守田です(20191017 15:00)

関電原発マネー問題、台風19号のことと連続して記事を出してきましたが、20日(日)に福知山市、26日(土)に長岡京市で、27日(日)に京田辺市でお話します。
ニューメキシコ訪問報告が中心です。その際、関電の問題と台風の問題にも少し触れます。

● 関電原発マネー問題の本質は、原発があまりに危険だから大金が動いてきたことにある!

まず関電問題。関電幹部に金品を送りつけていた元高浜町助役の森山栄治氏が、菓子折りの底に小判を忍ばせていたことなどから、「現代の時代劇」などという言われ方をするときがあります。
「越後屋と悪代官」に似ているということでです。「お役人さま、これをお納めください」と菓子折りを渡す。代官が開くと二重底になっていてそこに小判がつめてあり「越後屋、そちも悪よのう」と叫ぶと言うわけです。
確かに今回の問題、「越後屋と悪代官」のやりとりに似たようなところがあります。もちろん悪代官は関電幹部です。

しかし「越後屋と悪代官」の関係にはないことがある。ものすごく危険な原発が稼働しているということです。
だから金になった。恫喝も必要になった。金まみれの中でこそ、繰り返された事故、事件をもみ消し続けて原発は「生き延びて」来たのです。
今回はぜひそこまで追究しなくてはいけない。原発の危険性がお金で覆い隠されてきたのであって、だからもう止めるべきだということまでです。


図は朝日新聞より

● もともと核開発は戦争⇒人殺しのために行われた⇒環境汚染など気にもとめなかった

危険性を金の力でもみ消してきた原発、これは原発の出自がもともと核兵器製造装置であることにもつながることです。
原子炉は核分裂するウラン235(自然界のウランの0.6%)と核分裂しないウラン238(同99.4%)を炉内にいれて中性子をあて、核分裂連鎖反応を続けつつ、ウラン238に中性子をあて、新たな核分裂性物質=プルトニウム239を作ることを目的としています。
だから「プルトニウム生産炉」と呼ばれました。アメリカではワシントン州ハンフォードにこのための炉が1944年に作られました。ここで生産されたプルトニウムを使って作った原爆が長崎に投下されました。

ただしプルトニウム生産炉で作られたプルトニウムがすぐに爆弾に使えるわけではありません。核分裂を終えあらたにプルトニウムを含んだ核燃料を再処理しなくてはならないわけですが、そこには死の灰=放射線物質がつまっています。
そこからプルトニウムを抽出しなければならず、どうしてもさまざまな死の灰が環境中に出てきてしまうのです。実はこのためハンフォードは世界で一番、放射性物質に汚染された町であるとも言われています。
再処理の行程での放射性物質の漏洩は技術的に避けられず、だから再処理はもっとも環境を汚染するのですが、同時に大量殺りくを目指していた人々にとって核廃棄物をまともに処理することなど眼中になかったこともおさえておくべきです。


ハンフォードサイト Hulton-Deutsch / Hulton-Deutsch Collection / Corbis / Getty より

● ニューメキシコの旅の経験から伝えたいこと

こうしてハンフォードで大量汚染とともにプルトニウムを作る一方、ニューメキシコのロスアラモスで原爆の研究・開発が進められました。
周辺にはたくさんのウラン鉱があり、採掘に関わった先住民族の人々が被曝させられていました。
さらにアメリカ政府はニューメキシコ中部の「トリニティサイト」で1945年7月16日に世界で初めての核実験を行いました。使われたのはより起爆が難しいプルトニウム型=長崎に投下したのと同じタイプの核爆弾でした。

このとき周辺住民にはなにも知らされていなかった。だからものすごい数の人が被曝しました。
この経験から、アメリカは広島・長崎における実戦の中での人体実験を終えてからは、マーシャル諸島など南太平洋に移って核実験を行いました。南洋の人々をてひどく被曝させながらでした。
しかしそこまで往復するのに膨大な経費がかかる。それで1953年より再度ネバタ砂漠に戻ってきてそこで大気中核実験を繰り返しました。その数なんと約100回。市民が被曝することを熟知しつつででした。


トリニティサイト核実験で被曝しガンで亡くなった親族の写真を貼りだした女性と。アラゴモードにて

● アメリカのヒバクシャとの連帯を強めたい

僕がニューメキシコで観てきたのは、核開発の非人道性とともに、その過程でアメリカ政府がアメリカに住まう人々を手ひどく被曝させてきた事実でした。これが核武装するということなのです。
だからアメリカにはウラン鉱を掘らされ、核汚染された地域に住まわされてきた先住民族の人々、核実験で被曝したダウンウィンダーズ=風下の民、そしてさまざまな形での核廃棄物からの被爆にさらされてきたたくさんの住民がいます。

しかも核廃棄物がどう捨てられてきたか、原爆が作られ、投下され、米ソの核競争のもとに製造競争が繰り返されたころはまともな記録すら残っていない。

例えばハンフォードでは道端に側溝を掘って、段ボール箱に詰めた核物質がぽいぽいと捨てられていたことすらあった。
このため実は全米のどこが核汚染されているのか全体像は判明していないのです!確実に言えることはアメリカには大量のヒバクシャがいるという事実です。


ハンフォードで極めて安易に捨てられていた核のゴミ 

だとしたらアメリカのヒバクシャとしっかりと結びついていきたい。一緒になって核なき未来に向かって歩んでいきたい。そのことを多くの場で訴えたいです。

ぜひ最寄りの会場にお越しください。あるいは僕をお招きください!
以下、企画の詳細をお知らせします。

● 10月20日(日)福知山市

守田敏也さんにニューメキシコのお話を聞きましょう!
午後1時30分~3時30分 会場 ハピネスふくちやま3階第2会議室

お子さん連れでの参加でもけっこうです。お友だちを誘っておいでください。予約はいりません。 参加費は無料です。会場でのカンパにご協力ください。

よびかけ 守田敏也さんのお話を聞く会
連絡先  水谷(090-4640-4286)

● 10月26日(土)長岡京市

原発と晩ごはん2019
私たちが知らないアメリカで起きていること
https://www.facebook.com/events/1680056795460060/

午後2時〜4時半 会場 長岡京市中央公民館2階 講座室
参加費 500円 高校生以下無料
キッズスペースあります。

主催 さよなら原発長岡京市民の会
連絡先 イシズミ080 1423 3896

● 10月27日(日)京田辺市

守田敏也さんお話会『ニューメキシコから「今」につながる核』 https://www.facebook.com/events/1013542885665937/

午前10時~12時 京田辺市龍馬館1階(京田辺市興戸久保17 近鉄興戸駅徒歩4分)
参加費 資料代500円(ゆいねっと会員・東日本大震災による避難者・学生は無料)
※守田さんへの活動支援カンパもお願いします。

主催 3.11ゆいネット京田辺
申込み先 311yuinet@gmail.com (070-5652-0782)