川内原発の危険性は上げればきりがないほどですが、この間論じてきたことから言えば、中央構造線のすぐそばに位置していることが何といっても一番の脅威です。
しかもすでにこの近辺で2年前に大きな地震が起こっています。益城町を震源とする熊本・九州地震です。

このとき一番激しい揺れに襲われた益城町の地震計が壊れてしまっているのですが、それでも少し離れたところで1580ガルという揺れが観測されています。
これに対して川内原発の基準地震動、つまりこの地震までは耐えられる・・・という値は620ガルしかありません。
もし益城町を襲ったのと同じ規模の地震が川内原発を襲ったらもたない可能性があります。

その場合の事故は破局的になりうる。なぜかと言えば制御棒を挿入して核分裂を止めることができないかもしれないからです。
福島第一原発事故ではまだしも制御棒の一斉挿入(スクラム)により核分裂だけは止めることができました。
それでも崩壊熱を出し続ける炉内の燃料を冷却できずにメルトダウンにいたり、大規模な被害が出たわけですが、制御棒が入らなければもっと大きく、破局的な事故になってしまう可能性があります。

私たちがしっかりと見据えておかなくてはならないのは、その原発がこの日本列島の主要の島々の一番西にあるということです。
地表を舞う風はいろいろな方向に吹きますが、上空には偏西風が吹いています。台風の進路を考えれば一目瞭然のごとく、ここから風に乗った放射能は日本列島を横断していく可能性が極めて高いです。

また海に落ちてもそこは黒潮など列島に沿って流れる海流の場であり、そのまま列島周辺を放射能が北上していくことになります。
海の幸に壊滅的なダメージが出ることは免れないし、福島原発事故でまだしも軽い被曝ですんでいる西日本が決定的な被害を受けることにもなります。

その意味で川内原発の危険性は、単に鹿児島県や九州の人々、周辺の人々のものだけでなく、この列島に住まうほとんどの人々に迫ってきているものなのです。
だから私たちは、この危険性を、自らのものとしてとらえ、向き合うことが大切です。
またこの危険性と向き合い、監視し、止めようとしてきた現地の方々の奮闘をみんなのものとしていくことが大切です。

以上から僕は今回の行動で、篠山の経験などをお話ししつつ、同時に鹿児島のみなさんのこれまでの奮闘に学んで来ようと思います。
充実した数日を過ごしてきます!

なお4日の講演会の案内を貼り付けます。お近くのみなさん、ぜひご参加下さい。
情報拡散にもご協力ください。