守田です(20220416 02:00)

● 哲演さんは、被爆者との出会いから社会的歩みを始められた

4月17日に京都「被爆二世三世の会」の2022年度総会を行い、記念講演として中嶌哲演さん(福井県小浜市明通寺住職)のお話をお届けします。
といっても哲演さん、1月末に体調を崩されて2月より入院。闘病生活を経られ、ようやく4月初めに明通寺に戻られたばかり。原発を無くすためにあちこちを歩き回った疲れも重なったようで、しばらくは明通寺で体力回復に務められるとのことです。
それで講演について、どうしようかと哲演さんを相談し、この1月8日に、守田が明通寺にうかがって撮影したインタビュー動画を上映させていただくことにしました。

時間は13時30分から15時30分まで。京都教育文化センター103会議室と、zoomにて行います。参加無料です。
zoom参加ご希望の場合は、以下からお申し込みください。
https://forms.gle/WicQffToub4pRqnB8

なお演題は以下の句を、哲演さんから教わったことに由来しています。
「死ぬる気で出征したる故郷に隠れ病む身となりて帰りぬ」
「今日こそは命断たんと力して研ぎたる出刃はちり紙も切れり」
「熱臭きシャボンの泡にまぎれなく我が黒髪はぬけてやまざり」

出征先の広島で被爆された方が書かれた句です。(この方自身は和歌山の方だそうです)
哲演さんは学生時代に実存主義に傾倒し、社会運動への関心は薄かったのだそうですが、大学から福井に戻ったころに平和行進に参加し、この句の作者である被爆者と出会い、被爆と向き合うことになりました。
やがて小浜で激しい原発反対運動を担うようになられたのも、この体験があったから。哲演さんの原点には原爆による被爆との対決があるのです。

● 「隠れ病む身」の苦悩といかに向き合うのか

このインタビューを僕が志したのは、哲演さんへの強いリスペクトとともに、この歩みについてより深く知り、さらには「隠れ病む身」がどうしたら隠れなくてよいようになるのか、共に探りたかったからでした。
僕は京都「被爆二世三世の会」の仲間や、神奈川の森川聖詩さんとともに、被爆二世三世健康調査アンケートを行い、遺伝的影響についてしっかり把握しながら、被爆二世、三世がよりよく生きられる道を切り拓かんとしています。
そのために遺伝的影響としっかり向き合い、被爆・被曝によって身体に生じていることを見すえるとともに、その点をカミングアウトもし、社会に広く知らしめる中で、被爆者や障害者、病弱者差別と闘い、越えていかなくてはならない。
国に保障や補償もさせなくてはいけない。未来への保証も勝ち取る必要があります。

それこそがまさに「隠れ病む身」の苦悩と向き合いつつ、越えていくことなのですが、この点を話したいと、僕は昨年12月に哲演さんに申し入れ、まずは明通寺でお話したのでした。
すると哲演さんは「まさにこのことこそが自分の積年の課題だった」とおしゃられました。哲演さんは「何度もそのことが喉元から出かかった」ものの、当事者のいない中でそれを語って良いのかと、悩み続けられたのだそうです。
それでインタビューを何回かに分けて行うことを喜んで受けて下さると共に、4月17日の私たちの年次総会で記念講演していただくことも、快くお引き受けくださいました。

それで1月8日に一回目のインタビュー動画を撮ることになったのですが、哲演さん、僕が年末に持参した森川聖詩さんの著、『核なき未来へ~被爆二世からのメッセージ~』を大晦日から元旦にかけて熟読され、僕を待っていて下さいました。
1月8日にそれで2時間ほど、「隠れ病む身」との向き合いについて、深い話を交わすことができました。今回はそれを1時間半ぐらいに編集してお見せします。あとの30分でみなさんに感想を語っていただき、哲演さんにフィードバックするつもりです。
原発に反対する原点について深く語り合いましたので、ぜひ多くの方にお聴きいただきたいです。ご参加下さい。

インタビューに答える哲演さん 明通寺にて

なおその後、休憩を挟んで1時間ほど、私たちの会の年次総会を行います。これも参加自由です。良ければお付き合いください。

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