守田です。(20140418 21:30)

このところ連日、衆参両院での原子力協定締結承認を止めるために奔走し、みなさんにもご協力を呼び掛けてきましたが、とうどう本日の参議院本会議で、同協定が承認されてしまいました。 非常に腹立たしく、かつ恥ずかしくてなりません。

大嘘を繰り返しつき続けながら、原発輸出を推進しつつある安倍首相は、「原発事故の教訓を生かして原発輸出を進める」とまで述べています。教訓どころか、まだ事故の収束すらできていないのに。原因すらもつかめていないのに。 「事故を教訓化する」というのなら、最低でも事故の収束と原因把握がなされるまで、原発の再稼働や輸出など絶対に行うべきではないことは誰にだって少しまともに考えれば分かることです。 私たちは安倍政権が亡国の政権であることをしっかりと見つめましょう。事故に向き合わないことで、日本の破滅の可能性を放置し、広がる汚染と被曝への対処もしないこの政権のどこに「愛国心」があるというのでしょうか。 安倍政権は、さらにトルコをはじめ、世界をも原発事故の破局の中へと誘おうとしています。事故の収束も原因解明もできていないのに「事故の教訓を生かす」と平気でうそぶきながら。この方には「うそをついてはいけない」という倫理観の基礎が完全に欠落しています。

この暴走は国会議員ではまったく止められないことがはっきりしました。大事なのは民衆が行動すること。国境を越えた世界の人々との連携のもとに動くことです。 とくにトルコをはじめ、日本が原発を押し付けようとしている国々の人々との連携はとても大事です。連帯した行動で、反原発、脱原発のムーブメントを世界化する中でこそ、私たちの国を原発ゼロに向けていくことも可能になります。 なおかつ、その中でこそ、私たちの国の中での被曝防護のレベルをあげていくことも可能になります。今こそ、一層の努力で行動していきましょう!

今回の国会での承認をめぐる幾つかの情報をシェアしたいと思います。 まず国会承認を報じるNHKのニュースを紹介しておきます。これらのニュースは一定期間がすぎるとネット上から消えてしまうため、末尾に文面をコピーして貼り付けておきます。 日本語放送に続いて英語放送も案内しておきます。

原子力協定締結を承認 技術輸出可能に NHK NWESweb 4月18日 12時25分 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140418/k10013843371000.html

Diet approves nuclear pacts with Turkey, UAE NHK world Apr. 18, 2014 – Updated 07:44 UTC http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/english/news/20140418_25.html

続いてこの承認を報じたトルコのニュースの動画です。イスタンブールの日本領事館前での抗議行動です。 リンクが切れないうちにぜひ見て下さい!

Japon Konsolosluğu önündeki siyah çelenk eylemimiz İMC TV’de… https://www.facebook.com/photo.php?v=686948068035741&set=vb.108779359185951&type=2&theater

ここでトルコの女性が読み上げている声明の日本語訳を以下に貼り付けます!

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トルコと日本の間で、原発をトルコに作る協定が2013年5月3日に締結されました。その後、2013年10月29日にイスタンブールで両国の首相によって同協定へのサインがなされました。 この協定は今年になって日本の国会で討議されました。4月4日に日本の衆議院は本会議でトルコとUAEに原発技術の輸出が出来るかどうかと討議し、同協定を承認することによって輸出を認めました。 4月15日には参議院外交防衛委員会で、専門家を招致して意見聴取を行ったうえで17日に承認の採決を行いました。 参議院本会議での採決は4月18日になされますが、私たちが日本の議会の今までの様子を見た限り、残念ながら原発輸出が否決されるような希望はありません。日本の議員たちは福島事故があったのに、まだ原発の再稼動を話題にしているからです。

トルコ人は未だにチェルノブイリ原発事故の影響を受けて大勢の人がガンやさまざまな病気で苦しみ、悩んできたことを覚えています。ちょうどそのチェルノブイリ原発事故の日が近付いているこの時に、さらに日本が私たちの国へ原発を売ろうとすることは許されないです。 日本の議員たちの態度は、まるでチェルノブイリや福島の原発事故は大した意味がない、避難者がいてもいい、人が死んでも、ガンになっても構わない、健康よりも幸せよりも原発を手にしたいというものです。

トルコと日本の間で締結されたこの協定にサインする側の一方として、日本は福島原発事故を経験し、環境に、そしてまた日本人の健康に、何十年も消えない傷をつけました。 そして私たちのトルコは原子力に関する専門家や教育のレベルがまったく足りない国です。というのはトルコではルールが守られないことが多く、基礎的な技術もまだまだ十分ではありません。人々は色々な面で困っています。

一昨日から日本からのビデオに人気が集まっています。そのビデオは福島原発事故後に、原発に反対する意識が高まった日本の方が個人で作ったビデオだそうです。彼はそのビデオで「これは恥です」と言っています。 福島原発事故を経験した日本が、トルコに原発を売ろうとしてしていることに恥を感じていることを伝えてくれました。トルコの多くの人々が彼の声を聴き、彼の言っていることを心で感じました。

明日(18日)、日本の参議院の議員が、トルコに原発を作るための原子力協定に可決する可能性が高いために、私たちは、未来のために悲しく、心配が募るばかりです。 そのため、今日、日本総領事官の前に集まり、黒い花を供えてきました。

さらに私たちは4月26日土曜日、チェルノブイリ原発事故記念日に、トルコの多くの方たちを、原発建設予定地のシノップ市に招待します。

翻訳 Pinar Demircan 守田が若干の修正

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この声明の中で紹介されている日本人が作ったビデオを紹介します。 僕は深く共感しました!

あなたを心配する手紙 Japonya’dan Türkçe uyarı: Nükleer felaket olacak! http://youtu.be/Fj9RjJ9Lxz8

以下、NHKのニュースを貼り付けます。長くなるので日本語ニュースのみとします。英文は僕のFACEBOOKページをご覧下さい。

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原子力協定締結を承認 技術輸出可能に NHK NWESweb 4月18日 12時25分

日本の原子力関連技術をトルコとUAE=アラブ首長国連邦に輸出できるようにする原子力協定締結の承認案は、18日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と民主党などの賛成多数で可決され、承認されました。

安倍政権は、原子力発電所などのインフラの輸出を成長戦略の柱に掲げていて、トルコで計画されている原発の建設を日本企業が受注する見通しとなっているほか、UAE=アラブ首長国連邦では、将来的な原発の増設が見込まれています。 両国との原子力協定は、核物質などの利用を平和目的に限ることや、IAEA=国際原子力機関の査察を受け入れることなどを条件に、日本の原子力関連技術を輸出できるようにするとしています。 原子力協定締結の承認案は、18日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と民主党などの賛成多数で可決され、承認されました。 一方、採決では民主党の増子輝彦副代表が東京電力福島第一原子力発電所の事故後も原発を輸出しようとするのは無責任で賛成できないとして、党の賛成方針に従わず、棄権しました。 増子氏は本会議終了後、記者団に対し「反対の意思を込めて棄権した。福島県の現状を考えれば到底、賛成できない」と述べました。