守田です(20200909 23:30)

● 台風10号の被害を振り返る

台風10号が過ぎ去りました。各地でさまざまな被害が出ました。鹿児島県と佐賀県で2人が亡くなられ、宮崎県では土砂災害で4人が安否不明の状態です。懸命の作業が続けられていますが、事故発生からすでに72時間が過ぎています。
重軽傷者は九州、中国、四国、近畿地方の15県で108人でした。お亡くなりになった方にお悔み申し上げます。また重軽傷を負われたみなさまにお見舞い申し上げます。

気象庁によると、西日本の30の観測地点で最大瞬間風速の記録が更新され、建物の損壊が14県で少なくとも237件発生。
九州電力によると、停電は8日午後8時時点で九州4県の12,350戸で発生中。ただしおおむね9日中に復旧したようです。

当初予想された瞬間最大風速85メートルという風は吹きませんでした。直前の台風9号が海を攪拌したために海水温が下がったことなどにより、勢力が衰えたためだそうです。
このため雨量も当初の予想よりは少なく、深刻な河川決壊などは起こりませんでした。しかし今後も巨大台風が襲来する可能性が高い。災害対策を重ねていく必要があります。


台風10号のまとめ 日本気象協会

● 避難は進んだが避難所が溢れた。ホテルにも予約が殺到した。

災害対策の点から見ると、今回の特徴としてあげられるのは、人々の避難が早めに進んだこと。
しかしコロナ対策から各避難所が収容人数を減らしていたため、避難所が溢れてしまうことが多発しました。

避難所 定員超え相次ぐ 増設の自治体も 台風10号 朝日新聞 2020年9月9日
https://digital.asahi.com/articles/ASN987W1QN98TLVB00Q.html?iref=pc_ss_date

その一方で、九州各県でホテルへの避難が増え予約が殺到しました。
これまでなかったことだそうです。

台風10号接近 熊本や長崎でホテル予約殺到 コロナ念頭の避難? 毎日新聞 2020年9月4日
https://mainichi.jp/articles/20200904/k00/00m/040/234000c

多くの人が台風災害対策とコロナ対策を考慮した結果ですが、しかし今回のホテル使用の多くのケースは自主的なものでした。
これをもっと公的に進めることが必要であるとともに、国の介入により多くの施設を避難所に転嫁していくことが問われています。


台風10号の接近に備え、避難所に身を寄せる人たち=2020年9月6日午後0時29分、熊本県上天草市松島町合津、井岡諒撮影 朝日新聞

● ホテルの避難所としての活用を全国で進めよう!

ホテルを避難所へ!僕はこの点を昨年から繰り返し主張してきました。9月6日にも「繰り返し唱えてきた、まともな災害対策が進まないことに憤りを感じます」と書きました。
しかしこの機に調べたところ、ホテルなどの使用の動きが加速しつつあることが分かりました。まず政府が4月28日に通知「新型コロナウイルス感染症対策としての災害時の避難所としてのホテル・旅館等の活用に向けた準備について」を出しました。

これに応じる形で九州では長崎市が5月21日に、佐賀県が6月12日にそれぞれホテルや旅館業界との協定を結んでいます。
さらに6月25日那智勝浦町、26日東京都と協定が進み始め、以降、大崎上島町、水戸市、大東市、神奈川県、群馬県、八幡平市、京都市、砺波市、米子市、吹田市、高山市、沖縄県、福島市、茨城県、つくば市と広がっています。

これは大事な動きです。そこで全国のみなさんにお願いしたことがあります。どうかお住まいの都道府県、市、町、村でどのようなことが進んでいるか、行政に尋ねて欲しいのです。
もちろんまだ進んでいない行政体に対しては、ぜひとも取り組むことを促してください。進んでいるところは行政と業者で進めている提携に、積極的に参加していくと良い。それやこれやでこの機にホテルの避難所としての活用を全国で進めましょう!


茨城での取り組み 茨城新聞YouTubeより

なお各地の動きを列挙したいのですが、情報量が多くなるので、ページを改めます。
各地の先進的な取り組みをシェアしあって、命を守る動きの連鎖を作りだしましょう!

#台風10号 #ホテルを避難所へ #台風対策 #災害対策

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