守田です(20200512 07:00)
● 製薬会社が買った「東大特任教授」の肩書のもとで・・・
新型コロナウイルス感染症、日本では一度感染の山が下降しつつありますが、この先、まだまだどうなるかは分からないことがたくさんあります。
すでに経済活動の部分的再開を始めたドイツで、すぐにも感染が拡大傾向に戻りつつあります。もっと社会的経済的活動を進めた韓国でも、幾つかのライブハウスでクラスターが発生しました。
多くの人々が「集団免疫ができるかワクチンができる」まで緊張が続くと言いますが、ワクチンにそれほど期待して良いのでしょうか。というより、検査やワクチン、あるいは科学への「依存」からの脱却こそが、問われているのではとも思えます。
実はそのことを考えさせられたのは、新型コロナが日本でも広がり始めたころから、マスコミに執拗に露出し、医療界を口を極めて非難し、「検査」「検査」と人々をたきつけてきた上昌広氏のことを調べる中でのことでした。
というのはこの方が、渋谷健司氏、早野龍五氏、坪倉正治氏らと組んで、相馬市で放射線安全キャンペーンを行ってきたことをすでに明らかにしましたが、その際、彼は「東京大学医科学研究所特任教授」の肩書を使っていました。
「東京大学医科学研究所特任教授」の肩書で活動する上昌弘氏と原子力ムラの人々
特任教授とは何かを調べたら、アインファーマシーズ(アイングループ)という調剤薬局業界第一位の会社が、巨額を東大に供出して作った「寄付講座」の教授でした。平成20年から29年に約6億円も払われていますが、講座は平成17年から始まっています。
東京大学の資料より
企業が6億円も支出するのは、それ以上の利得があるからであることは間違いないでしょう。
アイングループは、このお金で東大医科学研究所内に「先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門」を作っているのですが、そのスタッフの筆頭に置かれたのが、上昌広特任教授でした。
ここには坪倉昌弘氏も入っていますが、さらにこの間、医療界批判を繰り返している久住英二氏も入っています。アメリカ在住でやはりマスコミへの露出度が高い大西睦子氏も研究員として入っています。彼女はレムデシビルなどの使用を声高に主張しています。
● 子宮頸がんワクチンと上昌広氏、久住英二氏
原子力ムラにつながっているだけでなく、薬品業界とどっぷりつながっているのか・・・と思ったら、上昌広氏は久住英二氏とともに、子宮頸がんワクチンの普及にも相当に関わり、被害者を抑圧して、被害者の会からの告発を受けていました。
「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」は「株式会社アインホールディングス」にむけた公開質問状(2016年3月22日)の中で、以下のように述べています。
「私たちに被害者にとって、上研究室が行ってきた「研究」とはワクチンのロビー活動であるものと評価せざるを得ません。そして、上特任教授は、ロビー活動のみならず、ワクチン接種を大きな売りにしていると思われる「医療法人社団鉄医会ナビタスクリニックの経営にも関与しているのではないかと推察されます」。
「上特任教授は・・・『子宮頸がんワクチンを公費摂取に』などという運動を盛んに行って来ました。そして、同学会の理事長で「医療法人社団鉄医会ナビタスクリニック」の理事長でもある久住英二氏は上研究室のスタッフです」
「上特任教授や久住氏は、Twotterをはじめとするネットメディアにおいて、子宮頸がんワクチンの被害患者の被害の訴えなどについて、「醜悪」などと述べたり、「社会運動」などとレッテルを貼ったりしています。
また子宮頸がんワクチン接種による健康被害を取り上げた報道に対しても「過失」「故意犯」などとあたかも犯罪であるかのごとき発言を行ったりもしています」。
被害者を攻撃する上昌広氏、久住英二氏のツイート 久住氏は反原発運動と子宮頸がんワクチン被害告発を同列に軽蔑し脅威を与えた
これらから見えるのは、上昌広氏と久住英二氏は、ワクチン接種に大きく利害を持つ側におり、被害者を抑圧してきたということです。
子宮頸がんワクチンの是非については、ここでは触れませんが、この間、「ワクチン」についても「検査」についても、それに疑義を示したり、抑制的に考える人々に、強引なレッテルを貼ったり、攻撃を繰り返してきたことが分かります。
● 上昌広氏周辺の闇と、確認されたウソの数々
ちなみにその上昌広氏に口説かれて?相馬に入り込んだ坪倉正治医師は、2014年に「ベテランママの会」から『福島県南相馬発・坪倉正治先生のよくわかる放射線教室』というパンフレットを出したそうです。
目次を読んでみると、文科省が出した『放射線副読本』に似ている感じがしたので、手に入れようとしましたが、どこからもダウンロードできなくなっていました。
それを調べていたら、上昌広氏も親しくしていて、このパンフレットの出版にも関わったベテランママの会元代表の番場さち子氏が、東電元副社長石崎芳行氏と加害者と被害者の立場であるのに、密かに交際するようになった話が出てきました。
男女の関係云々は僕は当事者の問題なので、どうこういうつもりはまったくないのですが、しかしこれは加害者側と被害者側なので、なんとも言えない不自然さがつきまとう。しかも関係が破たんしたのち、番場氏が分かれ話を巡って5000万円を恐喝しようとしたそうなのです。(事態に耐えられなくなった石崎氏が、文春の曝露の際にカムアウト)
このこと自身が、上昌広氏への批判につながるわけではないわけですが、なんというか、この方のことを調べていると、なんだかいろいろな闇を見てしまう感じがします。
このことと上氏が無縁な感じがしないのは、この方が本当によく平気でうそをつき、他者への一方的でひどい攻撃を繰り返してきたからです。その邪悪なパワーが周りをも邪悪にしてしまうとは言えないか・・・。
率直に言って僕はそういうことをしないように気を配ってきたし、またする能力もほとんどないので、なんとも違った世界にいる方のようにすら感じてしまいます。
例えば、新型コロナの感染が始まったときに、上氏は、PCR検査を作りだしたロシュ社のキットを「厚生省がわざと入れなかった!」という話を断言口調で語りました。しかしこれがデタラメな断定であったことが後にファクトチェックされています。
新型コロナ、厚労省が最新検査法を導入しない呆れた理由
2020.02.21 16:00 女性セブン
https://www.news-postseven.com/archives/20200221_1543357.html
[新型肺炎FactCheck] 「スイス製検査キットを日本政府は頑なに導入しない」は誤り
あるいは上氏は「都立墨東病院が『機能停止』」と医療崩壊を煽るtweetなどもしていました。これものちに訂正されています。
拡散した都立墨東病院が「機能停止」という誤った情報。発端は専門家による発信
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/bokutou-disinformation
誰もが新型コロナで不安になっているときに、医療界への不信・不満を掻き立て、医療崩壊が始まったかたのようなtweetを平気でする上昌広氏に、僕は医師としてのモラルを感じません。
新型コロナは正体が見えないからこそ怖い。そこに乗って、あることないこと、はやしたててきたのがこの御仁だとしか僕には見えません。こういう方を信頼してはいけないのではないでしょうか・・・
続く
#新型コロナウイルス #上昌広 #久住英二 #子宮頸がんワクチン #PCR検査 @安倍晋三
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