守田です。(20161202 22:30)
京都府宇治市で市長選が始まろうとしています。4日告示、11日投票です。
この選挙に向けて「21宇治市民ネット」から田村和久さんが挑戦されようとしています。日本共産党の推薦を受けてのことです。
昨日、田村さんを応援する「12・1市民大集会」が開かれ、招かれて応援弁士に立ちました。
そこでお話した内容をここにも掲載しておこうと思います。
なお「田村和久 21宇治市民ネット」のFacebookページをご紹介しておきます。
https://www.facebook.com/tamurrakazuhisa/
ぜひ田村さんにお力添え下さい!
*****
原発事故と食の腐敗から人々を守るために
みなさん。こんにちは。守田敏也です。
僕は原発に反対する運動を長く続けていますが、同時に兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会の委員としても活動しています。
篠山市では原発災害に備えて安定ヨウ素剤の市民への事前配布を行っています。
篠山市の方針は事故があったらこの薬を飲んで「とっとと逃げる」です。
今日、僕がここにやってきたのは、田村さんを市長におしあげて、原子力災害対策や災害対策一般を一緒に推し進めたいと思っているからです。
とくに原子力災害対策は真剣に行うと原発の危険性がとてもよく見えて、原発を監視することにもつながります。
だから僕は原発に関しては災害対策を重ねることが災害の発生そのものを押しとどめることにもつながると思っています。
ご存知のようにこの間、日本中で地震が多発しています。
4月に熊本県益城町で14日に震度7の地震が起こりました。そして16日にもう一度震動7の地震が起こりました。
エネルギー量でいうと1回目がマグニチュード6.5、2回目が7.3でした。この2回目の方がなんと16倍も大きい。
これは決定的な事実なのです。観測史上初めてのことだったからです。
これが意味するのは、現代科学はまだ地震がどのように起こるのかを十分には把握できていなということなのです。
さらに10月には鳥取県で震度6弱の大きな地震が起こりました。
この地震は断層が動いたというよりも「ひずみ集中帯」が動いたと分析されています。
私たちの住んでいる日本列島は大きなプレートに上に乗っています。
そこに太平洋側から違うプレートが徐々に押し寄せてきていて、私たちの乗っているプレートの下に潜り込んいます。
潜り込んでいくときに私たちの乗っているプレートの端が引っ張り込まれてしまう。
そこにエネルギーが溜まり、やがてバーンと跳ね返って起こるのが東南海トラフの地震だと言われています。
とくに南海地震は今後、30年の間に7割の確率で起こると言われています。地震学ではこれはもう「絶対に起きる」という言い方です。
だから私たちは災害対策を重ねなくてはなりません。
しかしこのように私たちの乗っているプレートの下に太平洋からくるプレートが潜り込む力は、単にヘリを引っ張り込むだけではなくて、日本列島全体にひずみを与えています。
そのひずみのエネルギーは日本海側に溜まっているのです。それで起こったのが鳥取県の地震です。
さらにひずみ集中帯はなんと福井県の原発銀座のそばも通っているのです。
だから今後、原発銀座周辺でもどんな地震が起こるか分からない。
原発にとってこのことが決定的なのは、この「ひずみ集中帯」があることが分かってきたのは1990年代だということです。
阪神大震災もその認識を大きく広げたのですが、これは重大なことなのです。なぜか。日本中の原発のほとんどが1990年代以前に設計され、建設されてしまったからです。
だから実は今、日本にある原発のほとんどは、新しい地震学の知恵をまったく反映していないのです。
だからもう動かしてはならないのです。停めておかなければならないのです。
いや原発は停めても燃料プールがある限り危険だから早く解体して廃炉にしなくてはいけないし、だから原子力災害対策も採り続けていかなければなりません。
福井の原発銀座で何かあったらあっという間にびわ湖が汚染されてしまいます。
下流の風光明媚な宇治川も手酷く汚染されてしまいます。もう宇治川での川遊びなんてできません。いや生活そのものができなくなります。
にもかかわらず、九州で地震が頻発したときに、鹿児島の前の知事さんは川内原発を止めようとしませんでした。
それに対して知事選で原発稼働反対を掲げた三反園さんが勝利しました。
同じようにこの地震が相次ぐ中で、新潟県で世界最大の原発である柏崎刈羽原発を東電が動かそうとしています。
これに対して再稼働に反対してきた前知事泉田さんの声を受け継いだ米山さんが勝利されました。
これがいまの私たち民衆の力ですよ。
それを宇治市でも開花させ、原発反対市長を誕生させましょう。
田村さんは学生時代に民生同盟の京都府委員長として阪神大震災のボランティアへの関わりを陣頭指揮された経歴をお持ちです。
1000人の若者を現地に送り込んだそうです。
最近の宇治川水害のときにも、日本共産党の災害対策の現場責任者になられたそうです。
この経歴が絶対に生きます。宇治市を守るためにこれほど頼もしい経験はありません。
ぜひ田村新市長のもと、宇治市に原子力災害対策検討委員会を立ち上げ、全国に先んじた災害対策の強化を図りましょう。
今日はどうしても言いたいことがもう一つあります。それは食べ物のことです。
さきほども田村新市長のもとで、いまは行われていない中学校学校給食を実現しようという声があがりましたがこれに直結するお話です。
アメリカでトランプ現象が起きましたね。ここで問われるのはオバマ政権を受け継ごうとしたヒラリー・クリントンがなぜ負けたかです。
この大きな背景の一つが食べ物のことなのです。
なぜかというといま、アメリカの食糧事情がめちゃくちゃにひどくなっているのです。
食べ物はこれまで長い間、あこぎな金儲けの対象にしてはいけない、投機やマネーゲームの対象にしてはいけないと、さまざまな法的規制でガードされてきました。
その規制を解除してしまったのがクリントン大統領だったのです。このため食べ物市場に酷い形でマネーが流れ込むことになりました。
アメリカには20世紀初頭の大恐慌以来、フードスタンプというものがあります。
そのフードスタンプを1970年に受け取っていたのはアメリカ国民の50人に1人でした。
ところがそれが金儲けの対象となったために、2013年では7人に1人、およそ4600万人が受け取っているのです。
どういう形で支給されるのかというともうスタンプではなくてカードになっていて、カード会社がまず儲ける。
そのカードで受給者がどこで食料を買うのかというと二人に一人はウォルマートというスーパーマーケットで買っているそうです。ウォルマート、ぼろ儲けです。
しかも1月に払われる額は全米で平均135ドル。1食分だいたい150円ぐらい。それで採れるだけのカロリーを採ろうとするからジャンクフードに集中します。
だから貧しい人はウォルマートで、カートでジャンク品をガーッと買って、それを食べて激太りしているのです。
もちろん病気になるので、メディケイドという低所得者層だけを対象とした公的保険で病院に行き、薬を出されて飲みます。ここで儲かるのは製薬会社です。
オバマはもともと大統領選でこうした食料事情の腐敗の一掃をスローガンに掲げました。ところがこのオバマに食料産業が多額の選挙資金を出したのですね。
それでオバマ大統領のもとで何が行われたのか。
例えばアメリカに食品や薬品を規制するFADという機関があります。「食品医薬品局」です。この上級顧問にオバマは遺伝子組み換えで有名なモンサント社の副社長を据えてしまいました。
そのもとで遺伝子組み換え商品表示義務などの規制がさらに解除されてしまいました。
こうして食料事情がますます劇的に悪くなり、人々がファットになり、ボロボロになっているのが今のアメリカです。
だからもう嘘つきのオバマを継承し、ウォール街をバックにしているヒラリー・クリントンにだけは大統領になって欲しくないと言う声が広がり、リベラル側からもトランプに票が行ったのです。隠れトランプ票です。
もちろん僕はトランプなんてまったく支持しませんよ。
あんな排外主義が許されていいはずがないではないですか。
しかし食べ物でぼろ儲けしてきた側にいたヒラリー・クリントンの方が僕はもっと悪いと思っていました。
戦争でぼろ儲けしている軍産複合体もクリントンのバックについていました。
そんなひどいことがいま、アメリカで起こっているのですが、日本にもこの流れが押し寄せつつあります。これをなんとしても阻止したい。
そのためにはいま、学校給食をまっとうに行うことはとても力があるのです。
まっとうにやって放射能を測って欲しい。遺伝子組み換え食品を止めて欲しい。添加物もできるだけ排除して欲しい。
理想的な食べ物を、どんなに貧しい子どもでも学校に来さえすれば食べられる。それを確保することが私たちがこのひどい世の中で子どもを守っていく大きなポイントになります。
そのためにも田村さんのもとで、理想的な学校給食を実現し、さらに原子力災害対策や災害対策全般も理想的に推し進めていきましょう。
最後まで一緒に頑張りましょう!