守田です(20230527 11:30)

● 竹峰誠一郎さん講演「マーシャル諸島 終わりなき核被害を生きる 世代を超えた影響も見すえて」をご覧下さい

5月13日に僕も世話人を務めている京都「被爆二世・三世の会」の年次総会を行い、記念講演に竹峰誠一郎さんをZOOMでお招きしてお話していただきました。
ぜひ多くのみなさんに聞いていただきたくて、録画を編集してアップしました。お聴きください!

この書のダイジェストをお話いただきました。ぜひ動画に続いてお読み下さい!

● 竹峰さんのお話の構成(レジュメから)

このお話をどうみなさんに紹介するか、けっこう迷いましたが、大事なポイントをたくさん語っていただいたのでやはり詳しく紹介しておきたい。
それで何回かに分けて紹介しまます。まず竹峰さんから参加者用に頂いたレジュメから項目をあげます。動画をご覧になる際もご参考下さい。

はじめに 世代を超えた影響
 「被爆者」という言葉は、いつごろ生まれたの?世に広がったの?
 「被爆者」と「原爆被害者」その間
 「被爆二世」「被爆三世」の「影響」とは

1,広島・長崎の原爆投下からマーシャル諸島の核実験へ
 マーシャル諸島にみる「日本」
 広島・長崎の原爆投下のその直後
 米核実験の概要

2,核実験の「その後」生きてきた軌跡を追って
 水爆ブラボー実験をめぐって
 水爆ブラボー実験の「その後」―米政府機関による追跡調査
 住民側の抵抗
 米政府を動かした住民の抵抗

3,終わりなき核被害
 再居住は現実になるのか?
 「楽園」が甦った?
 新たな脅威
 続く米軍の駐留
 アメリカ政府の公式見解
 被曝地の未来をどう拓くのか

おわりに 世代を超えた影響に引きつけて
 「被爆二世、三世」
 健康面の影響
 健康だけに留まらない影響、例えば環境汚染

竹峰さん講演スライドから

● 被爆者とはなにか・・・から話は始まった

さて今回の講演に際して、私たちはマーシャルのことを踏まえて、被爆二世・三世への影響などもお聞きしたいとお願いしていたのですが、竹峰さんは冒頭でこの点を深く堀さげて下さいました。
「被爆二世・三世」という前にそもそも「被爆者」とは何を指す言葉で、いつから使い始められたのでしょうか?

答えは1957年2月に「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(原爆医療法)」ができたときからなのです。つまり「被爆者」とは誰を「援護」の対象とするか、法律による規定からスタートしているのです。
そしてその時、大きな欠落=被災者の切り捨てが生じています。端的だったのは1954年にビキニ環礁で行われた水爆実験被災者が切り捨てられたこと。原爆医療法制定過程では、援護対象に原水爆実験や原子力災害の被災者も含まれていたにも関わらず。

広島・長崎でも被災したたくさんの人々が除外されてしまいました。「黒い雨訴訟勝訴」を思い起こしていただけると分かると思います。だから第五福竜丸で被災された故大石又七さんはご自分を「被爆者」と表記されていたと聞き、胸が熱くなりました。
実は僕もずっと「被爆」「被ばく」「被曝」「ヒバク」の間で悩み続け、すべて「被爆」で良いのではと思っているのですが、原爆医療法が、核実験や核施設事故被災者を「被爆者」に含めていたらこんな区別は必要なかった。

「被爆二世」「被爆三世」とは何かも、ここから考えるとどんどん深みを帯びてきます。そしてこれらを考察する際の重要な入口が「被爆者という言葉はどう生まれたのか」という点です。竹峰さんのお話、スタートからビリビリとした刺激に満ちていました・・

竹峰さん講演スライドから

続く

#マーシャル諸島 #竹峰誠一郎 #京都被爆二世三世の会 #ビキニ環礁 #原水爆実験 #被爆者 #原爆医療法 #被曝二世 #被曝三世 #黒い雨訴訟

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