守田です(20180516 23:00)

アメリカが在イスラエル大使館を5月14日にエルサレムに移すという暴挙を行いました。世界中の反対を押し切ってです。
パレスチナの多くの人が怒りのデモに訴えていますが、パレスチナ自治区のガザでの4万人のデモにイスラエル軍が発砲を繰り返し、現時点で子どもを含む62人が射殺されてしまいました。けが人は3000人近くにおよんでいます。

なぜこんなことが起こったのか。
もともとエルサレムはユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地が重なるところで、だからこそ長い歴史の中でたびたび衝突が起こってきたところでもあります。
イスラエルはこのエルサレムを「首都」と宣言してきましたが、世界中の国々や人々がこれを認めず、テルアビブを首都ととらえて大使館をおいてきました。アメリカもでした。

ところがトランプ大統領は選挙中から、エルサレムの首都「認定」とアメリカ大使館の移転を公約に掲げ、就任後も実行をほのめかしてきました。
これに対し昨年12月に国連総会でエルサレムの首都認定の撤回をアメリカに求める決議が128か国の賛成で採択されています。
にもかかわらずトランプ大統領はこうした世界の人々の反対を押し切って14日に大使館移転を強行したのです。

パレスチナの人々は猛反発。激しい抗議を繰り返していますが、その根拠の一つはパレスチナの人々も独立国家が認められたらエルサレムを首都にすることを共通の意志にしているからです。
ただしその場合は「東エルサレム」のみをパレスチナの首都とすることが考えられてきたのでした。
トランプ大統領はこうしたパレスチナの人々の意志を無視し、世界中から批判を浴び続けているイスラエルの主張だけを受け入れてしまったのです。

しかもこの移転の日が最悪でした。なぜなら5月15日のイスラエル建国70年周年の日にあわせてたのですが、この日はパレスチナの人々にとっては、自分たちが生まれ故郷を追われ始めた大厄災=「ナクバ」の初めの日を意味しているからです。
そこに合わせて大使館移転が強行されたため、より激しい怒りのデモが沸き起こったのです。ところがアメリカの暴挙を歓迎するイスラエルが直ちに軍を出動し、デモ隊に対してガス弾や実弾での射撃を浴びせかけ、多数の人々を殺害しているのです。

あまりにもひどいです。なんとかこの殺人を止めたい!
抗議の声をあげていきたいですが、同時にみなさんにこの時期にイスラエルのこと、パレスチナのことへの認識を深めていただきたいです。事態を知ることから解決の糸口も見えてくるからです。

そのために推薦したいのがユダヤ人のダニー・ネフセタイさんが書かれた『祖国のために死ぬのはすばらしい?』という本を読むこと、またダニーさんのお話を聞くことです。
またパレスチナの問題を最も積極的に解き明かしてきた広河隆一さんや岡真理さんの本を読み、講演会などに参加して欲しいです。

具体的な企画としては関西でのものになってしまいますが、5月26日土曜日夜に京都市内でダニーさんの講演会があるのでぜひお越しください。この日は僕も駆けつけて一言挨拶させていただきます。午後6時半からウイングス京都にてです。イベントページを貼り付けておきます。

国のために死ぬのはすばらしい? ~外国人の目に映る人権~
https://www.facebook.com/events/170650453756149/

5月27日には大阪市西淀川区民ホールで岡真理さん講演会が行われます。この日もダニーさんも参加!他の方からも報告があります。チラシのアドレスを示しておきます。

パレスチナ「建国」70年の意味~パレスチナから日本を撃つ 岡真理講演会
http://www17.plala.or.jp/kyodo/0527.pdf

世界全体が平和になることを目指して、学びを深めながら声を上げ続けましょう!