守田です(20200502 21:30)

● 専門家会議の記者会見について(5月1日)

5月1日に行われた専門家会議の記者会見の内容をトレースしたいと思います。
録画と資料のURLをご紹介します。

新型コロナウイルス感染拡大 政府専門家会議 会見
YouTube 2020/05/01 ・ 制作者 FNNプライムオンライン
https://onl.tw/LMLyzKF

5/1専門家会議委員 記者会見資料
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627255.pdf


news.infoseekより

● 感染の爆発的拡大を逃れて減少傾向に

まず現状が次のように把握されています。
「多くの市民の皆様のご協力により、現時点では、オーバーシュートを逃れ、新規感染者数は減少傾向に転じるという一定の成果。
引き続き徹底した行動変容による接触機会の低減、重症者・死亡者の増加を防ぐための医療提供体制の拡充を進めることが必要」。

このことを図で示すために、東京都と全国の「感染者数の推移」のグラフが示されています。なお「感染者数」は「PCR検査陽性者」とした方が良いと思いますが、いずれも下降局面を迎えています。
東京の下降よりも、全国の下降の方が緩やかになっている。これは東京から地方への人の移動によるものと解釈されています。
ただし東京の新規感染者数は1日に165人となりました。これは病院などがクラスター化したものと、29日に検査機関が休みだったものが繰り越されたためですが、さらに2日も160人となったので、引き続き警戒が必要です。

なお「医師が必要と判断した場合及び濃厚接触者を中心にPCR等検査を実施してきたため、感染者の全てが把握されているわけではない」こと。
それでも検査数が徐々にではあれ増加している中で、陽性者数が全国的に減少傾向にあり、東京で倍化時間が伸びていることから、減少傾向は間違いないという説明が加えられました。
この点は、明日に向けて(1805)でも、4月22日の記者会見のおりの、西浦教授の記者質問への答えを引用する形で明らかにした点です。



東京都と全国の感染者数推移(記者会見資料より)

● 医療提供体制への影響について

この点でも明快に以下のような説明がなされました。
「平均的な在院期間は約2~3週間程度。新規感染者数が、減少傾向に移行しても、入院患者による医療機関への負荷はしばらく継続。
医療現場の逼迫した状況は、新規感染者が減少したとしても、緩やかにしか解消されない。しばらくは、新規感染者を減少させるための取組を継続することの必要性が示唆」。

ここで重要なグラフが加えられました。「全国で人工呼吸器を要する確定患者数の推移」です。
これによると現在、連日約300人の方が、人工呼吸器で命をつながれている。どうぞ、助かっていただきたいですし、医療者の方の苦労も偲ばれます。
ただそれでも、人工呼吸器の台数そのものはまだまだ余裕があることも分かります。

新型コロナ流行前に、日本の人工呼吸器は約22500台が保持されていました。約半分は常時使われていますが、新型コロナの感染が始まったころは、約11000台ぐらいの余裕がありました。そのうち、現状で毎日使われているのは300台です。
重症化治療は長くかかる傾向にあるので、現場はまだまだ大変。しかしけして「医療崩壊」には至ってはいません。医療者と私たちが、崩壊などおこさず、上手に命を繋ぎ続けているのです。この点を抑えて、医療を支え続けましょう。
とくに医療者への感謝を届けることを、さまざまな形で行いましょう。


人工呼吸器の装着数推移(記者会見資料より)

続く

#新型コロナウイルス #パンデミック #専門家会議 #感染爆発回避 #人工呼吸器 @安倍首相

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