守田です。(20160120 11:30)

原発ケーブル不正敷設問題の続報です。
冒頭に再度、緊急署名の要請を貼り付けておきます。本日20日が第一次集約、2月20日が第二次集約です。まだの方はぜひ署名をお願いします。

高浜・川内原発も調査を!ケーブル不正問題についての緊急署名
https://fs224.formasp.jp/f389/form1/

この問題について前号で背景を詳しく説明しておきました。
できるだけ多くの方に問題を広げられるように、ポイントを短くまとめて提示することにしました。ぜひご活用ください。

①昨年9月の柏崎刈羽原発6号機の中央制御室床下を剥がした際、ケーブルの敷設状況に不正があることが判明しました。火事対策としてなされるべき安全系ケーブルと一般のケーブルが分けられていなかったり防火壁が設けられていませんでした。
②このため同原発1号機から7号機までを調査したところ、同様の不正が次々とあらわれ、合計で1049本ものケーブルに不正があることが分かりました。
③同じような不正が他の原発でも行われていないか調べたところ、福島第二原発3、4号機、浜岡原発4号機、志賀原発1号機、東通原発1号機及び女川原発3号機でも同じ不正があることが分かりました。
④事態を重く見た原子力規制庁はすべての電力会社に同様の不正がないか全原発の調査を行う指示を出しました。
⑤しかしながら再稼働を強行した川内原発1,2号機と、再稼働の許可が出されている高浜原発3、4号機のみ、調査対象から除外されました。新規制基準にこの点の調査指示が含まれており、すでに合格しているからとの理由です。

ご紹介している署名はここまでの事実をもとに、とてもではないけれども川内原発と高浜原発のケーブル敷設に不正がないとは信用できない。ただちに調査を行うべきだ。そのため川内原発を止め、高浜原発の再稼働も延期すべきだと訴えるものです。
極めてもっともな内容ですのでみなさんにご紹介し、お願しています。

その上で僕が背景説明として付け加えたのは次の点です。

⑥今回の不正は「発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令(昭和四十年六月十五日通商産業省令第六十二号)」の第4条の二への違反になります。1975年12月の改定で加えられたものですから、違反は40年以上にも及んでいることになります。
⑦そもそもこの改定はそれまで建設された原発のケーブルが可燃性であったのを難燃性に代え、同時に安全系ケーブルと他のケーブルを分けたり、防火壁を設けるなど、火災対策を強化することを目的としていました。
⑧これは原発で火災が起こった際に一基あたり1000~2000キロもあるケーブルが延焼のもとになってしまうこと、また安全系ケーブルが燃えて安全危機が止まってしまうことなど、対策を施さなければ大きな危険があるがための措置でした。
⑨ところがこの改定は、75年以前に作られた原発には適用されず、その後も福島原発1号機~5号機を含む17基もの原子炉が可燃性のケーブルのままに運転を続けてきました。これだけでも国と電力会社は大変な危険を放置してきたことになり責任重大です。
⑩今回、さらに明らかになったのはこの75年に義務付けられた対策が、当初よりきちんと守られず、不正敷設が放置されてきたということです。前述の17基だけでなくさらに多くの原発が決められた火災対策をきちんとしないままに動かされてきたのです。
⑪ここに表れているのは、75年に決められた対策をきちんと行ってこなかった電力会社各社の問題だけではなく、それを40年以上も見過ごしてきた国の側の重大な過失責任であるということです。規制当局として完全に失格です。
⑫まずなすべきことはこのような重大事態をなぜ40年間も見過ごしてきたのかの捉え返しです。それがなされるまで国に規制当局としての資格はありません。川内原発をただちに停止し、高浜原発の再稼働を見送り、猛烈な反省をすべきです。

以上の点をできるだけ多くの方にお披露目ください!
最も責任が重いのは監督責任を果たしてこれなかった国です。原子力規制庁はその責任の継承主体です。この点を強調して下さい!

なお参考にしていいただきたい記事のアドレスを貼り付けておきます。

明日に向けて(1205)大半の原発がケーブル不正敷設のまま運転してきていた!再稼働など許されない!
2016年1月19日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/a6d034ceb978ac359df36622c3a74505

明日に向けて(604)原子力規制庁と経産省が原発防火の不備を指摘・・・なぜ?
2013年1月3日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ca90c89e036b12f8d7978f7cdded0eed

続く