守田です(20211204 23:30)

12月4日はペシャワール会の中村哲先生のご命日でした。
中村先生が身体をはって示して下さった平和への思い、ご遺志をみんなで引き継ぎたいです。そんな思いを込めて、動画をご紹介します。


中村哲先生とともに 京都市蓮華寺にて

● めざすのは戦乱のない平和で豊かな世の中

中村哲さんが亡くなられた時、僕は京都で中村先生を何度もお呼びしたピースウォーク京都の仲間たちと、追悼のビジルに立つとともに、福岡市で行われた葬儀にも参加しました。
葬儀は本当に心に残る形で行われ、最後に、献花を終えた参加者が外に出た後に、アフガンの方やペシャワール会の方たちが担いだ先生の棺が会場からで出て霊柩車に納められ、ホーンを鳴らして立ち去りました。
拍手が起こりました。

あの日は京都から訪れた仲間たちと火葬場にも向かい、中村先生のお骨を納める場にも立ち会わせていただくことができました。
火葬のあと、ご遺族のみなさんが骨を拾われたあとに、その場に通していただき、まだ残っていた先生の太い、しっかりしたお骨も拝見することができました。

アフガンの方が「ぜひ先生のお骨を分けてください。先生はもう半分はアフガン人です。アフガンに埋めなくてはいけない」と言われ、その場で分骨が決まりました。
でもお骨をくるむものがない。それでとっさに同行していた仲間が、京都の若いお母さんたちが作った”I hope peace”と書いた青いフラッグを差し出し、それに先生のお骨がくるまれました。
お骨は海を渡り、アフガンに届き、大地に眠っていることでしょう。

あれから2年、アフガンも政情も大きく変わっていますが、目指すことは一つ、「戦乱のない平和で豊かな世の中」です。
それを紡ぎ出そうとした中村哲先生の平和への思いを、2年経った今、あらためてみんなで受け継ぎたいです。


何度も京都で講演してくださった中村哲先生 守田撮影

● ペシャワール会とクナール河と筑後川山田堰

そのためにも2020年2月に行った講演動画をご紹介します。
京都市長選の直後に、京都府木津川市にお招きいただき、「Olipoli くらしのあれこれを話す会」主催で話したものの記録です。

ここで僕は中村哲さんの活動の概要を話すとともに、中村先生とペシャワール会が、クナール河に作ったマルワリード(真珠)用水路についての「秘話」をお話ししました。
中身はこの用水路が、福岡県朝倉市にある筑後川の山田堰の工法を応用していることです。しかも単に技術を応用しただけではなく、人々の争いを収める知恵もが応用されたのです。

というのは「用水路」というと、「渇きを癒して幸せを広めるもの」というイメージだけが沸きます。
しかし実際には、あるものが潤う一方で、あるものは不利益を被る面もあり、それがまた争いの火種になることもあるのです。中村先生はそのことも古文書を読んで把握され、争いを納める大切な知恵も携えて用水路を作られたのでした。

このことを僕は、中村先生が京都に講演に来られた時にお連れした、蓮華寺の境内でお聞きしました。その後に福岡県に赴き、自分で筑後川にある山田堰周辺を歩いて見分もしました。
貴重な話ですので、みなさんに伝えなくてはと、この時、お話しましたので、今宵、その動画をご紹介します。

平和を紡ぎ出すのは難しい。なぜ人々が争うのか、火種はなにかを抽出し、一つひとつ丁寧に「火消」していく作業が必要なのです。
その中でこそ平和は広がっていく。そのための活動には、たくさんの辛いもの、悲しいものがあるけれども、でもその道を歩いた先人たちはたくさんいた。中村先生もその足跡を辿られました。
だとするならば僕もその道を辿りたいです。ただ僕一人辿っても大きな成果につながる自信はさらさらない。だからみんなで、たくさんで歩みたい。そして願わくば、その道を歩いた人もすごく幸せになることを僕は見届けたいです。

みなさま。ともに中村哲先生の平和への思いを受け継ぎましょう。平和に向かって逞しく歩み続けましょう!

#中村哲 #ペシャワール会 #クナール河 #マルワリード用水路 #山田堰 #Olipoliくらしのあれこれを話す会 #平和の道 #平和への遺志 

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