守田です(20200906 17:30)

● 台風10号、九州西の海上を吹き抜ける可能性

台風が九州に接近しています。6日午後5時現在、屋久島西南西の海上を北上中です。
今夜から明日未明にかけて九州の西の海上を過ぎていく可能性が高い。台風は進行方向に向かって右側、東側でより猛威を振るいます。風雨が強まるからです。暴風、大雨、洪水に十分に警戒する必要があります。


午後5時時点での暴風圏と予報円 NHK

すでに鹿児島県、宮崎県が暴風域に入っています。両県のほか、長崎県、熊本県で午後3時半に、約38万世帯78万人余に避難指示が出ています。NHKの報道をご紹介します。

高潮の可能性も高まっています。津波と同じような感じで海水が迫ってきて大変危険です。NHKが発表している警戒地域と時間を記した図を貼り付けておきます。

河川氾濫も懸念されています。九州中部から南部の一級河川が溢れる可能性があります。これもNHK作成の図を貼り付けます。なお河川氾濫は雨が収まったあとに始まる可能性もあるので注意してください。

● 原発が心配、外部電源喪失の可能性が

今回の台風、原発のすぐそばを暴風を伴って走り抜けるので心配です。川内原発に続いて、稼働中の玄海原発のそばを通り、韓国に上陸すると古里原発のそばを通ります。
実は古里原発は台風9号通過の際に、4基が次々と自動停止しています。廃炉過程に入った古里1号、運転停止中の古里2号は外部電源も失っています。「安全」が宣言されていますが心配です。
ウェザーニュースが出した本日13時時点での進路予測図に、守田が原発の位置を書き込んだ図を示しておきます。

それぞれの原発がこれまで経験したことのない暴風雨を受けるので、送電線の倒壊による外部電源喪失などの緊急事態が起きる可能性があります。
大潮は津波のような打撃をもたらしますが、影響が考えられる地域に川内原発と伊方原発があります。
九州全域が台風の被害に見舞われている中で、原発に何かあっても、外から救援に駆けつけるのは困難。何も起こらないことを祈るばかりですが、万が一の深刻な事故の場合、暴風雨が収まっている地域の方はとっとと避難してください。

その際、玄海・古里原発に対しては、安定ヨウ素剤を飲むか、昆布を煮だした汁を飲んで、放射性ヨウ素の被曝に備えてください。
すぐに逃げられない場合は、それぞれのおられる場で可能なら目張りなどして、室内への放射性物質の流入を減らすなどして耐え、風雨や洪水が収まったら、できるだけ風の流れて来ない方向に避難してください。

● 原発を停め、ホテルを避難所に

それにしても、繰り返し唱えてきた、まともな災害対策が進まないことに憤りを感じます。自然災害がこれだけ頻発する中で、もはや原発を稼働させ続けるのはあまりにも愚かです。
韓国ではいきなり古里原発4基が停まり、電力の受給が崩れたことから、原発に依拠した電力の災害対応の弱さも指摘されています。
とにかく「かつてない」災害が繰り返されている上に、そもそも各原発の耐震性は極めて弱いのです。すぐに停めて廃炉に入るべきです。

さらに日本の避難所はあまりに環境が劣悪。国連の抱いているスフィア基準をはるかに下回っています。一例としてイタリアではどんな避難所を設置しているのかご紹介します。

その上、いまはコロナ禍の中にあります。すでに宮城県で3密を避けるためと「受入不可」の張り紙を出している避難所が出ています。
このためホテルの借り上げと提供を進めることを強く求めます。Go to キャンペーンよりもよほどホテル業界への援助にもなる。とくに感染リスクが高い高齢者・既往症のある方を優先してホテルに収容していただきたい。

原発を停めること、ホテルを避難所にすることを、いまからでもすぐに進めて欲しいです。
河川氾濫による洪水で、戻る家を失う人が発生した場合は、台風が過ぎた後からでもホテルに移していただきたい。感染拡大防止の観点からもぜひともです。
まずは今宵、それぞれで命を守り抜くとともに、今後、災害対策として原発停止とホテル活用を求める声を高めていくことが大事。被災地の外からもです。

みんなで互いの命を守り合いましょう!

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