明日に向けて(1874)新型コロナ、指定感染症2類見直しとともに、科学・検査・ワクチンなどへの過度の依存を越えることが大事
守田です(20200904 23:30)
● 新型コロナをいかに捉えるのか。動画をご覧ください。
この間、指摘しているように、新型コロナに関して、指定感染症2類分類の見直しの方向性が打ち出されています。妥当だと思います。
僕は4月ぐらいからそれを考えていましたが、6月末に講演でその点を含めて、新型コロナをいかに捉えるかのお話をしました。
明日への希望をつなぐ―新型コロナウイルスの投げかけているもの 守田敏也講演 もりもりチャンネルVol.163
https://youtu.be/ZAUYg7WRZEc
今見ても妥当だと思います。ぜひご覧下さい。
聖護院門跡で不動明王画像の前でお話させていただきました!山猫軒シンポ123回にて
● なぜ指定感染症2類を見直しすべきだと考えてきたのか
指定感染症2類見直しがなぜ妥当だと思うのか。たとえば4月10日の記事で僕は以下のように論じました。
明日に向けて(1791)新型コロナウイルスの脅威の正体が見えた!この点を熟慮して医療の危機を乗り越えよう-新型コロナの影響を民主主義的に越えるために(8)
https://toshikyoto.com/press/4813.html
「新型コロナは、致死性はけして高くない。にも関わらずディフェンスはすごく強固です。だからこそ医療崩壊を引き起こしうる面があるのではないか。
例えば8~9割とも考えられる無症状者・軽症者をも14日間隔離しています。このため医療者が感染すると、元気でも医療現場を離れねばならず、医療のダウンに直結してしまう。
いや一人の感染者が出ると、周りの「濃厚接触者」も自宅待機しなくてはだから、その方のいるシステムのダウンにもつながりやすい。事業所の一時閉鎖等々です。
そのことが感染者が、無症状でもウイルスをうつす可能性があることとあいまって、恐怖を何倍にも膨らませていく。人々の、他者の命を大事に思う優しい心に食い込んでくる。
しかし実はその多くが、ウイルスそのものの力ではないのです。人間の作ったルールによるものです。だったらルールを柔軟に変えることが、戦略的に問われているのではないでしょうか?」
この時はジョンズ・ホプキンス大学のこの論文に刺激された。しかしいまは同大学がここまで知っていながらアメリカでの感染拡大を有効に防げなかったことに不審の思いがぬぐえない・・・。
● 指定感染症2類見直しは、新型コロナの危険性へのリアルな対応として求められる
ただしこう考えたのは、新型コロナを「甘くみた」からではありません。むしろ感染症は人間の側の対応のあり方によって、社会に与えるダメージが大きく違ってくることを理解してのことでした。
新型コロナの場合、「PCR検査を拡大し感染者の隔離を進めよ」という声が高まっていました。しかし指定感染症2類では、陽性者は指定感染病床に隔離しなければならない。その数は1800床弱しかありません。
しかも無症状者・軽症者が多いのに、隔離をどんどん進めたら、療資源が浪費され、重症化した人に振り向けられず、助けられる命が助けられなくなる。
医療者がかかっても、無症状でも14日間隔離。濃厚接触者も現場に出られず、医療者がいっぺんに現場から徹底し、医療崩壊を招きかねない。
そのため多くの感染症医が、「検査を増やして隔離を進めるだけでは医療が破たんする」と指摘していました。アジャストが求められていましたが、韓国がそれをはじめ、日本も後追いしました。企業施設やホテルに軽症者を収容し始めた。
欧米はアジャストすることなくロックダウンに走り、感染拡大を食い止めました。しかし弊害はとても大きかった。ここから検査と隔離を拡大する方針が、合理的だったとは言えないことは明らかです。正解だった実践例は一つもないのです。
韓国では企業研修施設への軽症者の隔離が進められた クローズアップ現代より
● 大事なのは科学・検査・ワクチンなどへの過度の依存を越えて、人間的な力をアップすること
もちろんコロナ対策は、あくまで民主主義的に行っていくことが大事。対立する意見を互いに絶対化してしまって、ガチンコでぶつからずに、一致点を探っていくことが大事です。
ただこの点の合意はできるのではないでしょうか。科学・検査・ワクチンなどへの「過度」の依存を越えようと言うことです。
生物としての私たちの心身は、まだまだ秘められた力を持っている。やはりみんなで身体の力を高める努力にいそしむことが一番大事です。
電気に依存した生活を少しずつアジャストし、運動を増やし、良いものを食べること、薬への依存を減らすこと、ケミカルの影響を極力減らし、身体の力を引き出すことです。そこにアフターコロナの課題があるのではないか。
経済がスローになったのは大変なことですが、でも4月ごろ、北京で、ロサンゼルスで、もう何年も忘れられていたどこまでも続く青空が復活しました。
産業優先、効率優先、しかも弱肉強食が是とされるいまの社会の中で、たくさんの忘れてきたもの、置き去りにしてきたものに目をむけ、覚醒していくのがいまです。
企業活動のストップで晴れわたったロサンゼルスの空 Business Insiderより
アフターコロナを豊かなものにするために、ともに歩んでいきましょう。
#新型コロナウイルス #指定感染病 #専門家会議 #ワクチン
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