守田です。(20141003 23:30)

表題に掲げたようにパレスチナからラジ・スラーニさんが来日され、東京大学と京都大学で講演されます。ぜひご参加下さい。
僕自身は残念ながらちょうど岡山での連続講演などがかぶっていてかけつけることができないのですが、広く参加を呼びかけたいです。

これまで何度も報じてきましたが、この夏、イスラエルはまたしてもガザに何の正当性もない空襲を繰り返し、子どもたちを含むたくさんの命を奪いました。完全なる戦争犯罪でした。
この連続攻撃そのものはいったん止まっていますが、イスラエルがガザを違法・不当に軍事包囲している状況は何ら変わっていません。たくさんの人の命を奪った戦争犯罪人も1人も裁かれていません。
その意味でイスラエルによる不当な暴力支配は依然継続中です。人殺しが今も構造化されているのです。

イスラエルの本当にひどい攻撃が続いているとき、友人の岡真理さんが、毎日、連続的にパレスチナからの声を翻訳して流してくれました。
岡さんはその中で、問題はイスラエルが長年にわたって構造化している暴力支配にこそあり、連続攻撃が一度止まってもこの暴力構造が無くならなければ事態は変わらない。
イスラエルにガザの封鎖を止めさせ、一切の暴力を止めさせなければならないと繰り返し鮮明に訴えてくれました。

僕もこの夏は、イスラエルの殺人攻撃に屈せずに、その違法性・不当性を訴えながら、パレスチナの声を紹介し続けましたが、その中で大きな感銘を受けたのが、今回、来日されるラジ・スラーニさんの声でした。
以下、ラジ・スラーニさんへのインタビューを紹介した記事を示しておきます。なおこの時のインタビューアーの土井敏邦さんも東京、京都と共に講演に立たれます。東京では土井さんの映画も連続上映され、ラジ・スラー二さんが解説されます。記事の中で土井敏邦さんのことも紹介してあるのでご参考ください。
8月にラジ・スラーニさんが「なぜ停戦だけでは不十分なのか」という声を上げられた時の岡真理さんの翻訳を転載した記事も示しておきます。

明日に向けて(892)この状況に前例はない―パレスチナ、ラジ・スラーニ氏インタビューから考える!(上)-20140717
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ad5ee4456b339b60070ad39c5d319d91

明日に向けて(893)この状況に前例はない―パレスチナ、ラジ・スラーニ氏インタビューから考える!(下)-20140718
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/219a7d7732c87b53b81e5e942848b147

明日に向けて(909)なぜ停戦だけでは不十分なのか(ラジ・スラー二さん。岡真理さん翻訳)-20140804
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/4cf7cea78528bf0e50e6d6d72bb4be95

私たちはイスラエルによる構造的暴力支配をこそ止めさせなければなりません。そのために軍事侵攻が止まったことでガザへの関心を低めてはならない。それではまた数年後に同じようなイスラエルの攻撃が行われるだけです。
いや同じような・・・というのは正しくない。繰り返されるたびに、より暴力的でより多くの殺人を伴った攻撃が行われてきているのです。
あんなひどい虐殺が二度と起こらないために、現存する暴力構造を解体する必要がある。そのために私たちはパレスチナの今、ガザの今をしっかり知る必要があります。この夏、イスラエルが行った殺人戦闘をしっかりと記憶に刻み、私たちの周りに伝え続けていく必要があります。
ラジ・スラーニさんの講演、また戦火のガザにも赴いた土井さんの講演に耳を傾けるのはそのための絶好の機会です。ぜひそれぞれの会場にお越しください。

以下、岡さんの呼びかけを転載します。
東京のスケジュールも記しておきます。
またこの夏に僕が書いたガザ関連の記事の一覧も付記しておきます。

*****

京都の岡真理です。
10月にはいり、すっかり秋めいてきました。
歩いていると、金木犀が香ってきます。

さて、待望のラジ・スラーニさん京大講演会(10月13日)のお知らせです。
(ラジ・スラーニさん詳細については末尾をご覧ください。)

パレスチナ人権センターの代表であり、世界的にも著名な人権弁護士、ラジ・スラーニさんは当初、7月に来日予定でした。しかし、エジプト側国境が開かず、来日は10月に延期となりました。
その後、ご存じのとおりガザは51日間の大規模軍事攻撃に見舞われました。
ラジさんは、先週、ブリュッセルで開催された、イスラエルのガザ攻撃を裁くラッセル法廷(国際民衆法廷)で証言するはずでしたが、期日までにガザを出域することができず、参加できませんでした。
*ラッセル法廷についてはこちらを↓
www.russelltribunalonpalestine.com

今回の来日もぎりぎりまで危ぶまれましたが、9月末、出域が叶い、カイロでヴィザが発給され、予定どおり来日できることとなりました。
今次攻撃とはいかなるものであったのか、そして、停戦後も続く封鎖の暴力について、空爆下のガザを取材されたジャーナリストの土井敏邦さんと、ガザに生きる人権弁護士、ラジ・スラーニさんに語っていただきます。
ガザの声をお聞きください。みなさまのお越しをお待ちしております。

以下、13日の京大講演会の詳細です。

■■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
公開講演会
ラジ・スラーニ「ガザに生きるーー尊厳と平等を求めて」
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■日時:2014年10月13日(月・祝日)
13:30開演 18:00終了予定

■会場:京都大学吉田南キャンパス 人間・環境学研究科棟地下講義室
www.h.kyoto-u.ac.jp

*東大路に面した西門、西南門から入ってすぐの建物です。
キャンパスマップで建物の位置を必ずご確認の上、お越しください。

■入場無料、申し込み不要。使用言語:英語(逐次通訳あり)。

*定員200名です。満席の場合は、ご入場できませんのでご了承ください。

■問合せ:PJ21kyoto@gmail.com

■プログラム
12:45 開場
13:15 映画「ラジ・スラーニの道」(12分)上映
13:30 開演
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第1部
13:35 基調講演1 土井敏邦氏「ガザ攻撃・2014夏」(80分)
―――――――――――――――――
14:55 休憩(10分)
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第2部
15:05 基調講演2
ラジ・スラーニ氏「ガザに生きる–尊厳と平等を求めて」(100分)
―――――――――――――――――
16:45 休憩(10分)
―――――――――――――――――
16:55 質疑応答(60分)
17:55 終了予定

*プログラム内容の変更
当初、第1部で土井敏邦監督の映画「ガザに生きる」5部作のうち「封鎖」の上映を予定し、チラシにもそのように記載いたしました。
しかし、今次ガザ攻撃という事態を受け、土井さんとも相談の結果、空爆下のガザで取材された土井さんに、今夏の攻撃についてご講演いただくことになりました。

*全体で4時間半の長丁場になります。水分補給等、お忘れなく。

*京都以外のラジさんの講演会については、土井敏邦さんのHPをご覧ください。
http://doi-toshikuni.net/j/info/201410raji.html

■ラジ・スラーニさんプロフィール —————————————-
Raji al-Sourani
パレスチナを代表する人権活動家、オピニオン・リーダー。1953年生まれ。パレスチナ人権センター設立代表。
イスラエル占領下における人権擁護活動はたびたび弾圧され、5年近く逮捕、勾留され、厳しい拷問を受けた。
長年の人権擁護活動は国際的にも高く評価され、ロバート・ケネディ人権賞(1991年)、フランス人権賞(1996年)など、数々の国際的賞を受賞。
昨年12月には、「第二のノーベル平和賞」とも呼ばれるライト・ライブリフッド賞を受賞。

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主催:京都大学大学院人間・環境学研究科 岡真理研究室
共催:京都大学大学院人間・環境学研究科 学際教育研究部
ラジ・スラーニ氏来日実行委員会
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「ガザの人権を考える」
ラジ・スラーニ氏講演とガザ映画上映会
2014年10月11日(土)14:00 – 19:30
2014年10月12日(日)13:00 – 20:30
東京大学(本郷キャンパス) 経済学研究科棟 第1教室
【資料代】1日ごと 1000円
上映作品『ガザに生きる』5部作:土井敏邦

10月11日(土)14:00 – 19:30
14:00 【映画】『ガザに生きる』第四章 封鎖
民衆のハマス支持への“集団懲罰”だったイスラエル“封鎖”政策。住民の生活窮乏の実態と、将来への希望を奪われた青年たちの絶望。(84分)

15:40 土井敏邦・緊急報告と『ガザ攻撃 2014年夏』上映ドキュメンタリー映像『ガザ攻撃 2014年夏』(60分)を初公開。

17:00 ラジ・スラーニ氏 講演「2014年ガザ攻撃で何が起こったのか」

18:30-19:30 質疑応答司会・長澤榮治氏(東京大学教授)

10月12日(日)13:00 – 20:30
13:00 【映画】『ガザに生きる』第二章 二つのインティファーダ
占領への怒りが爆発した第1次インティファーダ。その結末の「オスロ合意」が“占領の合法化”と知った民衆の失望と怒りが再び爆発する。(84分)
14:30 ラジ・スラーニ氏の解説

15:15 【映画】『ガザに生きる』第三章 ガザ撤退とハマス
ガザ撤退したイスラエルの真の狙い。慈善組織と武装組織の2つの顔を持つハマスが、ガザで勢力拡大した背景とその影を描く。(67分)
16:30 ラジ・スラーニ氏の解説

17:15 【映画】『ガザに生きる』第五章 ガザ攻撃
数千人の死傷者を出したガザ攻撃は、ガザの産業基盤も破壊した。パレスチナ側、イスラエル側双方の証言を元にガザ攻撃の実態と背景、その狙いを暴く。(87分)
18:50 ラジ・スラーニ氏の解説

19:30 – 20:30 【対談】ラジ・スラーニ氏と臼杵陽氏臼杵陽(うすき あきら、日本女子大教授)

アクセス
◾東京大学(本郷キャンパス)
◾経済学研究科棟

主催・連絡先
【主催】土井敏邦 パレスチナ・記録の会
【共催】科学研究費基盤研究(A)アラブ革命と中東政治構造変容に関する基礎研究/NIHUイスラーム地域研究東京大学拠点パレスチナ研究班
【連絡先】doitoshikuni@mail.goo.ne.jp

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明日に向けて(888)ガザ・繰り返されるジェノサイドー私たちの応答責任(緊急集会in京都)-20140711
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/e4b8f881a68583b973e05130cf72a8ef

明日に向けて(892)この状況に前例はない―パレスチナ、ラジ・スラーニ氏インタビューから考える!(上)-20140717
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ad5ee4456b339b60070ad39c5d319d91

明日に向けて(893)この状況に前例はない―パレスチナ、ラジ・スラーニ氏インタビューから考える!(下)-20140718
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/219a7d7732c87b53b81e5e942848b147

For Tomorrow(894)Israel, Stop indiscriminate killings!-20140718
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/044732b9f971afcd62e4d865f2fd059c

明日に向けて(895)良心的兵役拒否をつらぬくイスラエルの若者たちの思いをシェアしよう!-20140718
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f593e5324ccff3d236f9e80dadf57ea2

明日に向けて(897)ガザ侵攻の背後にあるイスラエルの構造的暴力支配をこそやめさせなければ-20140724
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0ab4839ba2c604268df668ca52213826

明日に向けて(898)戦争の責任は全面的にイスラエルにある。ハマースは真の休戦(封鎖解除)を求めている-20140725
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f60427de5d98c8749891c8d6595a5056

明日に向けて(899)ガザの痛みを共にし真の平和を求めて行動しよう!(ネナ・ニュース7月20日より)-20140725
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/1dc6135f3430a1821effa9e7494ca468

明日に向けて(900)ガザの痛みを共にし真の平和を求めて行動しよう!(ネナ・ニュース7月21日より)-20140725
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/e5390042768c84bb363d3f803e07d58a

明日に向けて(902)ガザの痛みを共にし真の平和を求めて行動しよう!(ネナ・ニュース7月22日より)-20140726
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/7c3ab1486b1036cc7a227e1877660f0a

明日に向けて(903)ガザの痛みを共にし真の平和を求めて行動しよう!(ネナ・ニュース7月23日より)-20140726
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/b783ad883ee92a52354511fb742e076c

明日に向けて(904)ガザ紛争を正しく理解するために・・・一問一答-20140727
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/496b715be8370614dc833ec976a15f55

明日に向けて(909)なぜ停戦だけでは不十分なのか(ラジ・スラー二さん。岡真理さん翻訳)-20140804
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/4cf7cea78528bf0e50e6d6d72bb4be95

明日に向けて(910)アメリカのメディアがあなたに言わないこと(岡真理さん翻訳)-20140804
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/bd2e04075bfb3c7bbc7d21425bf0ddf2

明日に向けて(911)ハマースを理解する(岡真理さん翻訳)-20140804
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0f698629188800b2e67488c28f4eb850

明日に向けて(917)紛争解決入門:ハマースと話せ(メデア・ベンヤミン 岡真理さん翻訳)-20140816
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ca4334ebacdbb74e0d4a69d544c8828c

明日に向けて(927)ガザを想う―「停戦」という名の戦争の継続の中で-20140903
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3afd82de5545c425528db8e6df611c2c