守田です。(20180705 22:00)
現在、西日本から東日本にかけて大雨が降り続け、各地に避難指示・勧告・準備などが発令されています。
僕が住んでいる京都市ではより北側・山側にある右京区・北区・左京区の各地に避難指示が出されており、実際に今宵を避難所で過ごしている友人もいます。
幸い僕の住まいは警報・注意報は出ていませんが、携帯がひっきりなしにアラーム音をたてて各地への警報発令を知らせています。
今日の午後2時過ぎに気象庁が緊急の記者会見を行いました。
正確な情報をつかみたかったので発表約15分と質疑応答35分からなる会見全体をYouTubeで見ました。。
<気象庁臨時会見>西日本・東日本の大雨について 2018-7-5
https://www.youtube.com/watch?v=UyPR7YiU0oA
再生回数が僕が見終えた時点でわずか206回でなんだか残念ですが、気象庁が台風以外、とくに梅雨前線による雨の見通しでこおした記者会見を行うことは異例なことだそうで、ともあれその内容をご紹介したいと思います。
(ただし内容の要点はさまざまなニュースで伝えられていますが)
気象庁が強調していたのは、すでにこれまでも沖縄や九州・四国で多くの雨が降りましたが、さらに「非常に激しい雨が数日間断続的に続き、記録的な大雨になる恐れがある」という点です。
現在、日本中で雨が降っていますが、北日本は今日の夕方までで激しい雨がおさまる見込みとのこと。北日本に激しく雨が降ったのは、対馬海峡付近で台風7号から変わった熱帯低気圧がゆっくりと東南東へ進んだためです。
一方、沖縄地方、大気の状態が不安定で石垣島などで大雨になっており6日にかけてこの状態が続くとのこと。
これに対して中国大陸から西日本、東日本、東北地方へかけては梅雨前線が伸びており、ここに太平洋高気圧から温かく湿った空気が流れ込んで前線が活発化し、広範囲に雨を降らせているとのこと。
しかもこの激しい雨が長く続いて8日にいたる可能性があり、「記録的豪雨」になる可能性があるというのです。
これに伴い、土砂災害、低い土地の浸水、河川の氾濫、落雷や竜巻などの激しい突風が起こることが予想されるので厳重な警戒が呼び掛けられています。
危険が迫っている地域は、少しでも安全な場所へに早めに避難をすること。危険な場所には近づかないことが指摘されています。
なお危険個所は気象庁ホームページに表示された警報・注意報などを参考に把握して欲しいとのことです。
気象庁ホームページ
https://www.jma.go.jp/jp/warn/
今後の予想ですが各地の「警報級注意報級になる期間」が示されました。
関東・甲信・中国地方は7日まで警報級が続くそうです。
北陸・東海・近畿・四国・九州北部南部は8日まで続くとのこと。東北地方は7日まで。
北海島と沖縄は5日いっぱいですから明日には解除される予想です。
今後の雨量の予想で6日12時までにもっとも多く降るのは東海で450ミリ。
以下、四国400ミリ、近畿350ミリ、関東甲信300ミリ、北陸250ミリ、九州南部・奄美250ミリ、九州北部200ミリ、中国150ミリ、東北80ミリ、北海道60ミリと予想されています。
7日12時までは東海が300~400ミリ、四国300~400ミリ。
関東甲信、北陸、近畿、九州北部、九州南部・奄美が200~300ミリです。
8日にかけての降水量の予想は現在の技術では無理とのことでした。
これだけ前線が伸びて広範な地域に雨が広がっていると、条件次第でいろいろな変化が起こるそうで、どこがどれだけ激しくなるかなども極めて予想しずらいとのこと。
それだけで各地で警戒を強化して欲しいという提言が繰り返しなされていました。
ともあれこれから8日まで雨が続くことで、西日本と東日本のかなり広範な地域が記録的豪雨を受ける可能性があります。
ちなみに今日一日、正確には4日午後9時から5日午後9時までの京都市の降水量は147.0ミリです。アメダスのデータによるものです。
https://tenki.jp/amedas/6/29/61286.html
では京都市の年降水量はというと1491.3ミリです(統計期間:1981~2010)。つまり1日で年間の10分の1の雨が降ったことになります。平均値にして一月分を大きく越えています。
https://weather.time-j.net/Climate/Chart/kyoto
午後2時の発表で東海では6日12時までに450ミリの雨が降ると予想されていました。その一日後までの予想は300~400ミリでした。中央値をとって350ミリと考えるならわずか二日で800ミリ降ることになります。
では名古屋市を調べてみると年間降水量は1535.3ミリ(統計期間:1981~2010)です。なんと年間降水量の半分以上が2日で降る可能性があるわけです。
https://weather.time-j.net/climate/chart/nagoya
年間降水量の半分以上が今後7日までに降るかもしれないこと、さらにその先、8日まで激しい雨が続く可能性があることを私たちは肝に銘じておくべきです。
その場合、これまでの災害対策の想定を越えてしまい、大きな被害が出る可能性があります。だからこそ、念には念を入れて、災害に備えることが大切です。
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