守田です(20180508 23:00)

明日9日に関西電力大飯発電所4号機が再稼働しようとしています。危険でまったくもって愚かです。
大飯4号機は新規制基準の制定以降、再稼働する8基目の原発になろうとしています。

しかしたった8基なのに再稼働のたびに故障事故が繰り返されている。
最初に動かされたのは川内1号機で2015年8月11日のことでしたが直前の7日に計測器の異常が発生、さらに再稼働10日後に復水器内の配管にピンホールがあき二次系に海水が混入する故障事故が起こりました。
2016年1月から3月に高浜3,4号機が再稼働しましたが、4号機が再稼働直前の3月20日に34リットルの放射能汚染水漏れを発生。それでも再稼働を26日に強行しましたが29日に送電を開始するや原子炉が緊急停止。安全装置への入力ミスのせいでした。

7月には伊方3号機の再稼働が目指されましたが直前の17日に一次冷却水循環ポンプから水漏れ。部品交換のために再稼働が遅れました。さらに今年になって玄海3号機を3月23日に再稼働しましたが30日に配管の一部から蒸気漏れが発生。配管を覆う保温材の隙間から雨水が染み込み腐食させて穴があいていたのでした。

7回の再稼働に際し4基で6回の故障事故が起きています。
それで九電の瓜生元社長は玄海3号機の故障事故のときに「(運転を)7年間止めていたため『何が起こるか分からない』と言っていたが、現実になってしまい、非常に残念だ」と言い放ちました。

故障事故はまだ続いています。5月3日に現在再稼働を目指している玄海4号機で、伊方3号機の時と同じように一次冷却水ポンプでの水漏れが起きてしまいました。伊方のときも今回も問題箇所を新品にしていたのに同じ故障の繰り返し。一次冷却材ポンプは欠陥装置なのです。

これらはすべて三菱重工製の加圧水型原子炉。同タイプでこれだけ故障が繰り返されているのにまたも再稼働強行。あまりに危険で愚かです。
私たちは再度の故障事故に備えざるを得ません。しかも次には大事故にならないとも限らない。

そこで今、問題点を端的につかむため、川内1号機が送電を開始したときに元東芝の格納容器設計者後藤政志さんと僕が対談した動画をご紹介しますのでご覧になってください。
この時、僕は4年以上停止して再稼働した原子炉が数えるほどしかなく、そのすべてで故障事故が起こっていることをつかんでいまて後藤さんに質問しました。すると以下の点を教えてくださいました。

「当然ですけれども、そもそも停まっているプラントを立ち上げるということ自身が、ある種のトライなのです。ものが壊れている可能性もあるし、ミスってバルブを開け忘れている可能性もある。
スリーマイル島事故などはそうですからね。点検の時に給水ポンプのバルブを開け忘れたのです。それで立ち上げてしまって事故が起こってしまった。そういうリスクもあります。だから立ち上げるときはそれなりの緊張感があるのです。
さらに今、おっしゃったように4年も停まっていると、結構、長いので、プラントの水が溜まっているところ、つまり水が普段、流れているところと溜まっているところがあって、場所によっては腐食環境になりやすい。
そこで4年も淀んだまま腐食が進んでいることがないとは言えません。そうするとそれをきちんと検査をしたのかということになります。
建前は検査をやることになっているのだけれど、実際にはすべてが検査にかかるとは限らない。実際には欠陥とかあったときに運転してみて、「ボン」となって慌てて欠陥が分かるということもあるのです。

美浜の3号機で昔、タービンのところの配管が切れたのがそうです。厚さ10ミリのものが1.4ミリまで減っていた。そこに流れが当たってぐっと力が生じたときに破裂したわけです。
普通は「10ミリあるものが2ミリ以下に減ってくるまで気が付かないことがあるのか」と思いますよね。でも現実にはそういうことがある。管理が間違っているということなのです。
物事を「建前としてこうあるはずだ」と考えていると事故というのは分からない。事故と言うのはそういう形で起こるのです。そういう潜在的な欠陥が生じやすいのが4年です、ということになります」。

この点を含めてわずか30分の対談に重要なエッセンスがつまっています。ぜひご覧になって拡散してください。
そのままコピペしてツイッターに流せるようにご紹介しておきます。

【拡散希望】明日9日に大飯4号機が再稼働しようとしています。これを前にしてぜひご覧いただきたい動画を紹介します。30分です。
福島原発事故からつかむべきこと
2015年8月14日 後藤政志&守田敏也 対談 東京品川にて
https://www.youtube.com/watch?v=TKJNkgNOgaI&feature=youtu.be
#原発再稼働反対