守田です(20181013 12:00)

京都市左京区養徳地区で配られている月刊紙『ようとく』に連載中の「原発から命を守るために」の3回目をお届けします。

原発から命を守るために―3未来世代への暴力としての原発

● 福島原発事故はまだ収束過程、教訓化できるのはまだまだ先だ

原発を止めるために私たちは今一度、なぜ原発を動かしてはならないのかを考えておきましょう。第一はやはり何といっても危ないから。大事故の可能性を宿しているからです。
とくに原発を審査している原子力規制委員会は「福島原発事故の教訓を生かして次の事故に備える」と言っていますが、しかし福島原発は1~3号機の核燃料が溶け落ちたまま膨大な量の放射線を発していて人が近づくことができません。
送られたロボットもみんな途中で壊れてしまいました。このためまだ事故が完全に納まったとは言えないし、もちろんどこがなぜどう壊れたのか、放射能がどこからどう漏れたのかも分かっていないのです。つまり教訓化などまだとてもできない状態です。

● 10万年以上も管理しなければいけない放射性廃棄物を生み続けている

第二に原発は事故を起こさなくても使用済み核燃料などの高レベル放射性廃棄物を発生させます。その管理がどれぐらいかかるのかというとなんとおよそ10万年以上もかかってしまうのです。経費だけで考えても天文学的。しかも危険性が加わります。
これを負担するのは発電の恩恵を何も受けない未来世代なのです。しかも10万年にもわたってです。原発の電気が安いと言うのは大嘘。この先どうするかすら決まっていないので予算計上ができていないだけです。
原発は未来世代への暴力以外のなにものでもありません。だから私たちはもうこれ以上、放射性廃棄物を増やしてはならないのです。

続く