守田です(20180730 23:30)

自然災害が依然、猛威を振るい続けています。

● 「これまでの経験が役に立たない事態」が連続している!
6月18日に大阪北部地震が起こり、7月に入って西日本豪雨が起こりました。雨が止むと今度は一転記録的な猛暑に。そして数日前から台風12号が小笠原諸島付近からやってきて日本列島を東から西に横断していきました。
12号はまだ屋久島付近にあり、ここをぐるりと一回転してから中国大陸に向かうと考えられています。このため九州南部を中心にまだ激しい雨が予想されます。
一方、台風が去った地域では猛暑のぶり返しが始まっています。本当に大変な夏です。

● まずは集まってこの間の災害を振り返ろう!
私たちが直面しているのは「これまでの経験が役に立たない事態」です。ちなみこの言葉は台風12号の接近時に、気象庁が繰り返していたものでもあります。
少し前に1府10県に出された「特別警報」は「数十年に一度の災害」であることが発令の基準だとされていますが、例えば九州北部では昨年7月にも発令されました。数十年どころか毎年来ています。
これはもはや私たちがここ数十年間の経験に依拠していてはいけないこと、もっと違う規模や様相の災害に次々と襲われていること、今後も襲われうることを示してます。
私たちは災害対策を抜本的に改めていかなければなりません。そのためにもこの間の災害をしっかり振り返る必要がある。このために31日に緊急集会を開催します!

京都の今とこれからを考える17
災害から私達の街と命を守る!レッドサラマンダーを京都に!
https://www.facebook.com/events/212834089419743/?notif_t=plan_user_associated&notif_id=1532958806141108

7月31日火曜日 午後6時半から9時
ひとまち交流館3階第4会議室
カンパ制
主催 ウチら困ってんねん@京都
電話 090-6984-5248

● レッドサラマンダーを各自治体に!
新たな災害対策のうちの一つとして、この企画では「レッドサラマンダー」に着目したいと思います。
「レッドサラマンダー」とは、あらゆる災害現場への人員・物資の搬送や救助救援活動に活用できる特殊車両です。
東日本大震災の教訓を受け、がれきの上や津波の浸水地でも救助活動ができるように作られました。しかしまだ1台しかなくて2013年3月末に岡崎市消防本部に配備されました。
なぜ岡崎市なのかというとここにおいておけば東にも西にも出動可能と考えてのことだとかで、実際に昨年7月の九州北部豪雨と、今回に西日本豪雨で浸水した岡山県真備町に派遣されています。
ちなみに最大時速は50キロなので、災害派遣の際にはトレーラーに載せられて現地まで運ばれました。以下に写真と動画を示しておきます。

しかし災害大国のこの国に1台しかないなんてあんまりです!値段は1億1千万円。約210億円のオスプレイを17機も買ったことを考えるともっとたくさん買うことは十分に可能です。ぜひ各自治体に配備して欲しい。
これに対し「もっと性能を点検してから」という声もありますが、レッドサラマンダーが最も活躍できるのは土砂災害や洪水などで他の車両が入っていけないときで災害初期なのです。
ところが岡崎などからえんえん運んだのでは遅すぎる。各地に配備していつでも出動できるようにしておかないと性能が十分に発揮されません。
また実はそのように出動を繰り返さないとこうした機器は十分に性能を検証できない面もあります。というよりこうした災害対策車は、むしろ緊急時の出動を繰り返す中で改良点を見つけ、より良いものにしていくべきものです。

● 災害対策の向上のためにもっといろいろな車両の開発にもトライすべきだ
その点でも各地に配備して出動回数を増やすことが大事です。そのことで各地の消防隊員が扱い方にも習熟していくし、その中でより性能もより発揮されます。
またそれらの経験をフィードバックするとともに、トヨタや日産、小松製作所など車両やキャタピラー製造では世界トップクラスの企業で開発して量産すれば、価格そのものも1億1千万円から大きくさげられるでしょう。
あるいはそれこそ各社で災害対策での競争を行えば良いのです。どちらがより災害現場で力を発揮できる車両を作りだすかのしのぎを削ればいい。そうすればもっといいものができるでしょう。
それらの口火を切るためにもまずはレッドサラマンダーを増やすことが合理的だと思います。

そもそも日本はオスプレイだけでなく、ミサイル防衛システムなど、実際には使い物になるかどうかも分からない軍事兵器を大量に買わされています。
これに対しレッドサラマンダーはすでに2回、大きな災害に派遣されているし、今のところ現場からは概ね良い評価が上がっています。
だからこそこれまでを上回る災害への備えとして配備を拡大して欲しい。その中でこそよりよいものに高めて欲しいと思います。

● 避難所の抜本的改革を!
もう一つはこの間、論じてきたように避難所の抜本的な改革をはかることです。
トイレは20人一つ、しかも男性1に対し女性3の割合で配備しなければならないなど、国連が人権憲章に基づいて作りだしている避難所の設置基準をまずは国に守らせなくてはいけません。
そのためにも私たちは、災害で救助、援助を受けるのは私たちの人権そのものであり、日本政府は人権を守るべき義務をここでも大きく逸脱していることをもっと問題にしていく必要があります。
この点についてはこの間のブログ記事を参照されてください!

以上の2点を大きな柱としつつ、この間の連続的な災害をじっくりと見据えて、私たちの命を守り方をみなさんと討論したいと思います。
明日31日火曜日、午後6時半に京都市の「ひとまち交流館3階第4会議室」にぜひお集まりください!