守田です。(20130817 09:00)

子どもたちの保養キャンプ周りを続けています。一昨日は「ごーごわくわくキャンプ」に参加。今日は「びわこ123キャンプ」に再度参加です!都合4か所にすでに5日間参加し、6回お話ししました。あと2回、お話しします。

子どもたちはどこでも好奇心旺盛。主に放射能の問題と健康の問題について話していますが、きちんと話せばかならず食いついてきてくれます。そして質問がどんどん飛躍しだす。
僕はそんな子どもたちの中から、私たちの想像もつかないような新しい世代が育ってくるのではという予想を感じています。
何より子どもたちは、大人たちの真剣な、必死の姿をたくさんみて、感じている。大人がこれほどまでに一生懸命に子どもたちを守ろうとしていることを、敏感にかつ強く感じ取ってくれています。

今、何か、とても大事なことが行われている。その中に自分たちはいる。自分たちを守ろうとする大人たちがこんなにたくさんいる。子どもたちは子どもたちなりにそんな理解をしているのだと思います
そして子どもたちなりの理解は、私たちの理解よりも柔軟で、とくに奔放な飛躍をします。その中から、私たちの手の届かない発想や知恵も生まれてくるのではないかと僕には思えます。
そんな場を作る一助となるために、僕もキャンプでの話をさせていただいています。子どもたちに関われるのはとても楽しい。

しかし一方でそんな子どもたちの上に放射能が降り注いだことを考えると、今更ながら、本当に、胸がかきむしられる思いがします。
今、必要なことは、これ以上の被ばくを最小限にする努力を重ねつつ、子どもたちの健康を守るためのあらゆる手を尽くすことです。
特に注意をしなければいけないのは、健康被害が出てくるのを座して待っていてはだめだ!ということです。免疫力をあげて健康被害を抑え込むこと、かつ被害が出てきた場合はすぐに察知して、病巣が小さいうちに撃退することが大事です。
そのために大切なのは、福島原発事故の「先行事例」に可能な限り学ぶことです。中でも大事なのは最近になってようやく全貌が見えてきつつあるチェルノブイリ原発事故に学びつくすことです。

ではいかにチェルノブイリに学ぶのか。その点で紹介したいものの一つが、映画監督、鎌仲ひとみさんが、2014年秋公開予定の、新作『小さき声のカノン―選択する人々』の完成にさきがけ、最新の取材レポートを届けでくださっている「カマレポ」です。有料動画です。
チェルノブイリ、福島の取材や、鎌仲さんの最新コメントなどを、月に一度届けてくださっていますが、何よりもベラルーシ、ウクライナの今に肉薄してレポートしているので、最新情報が伝わってくるのが大きな魅力です。
またカマレポの購読料は、新作の製作支援金として活用するとのことですので、動画の定期購入は、チェルノブイリの今を伝える鎌仲さんの精力的な活動を支えることにもなります。

すでに無料のお試し版と、第1回、第2回が配信済み。とくに第1回では、甲状腺被ばくの問題に即してベラルーシの今が描かれており、重要な最新情報が盛り込まれているのでぜひご覧になって欲しいです。
第2回で取り上げられたのは写真集『100人の母たち』にまつわる女性たちの動き。子どもとともに歩む母たちの姿は感動的で、ぜひこれもご覧になっていただきたいです。

ご紹介のためにカマレポのHPを掲載しておきます。ここからは無料でお試し版が視聴できますが、鎌仲さんはここでさらっと「放射能汚染とはいったいどういうことなのか」を語っています。
ご本人にお会いしたら「大した内容じゃないわよ」とおっしゃっていましたが、僕は短い時間に必要なエッセンスをぎゅっと詰めたとても分かりやすく、重要な内容に思えました。無料版ですので、簡単な文字起こしも添えておきますのでぜひご覧ください。

繰り返しますが、私たちのこれからにとって、広島・長崎原爆被害、そしてチェルノブイリ原発被害に学び続けることは、決定的と言えるほどに重要です。そのためには取材が必要です。
「カマレポ」の購読は、私たち自身が最新情報に学びつつ、鎌仲監督による貴重な現地取材を資金的にも心の面でも支えることになります。なので、ぜひみなさんに視聴していただきたいと思うのです。
定期的にレポートを受け取る中から、作品完成の際の、上映体制も作り出していけるといいですね。僕もぜひ京都での上映を担わせていただきたいと思っています。

以下、カマレポのページをご紹介します。鎌仲さんを応援し、私たちに一番必要な映画の作成を支えていきましょう!

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カマレポhttp://kamanaka.com/mailmagazine/

今、大事なのは、放射性物質がばらまれたことをどう理解するかだ。

放射能汚染とはいったいどういうことなのか。

1つは原発が爆発して出てきた放射性物質は、均質ではなくまだらに汚染が広がった!

原発からコンパスで円を引いたように立ち入り禁止区域や、居住困難地域が設定されているが、距離には関係ない。
距離が近い所よりも、遠いところの方が線量が高いところがある。これをきちんと踏まえる必要がある。

ベラルーシでもウクライナでも非常事態省という新しい政府機関を作り、汚染地図を作った。これがまだ日本ではなされていない。
私たちは、今回の事故によって引き起こされた汚染地図をもたない。早急に作るべきだ。

もう1つの特徴は放射性物質は測りにくいということ!

セシウムは測りやすいが、ほかに測りにくい放射性物質がたくさん出ている。短い放射線しか出さないので、測りにくい放射性物質があるが日本でそれを測っていない。
それは人体に影響がないのかというと、内部被曝をしてしまうと影響がある。それを知っておかなくてはいけない。
セシウムだけ測って、「こんなにないんだ」と思っても、ほかのものが測られていない。その中には寿命の長いものが多かったりする。
ベラルーシではストロンチウムという放射性物質を測っている。日本でも測るべきだ。

もう1つ、放射能汚染を理解するうえですごく大事なのは視覚化すること!

セシウムでもどれぐらいあるのかを知るのはすごく大事。自分立ちが食べる食べ物の中にどれぐらい入っているのかを測らないと安心できない。
測る体制をもっと作っていくことが大事。

私たちは見えにくい放射能からどう体を守ったらいいのかと思っているわけだが、放射性物質とは、放射線とはどういうものか、それが人間にどういう影響を与えるのかを、当たり前の知識として知ることが大事。
それが見えないものを感知したり、察知したり、直感的に「これは危ないのでは」ということを教えてくれる。そのために知識を持つことが大事。

そのために、単に難しい本を読むのではなく、現場からリアリティをもって、「カマレポ」「小さき声のカノン」とともに、みなさんにお伝えしたい。
ぜひ、カマレポにご注目を!