守田です(20200504 22:00)

本日4日、安倍首相より緊急事態宣言の、5月31日までの延長が発表されましたが、大きく地域を二つにわけ、感染拡大が収まっている地域から自粛解除が優先されます。また14日をめどに再度、専門家会議を開き、解除の可否を判断するとのことです。
僕はいまも緊急事態宣言に反対です。安倍・小池・吉村氏などに強権を与えずとも、専門家会議など、医療界の方たちと私たちの民主的なやり取りの中で、感染症を抑えこんでいけると確信しています。
もちろん自粛をまだ必要とする点は支持しますが、問題は解除・活動再開の過程です。みなさん。ぜひともいまここで下からの町作りを進めましょう。この点を踏まえつつ、5月1日の専門家会議の会見のトレースを(1806)に続いて行います。

● 今後の見通し

5月1日の会見で重要だったのは、「今後の見通し」が打ちだされたことです。
「早期診断から重症化予防までの治療法の確立に向けた明るい兆しが見えつつあるが、諸外国の感染状況やそれに対する対応等も踏まえると、国内における感染状況に応じて、持続的な対策が必要」と語られました。

以下に会見で配られた資料のアドレスも示しておきます。この10ページをご覧ください。

新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言(2020/5/1)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627255.pdf

日本では感染の爆発的拡大は一度、抑えこむことに成功しました。図で言うと左側に書いてある山が下降に向かっているあたりに私たちはいます。
死亡者数も、欧米や中国と比較してかなり低く抑えられている。医療者たちが懸命に命を救ってくれたこと、私たちが、懸命に感染拡大防止に努めたことが要因です。
ちなみに、安倍首相はこのことを口にする資格などありません。感染症対策の両輪の輪である経済補償が、まだ一つも進んでいないからです。無用で無神経な、星野源さんとの勝手なコラボや、「アベノマスク」で人々の怒りを買うことしかしていません。

しかし専門家会議の方たちや、医療者たちを含めた、私たち民衆のここまでの努力は、とてもうまくいっている。何よりたくさんの命をガードできている。
しかも私たちはこれを、ロックダウンなどなしにやり遂げてきました。世界の中でもきわめて緩い規制、つまり一番、自由を残し、社会的経済的活動を維持しながら、ここまで進んできました。
これに、迅速な経済補償が追いついきていれば、生活の圧迫感ももっと緩やかだったはず。私たちはすでにこの段階で、もっと明るい気持ちを持てていたでしょう。

その点で、危機に何も対応できない安倍政権を代えることは大きな課題ですが、それでも私たちがいま確認できるのは、感染拡大の山を医療提供体制のキャパシティを越えさせずに下降させることができていることです。
今後の見通しとして掲げられている一つは、この医療のキャパシティの増強です。これには感染症病床や代替施設の確保や、抗体検査を使った早期診断から重症化予防までの治療法の確立、そしてワクチンの登場が展望されています。

私たちの行動はどうしていけば良いのかといえば、「新しい生活様式」の普及と継続が提案されています。これまでの自粛をできるだけ解除しつつも、3つの密を避けることを継続し、次の感染の山に備えようというわけです。
また感染の山を下げることで、再度、効果的なクラスター対策を可能にし、これまで以上に感染の起きやすい場、環境を見つけ、感染症対策を向上させていくことも目指されています。

● 自粛の段階的解除、コミュニティの「再起動」を、下からの民主主義のもとに行おう!

緊急事態宣言の中でも、今後は「感染の状況が厳しい地域」と「新規感染者数が限定的となった地域」にわけた対応が進むと思われます。
一つの目安となるのが、4月に行われた「特定警戒都道府県」への指定です。東京・神奈川・大阪・石川・岐阜・北海道・愛知・茨城・京都・埼玉・兵庫・千葉・福岡の13都道府県です。こことそれ以外の県とで対応が分かれていく。
具体的な対処はそれぞれの自治体の、自主的判断に任せられていますが、感染が抑えこまれているとともに、医療供給体制が確保されていることが、自粛を緩和していくためのポイントです。

「特定警戒都道府県」では少なくとも14日までは難しいですが、それ以外の地域ではぜひ、さまざな活動の再開を進めて欲しいです。
その際、最も重要なのは、それぞれの地域で、下からの民主的な討論を巻き起こし、まさに「自治」の精神をフルに発揮して、活動を再開していくことです。
同じことを再開するのではない。ぜひともこれを機会に、町を作り直しましょう。

みなさん。これは大きなチャンスです。とくに大きなポイントになるのは、学校の再開ではないでしょうか。これはそれぞれの地域の教育委員会のもとに人々が集って、自主的に決めていけばいいのです。
僕がこれまで、専門家会議を支持してきた理由の一つは、つねに現場の判断を尊重し、優先していること。上からの一括命令のような方法を採っていないこと。地域での話し合いを求めていることです。
この点で、強権発動が大好きな安倍首相を押しのけ、常に「地域で判断して欲しい」と強調している。ならばやりましょう!自治を強化しましょう。

学校の再開は、子どもたちの学ぶ権利の保障のために、ぜひとも必要です。学校が開いていないことでのさまざまな弊害も除去したい。
しかし同時に、これまであった「差別」「いじめ」など、学校の歪みをただすことにもチャレンジしたらよいのでは?子どもが登校するかしないかを選ぶ自由だってもっとあっていい。フリースクールを拡充し、公的教育機関として認めていくのもいい。
教育だけでなく、さまざまな街のシステムを、この機に見直したら良いのです。自粛の中でこそ、私たちには見えたことがたくさんあるはずです。必要なものは何か。足りないものは何か。その知恵を生かすといい。

みなさん。いまこそ、新しいコミュニティの創造を!
僕にはこれこそが最も大事な、「今後の見通し」だと思えます・・・。

#新型コロナウイルス #緊急事態宣言 #死者数抑制 #ロックダウン #専門家会議 @安倍首相

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