守田です(20181130 22:30)

● 明日12月1日(土)に「ヨウ素剤を配ってよ@京都」の企画を行います!

すでに「明日に向けて(1624)」でお知らせしたように、明日午後1時半から京都市のひとまち交流館にて「ヨウ素剤を配ってよ@京都」第二回ミーティングを行います。
鎌仲ひとみ監督の『カノンだよりvol.1』から「26年後のベラルーシ」とカマレポ№58「安定ヨウ素剤市民配布@鎌倉」をみんなで鑑賞し、その後に僕が各地の様子を報告します。
再度、イベントページをご紹介しておきます。
https://www.facebook.com/events/545110885960354/

● 原発は嘘のかたまり=メルトダウンが起きうることは知られていた!

原発はさまざまな嘘の元に成り立ってきましたが、災害対策の面でとても大きいことは、「格納容器が破損することなどありえない」という嘘をつき続けたことです。
このためにまともな災害対策がなされて来なかったし、放射能が原発の敷地外に飛び出した時の法整備すらもできず、事故後に各地で起こった放射能汚染の責任を東電がまったくとらない根拠にもなってきました。
しかし実は原子力推進派は福島原発事故の前から格納容器が壊れ、放射能が漏れだすことがありうることを熟知していました。

その有力な証拠が「独立行政法人・原子力安全基盤機構」が、原子力防災専門官向け資料として2009年に作成していた炉心溶融のシミュレーション映像です。
残念ながらネット上から削除されてしまい、映像そのものをご案内することができないのですが、以下の記事に内容を文字起こししてありますのでご覧ください。

「明日に向けて(1323)原子力推進派は福島原発事故の流れ=放射能の放出を事前に的確に予測していた!
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/36ffc1c524ad2e8ce8ca6814bc897dd9

● メルトダウンからベントによる放射能放出が解析されていた!

ここでは福島原発と同じマークⅠ型原発が扱われていて、何かの要因で配管破断が起きて炉心が冷却できなくなることから事故が始まるとされています。

事故発生から30分後に炉心融解が起き、溶けた燃料が1時間後には圧力容器下部に到達、3時間後には圧力容器を貫通して格納容器下部に落ちるとシミュレートされています。

このため格納容器の中に超高濃度の放射能を含んだ高圧のガスが充満しますが、これが排気塔から環境に放出されるとされているのです。「ベント」の決行です。

● 福島原発事故はこの動画の通りに進展した!

この動画を観たときに怒りが込み上げました。福島原発事故とまったく同じことがすでに予測されていたからです。つまりこうなることを原子力推進派や電力会社は十分に知っていたのでした。( ただし実際にはベントはうまくはいかなかった!)
そこで気が付いたのは、事故時に東電が社員の家族を真っ先に逃がしたのは、あらかじめそれが想定されていたからだということです。
動画ではメルトダウンののちに格納容器内に放射能ガスが充満した時に、「排気塔から環境に放出される」とうたわれています。つまり放射能を排出することがシナリオ化されていたのです。だから東電は社員の家族を逃がしたのでした。

当たり前のことですが、ならばそのことを社会にも明らかにし、人々が逃げられる体制を作りだすべきでした。いや「そんなこともありうるけれども運転をしてもいいですか」と社会に問うべきだったのでした。
もちろんそうしたらとてもではないけれども合意など得られずに原発は廃止を余儀なくされたでしょう。だから電力会社はメルトダウンの可能性を知っていたのに「そんなことはありえない」とウソをつき、運転を強行し続けたのでした。

● 原発は再び大きな事故を起こしうる!だから対策が必要!

問題はこれだけの大嘘をついた電力会社も原子力推進派も誰も裁かれていないことです。
だから同じことが起こりうるし起こっている!つまり今また推進派は、大規模な事故が起こる可能性を知りながら運転を続けているのです。
もちろん事故を未然に防ぐためには再稼働そのものをさせないこと、いま動いている原発も止めることが大事です。

しかし残念ながらすでに9基も動いています。それらの原発は明日にも大変な事故を起こす可能性があります。
だから少しでも被害を減らすための努力を傾けておかねければならないのです。
最も肝心なのは事故が起こった時に「とっとと逃げる」ための準備を重ねておくことです。ヨウ素剤を持つのもそのためです。

ヨウ素剤を飲んだら大丈夫などということはありません。ヨウ素以外の放射能も飛んできてしまうからです。だから飲んで逃げるのです。
普段から逃げるための準備をしておくためにもヨウ素剤を手に持ち、事故のリアリティを学んでおくことが大切なのです。

明日はこんなお話もします!ぜひお集まりください!