守田です(20220303 23:00) 

● 水曜行動のスライドショーをアップしました。ご覧下さい

昨日3月2日に、旧日本軍性奴隷問題の解決を求める水曜行動に立ちました。写真をアップして報告させていただきます。
実は前回2月2日の写真をアップし損ねていたので、合わせて並べます。先に2月のもの、後から昨日のものをご紹介します。

ロシア軍がウクライナに侵攻する中での訴えとなりました。ロシア軍は市民の居住地区にもミサイルを撃ち込んでいるそうです。
やめて欲しい。ただちに戦争をとめて欲しいです。
昨日はそんな思いも胸に行動しました。根っこが大きくつながってることを感じながらです。
戦争をとめ、過去の戦争の過ちを正すことは、平和を紡ぎ出すための大切な努力だからです。

● 性奴隷問題の背後に、日本軍兵士への構造的虐待があった

僕はこの問題に男性の立場から関わって、性奴隷制問題が、旧日本軍内での兵士に対する構造的虐待と深くつながっていることを知りました。
兵士たちの多くは若者でした。彼らは「万歳!万歳!お国のために立派に死んで来い」と郷里から送りだされました。

入隊すると兵士たちを待っていたのは、毎日、殴られる日々でした。
仲間が時おり途中で死んでしまうような訓練を受け、そのまま過酷な戦線に投入され、虐殺に加担させられました。
その中であるものはどうもうになり、あるものは精神を病み、拒食症になってしまう兵士もいました。

そんな兵士たちの暴力性が全面化したのが、1937年11月に行われた南京市への突入でした。
この時、野に放たれたどうもう化した兵士たちが略奪を働き、女性をそこここでレイプしました。軍は総計で30万人の人々を虐殺しました。

「慰安所」と呼ばれた性奴隷施設は、日本軍の上海上陸とともに生まれていましたが、南京虐殺のあとに一気に数が拡大しました。軍の捉え返しによってでした。
軍が考えたのは、中国の女性たちを守ることではありませんでした。
当時は性病がいまよりもずっと広がっていて、兵士たちがレイプを犯すことで罹患してしまい、「使えなくなる」ことが最も問題視されたのです。

そのため日本軍は業者などともに、「処女狩り」を行いました。
あるいは甘言で騙し、あるいは拉致するなどして、少女を性奴隷として戦地に送りこんだのです。
いま書いていても手が震えます。

日本政府が関与して設立された「アジア女性基金」における記述

● 兵士たちのすべてが「鬼」ではなかった

僕はたくさんの被害女性のおばあさんたちに、直接に話を聞きました。
その中で兵士たちがすべてどうもうであったわけではないことも聞きました。
おばあさんたちに親切にしてくれたり、庇ったりしてくれた兵士もいました。

あるおばあさんはそんな兵士の一人と「恋」に落ちました。
そのおばあさんが初めて日本に来て、証言をしてくださった前夜、おばあさんは眠れずに、ひとりオロオロと宿舎の中を歩き回っていたそうです。
「明日、彼が来たらどうしよう」とオロオロしていたのだそうです。
おばあさんと兵士は、「戦争が終わったら結婚しよう」と約束していたのだとか。

また他のおばあさんが「恋」をした彼氏は「泣いてくれるのはお前だけだ」と言って、特攻へとむかってしまいました。
ある日の夜、旧日本軍特攻隊について書かれた『ホタル帰る』という本に載った航空兵の写真をお見せしました。
「ああ、こういう姿だったよ」と語ったおばあさんは翌朝、真赤な目をして起きてきて「夕べ、あの人が枕元に立ったの。それから寝られなかったの」と涙ながらに話してくれました。

旧日本軍特攻隊については、『ホタル帰る』をお読み下さい。これを原作として映画化した『ホタル』も必見です。

● 兵士たちの多くが嫌々、戦闘していた

兵士たちの多くが若者でした。二十歳に満たないものもいました。
「お国のために」の一言で、彼らは壮絶な労苦を背負わされました。
その挙句に、大多数の兵士は死んでいきました。
あるいは戦死し、あるいは餓死し、そして拒食症になったあげくに死んだ兵士もたくさんいました。

戦場で虐殺の手伝いをさせられることが嫌だったのです。辛くて辛くてたまらなかったのです。
でも逃げたら日本の家族が虐待を受ける。逃げられない。
どうしようもなくなった彼らは、ご飯が食べられなくなった。

そんな彼らのごくわずかが「精神疾患」を理由に戦地から日本に戻されました。
そのカルテの多くにはこう記載されていました。
「農村出身。村では寡黙だが優しく働きものとの評判だった」

僕はそんな日本兵たち、当時の若者の罪を背負っていこうと考えてきました。
彼らを弔い、彼らの尊厳も回復したい。
だからこそ、被害女性たちの尊厳の回復が欠かせないのです。
おばあさんたちの尊厳が回復されたその先に、日本軍兵士たちの尊厳の回復の道も開かれます。
そしてそれが私たち全体の幸せにつながるのです。
その中で戦争をなくし、平和な世の中を作りたいと行動してきました。
おばあさんたちが一番望んだものが、「これからの若い人たちの幸せ」だったからでもあります。

50年間、口外してはならない 極秘調査・兵士たちの“心の傷”
https://www3.nhk.or.jp/news/special/senseki/article_121.html

● ロシアとウクライナの若者たち 死ぬな!殺すな!

いま、ウクライナに攻め込んでいる多くのロシア軍兵士も若者です。
真偽は定かではありませんが、演習だと言われて軍事侵攻させられてしまっている兵士がいると、ウクライナ側から報じられています。
これを迎え撃っているウクライナ軍や市民の多くも若者でしょう。
ウクライナ政府の発表によると、すでにウクライナ市民2000人がロシア軍に殺害されたそうです。
しかし反対に反撃によって、ロシア兵6000人をウクライナ側が殺害したといいます。

殺し合いをやめて欲しい!

ウクライナはこれまでも長く内戦を続けています。その中で東部の民衆を殺害し、反対に殺されることも繰り返されています。
2014年以降、ウクライナ軍2900人、分離を主張する東部の人々5500~8800人、ロシア連邦の人々1600人が死んでいると推計されています。(国連難民高等弁務官事務所による)
そんな中で、ウクライナ政府は、これまで東部に攻め込んだウクライナ軍帰還兵の中からも、たくさんの自殺者が出たことを明らかにしています。
そうして今回の戦争です。

人は人を殺したくない存在なのです。人を殺すと心の内側の何かを、同時に殺さないといけないのです。
だから多くの場合、その経験は、残酷なまでにその人を苦しめます。

だから、殺すな!殺されるな!と言いたい。
戦争をとめたい。戦争はやめてくれ!

戦争は兵士の心も深く傷つける ウクライナ兵500人の自殺を報じるHUFFPOST 2017年6月28日
https://www.huffingtonpost.jp/2017/06/26/ukraine-conflict_n_17302138.html

● プーチン大統領にも軍需産業にも踊らされてはいけない

今回の事態、殺し合いの引き金を引いたのはプーチン大統領です。許しがたいです。
しかしこの問題で、話し合いの場を作りだすポテンシャルを一番持っているはずのアメリカは、戦争を止めようとは動いていません。
それどころか、ウクライナ軍に武器を送っています。これまた明らかな戦争行為です。
しかも送られている武器は、アメリカ軍需産業製。戦争で儲けてきたアメリカの死の商人たちが作ったものです。

アメリカによる追加の軍事援助について報じるNHK 20220227

だから何度も言います。
戦争をやめよう!とめよう!
プーチン大統領にも、軍需産業にも踊らされてはなりません。

昨日もそんな思いを、みんなで共有しながら、街頭に立ち続けました。
遠回りかもしれないけれど、旧日本軍性奴隷問題に解決に向けた努力の中に、平和を紡ぎ出す可能性、戦争をとめていく一助となる力があると確信しています。
ぜひこの行動にも力を貸してください。毎月第一水曜日午後6時から7時まで京都で街頭に立っています。(場所はダイレクトメッセなどでお訪ね下さい)

みんなで平和を求めて歩み続けましょう

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