守田です(20221108 19:00)

京都市京北町で5,6日に行われたツクル森に参加し、スタッフも担ってきました。

● 古来の山里に想いを馳せるタイムワープ 

6日には表題のトークショーに参加しました。
以下からご覧になれます!(ツクル森Facebookページより)
https://fb.watch/gEBxmJ0BaH/

参加したのは以下の面々。(HPで詳しく紹介されています)
守田敏也/高室幸子/福山和人/形川健一/廣瀬圭治/曽緋蘭 Tseng FEILANG
https://www.tsukurumori.com/live-artist/talkshow/

トークの後で 左から形川、フェイラン、守田、広瀬、高室、福山

トークの話題の中心は、かつてあった山里や社会の温かいつながりを取り戻すかというもの。
この問題意識は「みなもとにかえろう」というツクル森2022のテーマに沿い、僕が『逝きし世の面影』という本に書かれていた内容を継ぎ足して紡ぎ出しました。

この書によると、江戸時代後期から明治20年ぐらいにかけて、この国はとても穏やかな豊かさ、温かさを作りだせていた。
諸外国から訪れた人々100人ぐらいの見聞記をまとめたこの本によると、「ここにはかわいらしい妖精が住んでいる」と書かれていたというのです。
それならそんなあり方を取り戻したい!それでみんなに、それぞれの経験を生かして知恵を巡らしてもらい、なかなか面白い討論ができました。

● 福ちゃんが地方自治法の活用例を紹介

いろいろな案が出されましたが、福山和人弁護士が、Facebookタイムラインにこんな風に紹介してくれていたので転載します。

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千年の都・京都の西北の山里京北。桂川の源流京北の木は筏で運ばれ御所の造営に。米、野菜、魚、漆など京北の豊かな富が都を支えました。都と京北は共存共栄していたといえるでしょう。
京北を含め、古来、山里では土地は入会(いりあい)地として住民が共同所有し、助け合いながら農や森の恵みを分かちあって生きてきました。しかし明治以降、個人の所有権を基礎とする近代化が図られました。
その結果、倒木処理も所有者の責任とされる中、山は荒れたまま。輸入自由化の荒波も。改めて所有ではなく入会の発想で、地域共同体による山里の保全が期待されます。

でもそれを住民の自助や共助に頼るのでは不十分です。例えば人口20万人弱の新潟県上越市では、地方自治法202条の4に基づき、28の自治区を設け各区に公募公選の地域協議会を設置。
事務所と職員と独立の財源を保障して、住民の意思によるまちづくりを自治体が下支え。予算は一自治区当たり年500万円?1200万円位。使途は自由。コミュニティバスや保育事業、樹木の保全などに使われて地域力アップ。

京北は2005年に京都市と合併しましたが、役場も警察署もなくなり学校も統廃合。働き口が減り、人口は6749人→4580人と32%も減りました。府立北桑田高校には京都で唯一林業科がありますが、卒業生は地元での就職が難しい。
外資の高級ホテル誘致などより、入会+自治区の方向にこそ山里京北の豊かな持続可能性があるのではないでしょうか?

地方自治法について説明する福山さん ツクル森Facebookページ動画より

● 入会ーコモンズを再度、生み出し、発展させよう!

そうなのだよなあ。入会+自治区、僕もそこに大いなる可能性があると思います。
トークではこの単語を言いそびれてしまいましたが、それこそが、恩師、宇沢弘文さんが唱えた「社会的共通資本」を豊かに発展させること。
近代に入り、すべてを私的所有物に変えてお金儲けばかり追求し、いつしか他人を蹴落とすことを当たり前にしてしまったこの世のあり方を変えることです。

僕はそこに資本主義の矛盾を克服していく一番の道があると思います。
この観点を軸に、社会主義思想をリメイクする中で、「妖精の住む町」をより大きな規模で再現していく道標の一つを紡ぎ出していきたい。
そのために、さらに頑張りを重ねようと思います。乞うご期待です!

トークショーの仕掛け人 廣海緑郎さんと本部スタッフ

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