守田です(20181116 14:00)

● 東海第二の再稼働をやめさせるために

東海第二原発が新規制基準を通過し、40年越えの延長審査もパスしました。
首都圏の巨大老朽原発が再稼働する可能性が浮上しており、みんなで食い止める必要があります。

この点についてNNNドキュメントでなかなかの番組が放映されました。
タイトルは「首都圏の巨大老朽原発 再稼働させるのか」です。以下からご覧になれます。
https://www.dailymotion.com/video/x6x1slt

重要な内容が多く含まれていたので思い切って文字起こししました。
動画を観る余裕の無い方、また観た内容を文字情報で再確認したい方、ぜひご参照ください。
なおナレーション部分をそのままで記し、発言部分をかっこに入れました。テロップはそのつど説明書きしています。長いので3回に分けます。

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● NNNドキュメント首都圏の巨大老朽原発 再稼働させるのか(11月12日1時~2時放送) その1

みなさんは首都圏に原発があるのを知っていますか。
日本原子力発電、日本原電が運営する東海第二発電所です。
運転を開始してすでに40年。福島第一原発の1号機と2号機を合わせたほどの大きな出力を持つ原発です。

テロップ
「運転開始1978年11月28日 運転出力110万キロワット」

東日本大震災が起きるまでは東京にも電気を送っていました。
銀座で話を聞くと(「東海第二発電所 日本原子力発電(株)と書いた紙を見せながら)

記者
「どこにあってなにをやっているか分かりますか」
通りがかりの女性
「いや、分かんないです」
「愛知とかあの辺ですか」
他の女性
「知らないです。東海第二。静岡あたり?」
男性
「茨城にある原子力発電所ですよね」

JR常磐線勝田駅。通勤通学で込み合う朝の光景です。ここは原発から10キロ。
そして住宅が広がる茨城県東海村。住宅街の先に立つのが東海第二原発です。東京から110キロ。
いま、再稼働に向かって動き出そうとしている原発です。

● 事故が起きたときの危険性1 30キロ圏内に96万人も住んでいること。

そこにはさまざまな課題が。
その1つが周辺に住む人の数。避難計画をたてなければいけない原発30キロ圏の住民は全国で最も多い96万人にもおよぶのです。

私たちは茨城県44の全ての市町村のトップにアンケートを行いました。
再稼働に賛成か反対か。そして避難計画は作れるのか。

事故が起これば放射性物質は風に乗って東京に達するという予測もされています。
なぜ巨大な老朽原発を動かそうとするのか。何のために。誰のために。

2011年3月11日。東日本大震災の翌日の映像です。
津波に流された車が折り重なり、火災が発生しています。その煙の先に見えるのが東海第二原発です。

福島第一原発と同じように運転中に津波が押し寄せ被災しました。
これは原発を運転する日本原電が当時、水戸市に送った連絡文です。
そこには「外部電源喪失」の文字。あの時、燃料プールからは水があふれ機器の一部は浸水非常用発電機も1台が使えなくなり、冷温停止に3日かかりました。

原発が止まってから間もなく8年

テロップ
「今月(11月)7日 原子力規制委員会 更田豊志委員長」
「東海大に発電所所の運転期間延長認可 及び保安規定変更認可を決定します」

今年9月には国の新しい基準に合格。今週さらに寿命を延ばす審査にも合格したのです。
原発の運転期間は40年とされていますが、規制委員会の審査に合格すると1回に限り最大20年間延長できます。
東海第二原発は今月28日が40年の期限でしたが間に合いました。被災した原発が合格したのは初めてのことです。

老朽化した原発の再稼働で、万が一事故が起きたらどんな危険があるのでしょうか。
その1つが風向きの問題です。

● 事故の時の風向きは?

テロップ
「原発の北、茨城県日立市にある地域気象観測システム”アメダス”」

計測した30年間のデータを見ると3月から10月の最も多い風向きは北東と北北東でした。
事故が起き放射性物質がその風に乗ったらどうなるのか。
環境問題の専門家が試算をしていました。

テロップ
「原発事故での避難を研究 環境経済研究所 上岡直見代表」

福島の事故とほぼ同じ量のセシウム137が1週間にわたり同じ風向きで放出された場合・・・

上岡さん
「東海第二原発がここにありましてもし北東の風が吹いていた時にはこの放射性物質がこういうふうに広がって来ます。30㎞圏だけではなくてその外側茨城県ですね。
それから埼玉、東京、神奈川県までですね、避難の必要がある放射性物質のプルームが広がって来ると。他の所の原発は途中に山があるんですけれども東海第二は関東平野ですからおおむね平らそのまま来てしまう」

この試算によれ ば都心に住む人たちも避難をすることがありうるといいます。

東京との小池知事は再稼働についてどのように考えるのでしょうか。

小池知事
「原子力規制委員会で客観的に判断されると聞いております。そういう中での1つの答えがこれから出されるのかなあというふうにみております」
記者
「再稼働への不安は」
小池知事
「それについては客観的な判断ということで。周囲の住民の方や東京圏を含むこのエリアについてのしっかりとした説明が必要になってくるのではないかと思っています」

続く