守田です。(20150905 14:00)

川内原発1号機の再稼働を強行した九電は2号機に11日から14日かけて核燃料を装填し、10月中旬に原子炉を起動、11月中旬に営業運転への移行を目指しています。
この安全思想を全く欠いた政府と九電の暴挙をなんとしても食い止めていく必要がありますが、そのためにこの間、矢継ぎ早に記事を出してきました。
今回はその記事をまとめて紹介しておきたいと思います。

原発問題に取り組んでいると、一定の専門的知識がないと的確な批判が行えないため、「良く分からないから」となかなか発言しにくくなってしまう点はないでしょうか。
福島原発事故の現状を追っていても、継続的にフォローしてないと、今、どこで何が起こっているのかが見えなくなってしまいます。
あるいは東電が意図的にそうしたことも狙って、情報を小出しにし続けているので、「汚染水漏れ」と言われても、俄かにどこからどこへどれだけの量が流れているのかなど見えなくなってきてしまいます。

その点を踏まえて、僕は継続的なウォッチと情報の発信を続けています。原発安全神話、放射能安全神話の垂れ流しによって、私たち市民サイドの批判的視点を曇らされてしまわないためです。
今回は短い発信の記事になりますが、この間、発信した記事を並べてみましたので、ぜひお読み下さい。

まず8月14日に東京で行った元東芝の格納容器設計者・後藤政志さんとの対談動画を掲載し、文字起こしも行いました。
ここでは原発の根本問題と言える安全思想を全く無視した稼働についての批判が行われています。

明日に向けて(1123)福島原発事故からつかむべきこと(後藤政志&守田敏也対談から)-1
8月18日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/9b5b445e16ed2fa9cbaac7e336870bda

明日に向けて(1124)川内原発再稼働の危険性と「過酷事故」の曖昧化の問題(後藤&守田対談よりー2)
8月19日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/6e90c7394a36315234d435aeb267da78

明日に向けて(1125)ベント後付けの条件設定を無理強いされて(後藤&守田対談から-3)
8月20日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/b6723e704fd2df6cea3f4b429f55ec80

明日に向けて(1126)安全についての考え方を身につけることが問われている(後藤&守田対談から-4)
8月21日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0643e26193fcc0fd7471b3f25e51ee0f
稼動直後に起こった復水器のトラブルに関してただちに分析した記事を二つ紹介します。

明日に向けて(1127)再稼働した川内原発でさっそくトラブル発生!ただちに運転を中止すべきだ!【訂正記事】
8月22日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/649eafab984d8f08dcb08954f246de2f

明日に向けて(1128)4年以上停めて再稼働したのは世界で14例。その全てで稼働後にトラブルが起こっている!
8月23日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/474f1254a9054ea9bbfa3757feb15566
川内原発再稼働の危険性を分析した過去記事をまとめて、ポイントを捉えやすくした記事です。

明日に向けて(1132)九電が川内原発の危険な出力アップを強行!問題だらけの再稼動をただちにやめるべきだ!
8月27日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/012c4d279f47dcf2ed78970cb9cb9f64
再稼働強行の背景としてある原子力産業-東芝の原発部門に端を発する経営危機について指摘したのが以下の記事です。

明日に向けて(1140)沈みゆく原子力産業-東芝上場廃止か?(東芝不正会計問題を問う―2)
9月2日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/1f5f8b5a15ca9d5c209ffd515e1a3b7f

明日に向けて(1117)東芝不正会計問題の背景にあるのは原子力産業の瓦解だ!-1
8月2日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/6aa800a3bbf14bc67022035818f98209
再稼働問題を前に後景化しがちな燃料プールの危険性を指摘したのが以下の記事です。

明日に向けて(1106)再稼働よりも核燃料をプールから早く降ろすべきだ!
7月11日配信
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/57302547df308390c84bd3d273118558
なお次回には川内原発をはじめ再稼働が目されているすべての加圧水型原発の製造社である三菱重工が納入した蒸気発生器がアメリカの原発で事故を起こし、修理がおぼつかずに廃炉となったことについて取り上げます。
ここには三菱が製作した最新型の蒸気発生器に大きな欠陥があったこと、要するに三菱はいまだに安全な蒸気発生器の開発に成功していないことが表れています。
このため9300億円の損害賠償訴訟を起こされており、経営の危機にも直面しつつあります。東芝に続いて三菱も苦境に陥りつつあることを押さえたいと思います。