。その結果、13年の計画当初、4基で2・1兆円程度と見積もられていた総事業費が2倍以上に膨らむことが判明した。」
伊藤忠 トルコ原発離脱へ 事業費倍増「利益確保難しい」
毎日新聞2018年4月24日 21時26分(最終更新 4月24日 21時26分)
https://mainichi.jp/articles/20180425/k00/00m/020/129000c
トルコへの原発輸出については、すでにこれまでもだんだん困難になってきていることが報道されていましたが、今回の伊藤忠の撤退は極めて重要です。
日本を代表する総合商社が、この計画を進めてきた三菱重工・アレバ連合を見限ったことを意味しているからです。
いやそれだけではありません。原発輸出を柱の一つとしてきたアベノミクスそのものが伊藤忠に見限られたのです!
原発輸出はけしてそれぞれの企業の意志だけで進められてきたものではありません。
むしろ安倍首相自らが乗りだした「トップセールス」によってこそ進められてきたのです。だからこの計画の傾きは安倍政権の傾きそのものとしてあります。
僕はトルコに2014年3月からすでに4回訪問してきました。
トルコに行くたびに僕は「トルコのみなさん。日本の首相は大嘘つきです。けして騙されないでください」と語り、原発の危険性を訴えてきました。
とくにオリンピック招致発言の画像を見ていただいて「原発はアンダーコントロールなどというのはまったくの出鱈目」と繰り返してきました。
あのとき東京のライバルだったのはイスタンブールだったので、トルコの人々の多くもあの過程に注目していたからです。
僕はこうしてトルコの人々と一緒に各地で行ったシノップへの原発建設反対集会も、今回の伊藤忠の決定に影響を与えていると自負しています。
なぜならこれらの集会の効果もあって、トルコの人々が繰り返し原発に反対する大規模なデモを行ってきてくれたからです。
そうであるがゆえに、トルコ政府も三菱重工とアレバに安全対策の強化を申し入れざるを得ず、このため総事業費が2倍にもなり採算が合わなくなって、伊藤忠が逃げ出したのです。
伊藤忠の撤退はさらに、トルコの人々の熱い努力とともに、日本各地で原発反対行動を繰り広げてきたすべての人々の努力にもよるものでもあります。
僕がトルコや海外で講演するときにも、日本の中で行われているたくさんのデモの写真、金曜行動の写真などを繰り返しお見せしてきました。
なぜかというとトルコをはじめ、世界の人々がまだまだ日本の工業技術を過度に信用しているからです。その日本で私たち民衆が「原発は危ない」と大きな声を上げ続けていることが極めて重要な情報なのです。
その意味で原発輸出を推進する立場にあった伊藤忠が退いたことは、トルコと日本の民衆運動の奮闘の大きな成果です。
しかしまだトルコへの原発輸出は完全に止まったわけではありません。また他の国への原発輸出計画でまだ命脈を保っているものもあります。
いまこそさらに原発輸出を止めるためのさまざまな行動を積み上げ、輸出政策の息の根を止めていきましょう。
今回はそのためのみなさんの支援を心から呼びかけます!
ぜひ力を貸してください。
なおこうした流れを促進するために5月24日に「ベトナムはなぜ原発をやめたのか~止めたのは誰?どうやったの?~」と題した集会を行います。
京都市内のハートピア京都で午後6時半から。ベトナム研究者で輸出ストップに大きく関わった沖縄大学の吉井美知子さんをお招きします。詳報はまた。
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