守田です(20230816 10:00)
● 沖縄と太平洋戦争とサイパン-テニアンと原爆
8月27日(日)午後1時から岡山県赤磐市でお話します。「あかいわエコメッセ」にてです。
この日はまずは映画「沖縄、再び戦場へ」(仮題)のスピンオフ情勢会が行なわれ、その後に僕が「原発再稼働はいやだ!戦争はいやだ!愛と平和を!」のタイトルでお話します。
実は僕はこの映画を初めて観ます。(何度かチャンスを逃しました(^^;)。いま進行する沖縄での戦争準備を告発するものと聞いていますが、これを受けてまず僕は沖縄戦と太平洋戦争とサイパン-テニアン、そして原爆についてしっかり語ろうと思います。
その際、紹介したいのが8月9日に放映されたNHKBS1スペシャル『“玉砕”の島 語られなかった真実』です。前編テニアン島、後編サイパン島の構成でとても感銘しました。
太平洋の島々は米国と日本の戦争の主戦場でした。米軍は1944年6月から7月にサイパン島に押し寄せ、激戦の後に占領しました。
その後、わずか8キロ沖合のテニアン島も奪取、日本軍が作った飛行場を拡張し、B29による本土空襲の拠点としました。そこから連日、無差別空襲が行われ、やがて広島、長崎を襲撃したB29、エノラゲイ、ボックスカーが飛び立ちました。
● 沖縄、福島、朝鮮からの移民、そして島民の方たちが犠牲になった
このころの両島には約4000人の先住民族がいました。そこに日本から押し寄せた数万の民間人の多くが沖縄出身者でした。朝鮮半島出身者も多かったそうです。人口比は分かりませんが、福島県出身者も多く、番組にもたくさん出演していました。
福島の方たちがいたのは、第一次世界大戦後の1920年に日本が「南洋諸島」を統治委任領としたのち、この地域で製糖業を立ち上げ、移民事業も担った「南洋興発株式会社」が、会津出身の松江春次氏が興したものであったためだったと思われます。
その元々の島民と沖縄、福島、朝鮮由来の市民たちが戦火に巻き込まれた。サイパンでは逃げまどった市民が北端の岬の崖から次々と飛び降りました。その数、なんと1万人以上!岬はその後「バンザイクリフ」と呼ばれるようになりました。
この時、日本軍は民間人をまったく守らなかった。それどころか自決を強いた。番組ではテニアン島で、女性と子どもたちが避難していた壕に入り込んだ日本兵が自決を強要、母たちが我が子に次々と手をかけていった悲しい話も盛り込まれていました。
新たに憤りが高まりました。これが沖縄戦の約1年前に起きていたのです。しかし日本軍は何も反省しなかった。戦場で民間人を巻き込まない策を全く立てなかった。だからまるでサイパンの再現のように、沖縄でも民間人が戦火に巻き込まれ、自決を強いられました。
アメリカ軍も反省しませんでした。日本軍が民間人を守らず投降を許さないことをサイパンで熟知したはずなのに、沖縄でも無差別攻撃を繰り返し、民間人の殺傷を避けようとしなかった。これが米日の戦い方なのです。
● 原爆による虐殺の張本人が原発を日本に押し付けた
その後、米軍はサイパン島に続き1945年4月に沖縄に殺到しましたが、この時も米日両軍は沖縄の人々を守ろうとせず、島民4人に1人が殺されました。
一方で米軍は、テニアンから大量のB29を飛ばして日本の諸都市を空襲し、無差別大量殺戮を繰り返しました。8月6日広島、9日長崎でも原爆を使った大虐殺を行い、戦後も放射線によって人を傷つけ続け、次世代へも傷害を負わせ続けました。
これらはすべて明白な戦争犯罪です。日本政府にもこうした攻撃に民衆をさらし続け、民衆を守らなかったばかりか、自決まで強いて、事実上酷い形で殺した重大な責任があります。
その戦争犯罪者であるアメリカ政府が、日本でどうしても動かしたかったのが原発なのでした。「被爆者」がいる日本に原発を受け入れさせ、「核による戦争犯罪人」のイメージを一変したかったからでした。
それだけではありません。プルトニウム製造のためにはウランの濃縮が必要ですが、莫大な経費がかかる。そのために原発を普及させ、ウランの需要を大幅に拡大しようともしたのでした。
そうして日本にいつしか60基近い原発が作られ、2011年に福島で、米国が売りつけた原発が過酷事故を起こし、たくさんの人々を被曝させました。
にもかかわらずいま、原発推進に大きな舵切りがなされ、原発再稼働が強行されていいます。さまざまな被曝被害を隠したままでです。もう本当にいやだ!いやだ!いやだ!
これら一連の大きなつながりをきちんと見すえ、真正面から立ち向かいましょう!それでこそ原発を止め、明るい未来を切り開く可能性を切り拓ける。27日にその点をしっかり語ります。ご参加下さい。
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