守田です(20180618 23:30)

本日18日午前8時前に大阪の高槻市を震源とする震度6弱・マグニチュード6.1の地震が起こりました。

この地震で高槻市の小学4年生の三宅璃奈さん(9)がブロック塀の倒壊に巻き込まれて亡くなられました。
大阪市東淀川区では子どもたちの登校の見回りに向かっていた安井實さん(80)がやはり塀の倒壊で亡くなられました。
茨木市でも後藤孟史さん(85)が自宅で倒れてきた本棚によって亡くなられました。
この他さきほど高槻市で81歳の女性がさらに亡くなられたことが伝えられました。

NHKはこの他に二府三県で358人の方がけがをしたと伝えています。(20時11分現在)
慎んで哀悼の意を表するとともに、けがをされた方が早くご回復されることをお祈りします。

同時に関西地方のみなさんに、今後、連続した地震、とくに今回よりも大きな地震が起こりうることを考え、警戒されることを訴えます。
2016年4月に起こった熊本地震では、震度7・マグニチュード6.5の地震の後により大きな地震が襲来しました。震度7・マグニチュード7.3でエネルギーは16倍でした。その教訓からすると、今回も近いところでより大きな地震、しかも規模が格段に大きいものが発生することもありえます。
熊本では2016年4月14日21時26分に1回目が起こり、16日1時25分により大きな2回目が起こりました。時間にするとほぼ28時間後でした。もちろん同じ通りになるとは言えませんが、ともあれ最低でも一週間は厳重な警戒が必要です。

気象庁はこの点を軽く述べているようにも思えます。「同規模の地震が起こる可能性がある」としか言ってないからです。
それでは十分に警戒を訴えることにはならない。ぜひ各方面に注意喚起をしてください。

とくに関西の方はぜひすぐにご家庭の家具の状態などを点検されてください。重いものが上に乗せてある場合は下ろしましょう。寝室の安全性を守りましょう。食器棚の戸もなんらかの形で閉めましょう。
さらに明日以降に、まだなされていない方は家具をつっぱり棒や金具などで壁に固定するようにしてください。専用のロックも売っていてすぐに取り付けられます。
もちろんこうした対処は日本のどこでも行っておくべきものです。

その上で今回の地震が南海トラフ地震の前兆としてのひずみ集中帯起こった地震である可能性が指摘されていることをご紹介したいと思います。
私たちの住まう日本列島は地球を覆っている十数枚のプレートのうちの4枚もが衝突し、ひしめきあっている稀有な地帯の上にあります。だから日本は地震が極端に多い場所なのです。
このうち南海方面から動いてきているのがフィリピン海プレートで西日本が乗っているユーラシアプレートを押しつつ、下側にもぐりこんでいます。
このときにユーラシアプレートの「へり」が巻き込まれるようにして徐々に沈み込み、一定のところまでくると大きく跳ね上がります。それが「南海トラフ地震」発生の仕組みです。

参考 プレートテクトニクスから見た日本列島
https://www.zenchiren.or.jp/tikei/zeijaku.htm

だからこの地震は一定の間隔をおいて必ず訪れるのですが、前回が1944年と1946年でその後74~76年経ってそろそろ次が来てもおかしくないと予測されています。
今後30年間の間に南海トラフ地震が起きる確率は「7割」とされてきましたが、昨年末、政府はこれを「7~8割」へと引き上げています。

その根拠のひとつとなったのが「ひずみ集中帯」地震が繰り返されていることです。
ひずみ集中帯とはフィリピン海プレートに押されることによって内陸部に力がたまることで起こる地震のことで、阪神大震災のときに初めてその可能性が指摘されました。1990年代よりGPS機能による調査が可能になることで初めて見えてきた知見です。
2014年11月22日に長野県で震度6弱の地震が起こった際にも「ひずみ集中帯」地震の可能性が指摘され、ANNのニュース動画で触れられました。分かりやすいのでご紹介しておきます。(約1分です)

神城断層に30cmのずれ 「ひずみ集中帯」と重なりも(14/11/24)
https://www.youtube.com/watch?v=2CStXfH9zUI

この動画で図示されている「ひずみ集中帯」について注目していただきたいのですが、まずはこれが今回の地震で揺れた関西の地域と見事に重なっていることが分かると思います。
同時に大変恐ろしいのは、この「ひずみ集中帯」が福井県の原発銀座をもすっぽりと覆っていることです。となるとこの「ひずみ集中帯」地震が今後、原発を直撃する可能性も十二分にありえます。
それだけでももう高浜・大飯原発を動かしていてはならないことは明らかです。以下、毎日新聞の記事もご紹介しておきます。

震源はひずみ集中帯 水平、垂直ずれ同時に
毎日新聞2018年6月18日 20時29分
https://mainichi.jp/articles/20180619/k00/00m/040/086000c

ひずみ集中帯地震はそれだけで十分に恐ろしい。警戒し対策を重ねなければなりませんが、同時に私たちが注目しておくべきことは、このひずみ集中帯地震が南海トラフ地震の予兆とも捉えられていることです。
以下に記事をご紹介しておきます。

「南海トラフの前兆か、大地震が現実的に」と専門家 大阪地震女児ら3人死亡
AERA dot. 桐島瞬2018.6.18
https://dot.asahi.com/dot/2018061800020.html?page=1

「地震の巣」の上に暮らしている私たちに確実に南海トラフ地震が迫ってきています。だからまたひずみ集中帯地震が頻発しています。
みんなで災害対策を強化していきましょう。

続く