守田です(20180906 14:00)
○ 北海道で巨大地震発生 まだ大きな地震の可能性あり!厳重注意を!
本日6日未明、午前3時7分に北海道南西部の胆振地方中東部でマグニチュード6.7の地震が発生しました。
安平町で震度6強が観測された他、多くの地域で震度5強、5弱、4が観測されています。
なお気象庁によると複数の観測点から震度情報が寄せられておらず、震度7が観測されている可能性もあるとのことです。
その後、何度も「余震」が起こっていますが、2016年4月の熊本地震では4月14日21時26分に震度7の揺れが起こり、さらに16日未明に再度、震度7の地震が起こりました。
エネルギー量では前者がマグニチュード6.5、後者は7.3で約16倍のものでした。
今回もこのようにより大きな地震が続く可能性を否定できません。お近くの方、救助に従事されている方はこの点に留意され、安全を確保されてください。
○ 北海道全域が停電中 復旧には時間がかかる!
この地震に伴い、震源地に近く北海道で最大の苫東厚真(とまとうあつま)発電所が緊急停止し、これに伴って北海道全体で停電が発生しました。
理由は電力の需給バランスが崩れたことにあります。発電所から送られている電気は交流で常にプラスとマイナスが入れ替わっています。この回数が周波数で、これを一定に保つために電力の発電量と使用料を一致させる必要があります。
電力会社は常にその調整を行っていますが、今回は道内最大の発電所が緊急停止したことから需給バランスが崩れ、他の発電所も次々と止まってしまったのです。
それでもこれだけ広域の停電が発生するのはまれなことで、北海道全域が停電になるのは、1951年に北電が創設されて以来、初めてだそうです。
現在、苫東厚真発電所の復旧が急がれていますが、1号機、2号機のボイラー配管が損傷し、さらに復旧を急いでいた4号機で火災が起きているそうです。(3号機は2005年10月に廃止)
このため同発電所の復旧には1週間ほどかかるそうで、経産省は道内の水力発電所を順次稼働させていますが、北海道全体の電気需要を賄うためには1週間以上かかるそうです。
○ 厚真町で大規模な土砂災害が起こるなどさまざまな被害が発生中、SNSやメールでの発信を!
地震が各地の道路が寸断されていること、また広域停電で情報収集にも時間がかかっているため被害の全体がつかまれていませんが、12時30分現在で北海道全域で2名の死亡と1名の心配停止が確認されています。
厚真町では大規模な土砂崩れが発生しており、同町吉野地区で多数の家屋が飲み込まれています。同地区の30数名の方の安否が確認されておらず、懸命の捜索が続けられています。
札幌などでも道路が各地で波打ち、たくさんの家屋が損壊しています。かなり広範な被害が各地で起こっている模様です。
大規模停電の影響で、JRも北海道全体で運行できなくなり、千歳空港も閉鎖されています。また多くの病院が電気不足で外来や緊急搬入の受け入れも中止しています。断水も各地で起こっています。
このような状態ですから、いま北海道の方たちはテレビをつけられず、災害に関する情報を得られない状態にあります。これに対しSNSやメールは端末さえあれば見られるので、ぜひ、災害情報をお伝えください。
とくに震源に近い地域でさらに大きな地震がありうること、また停電からの復旧には時間がかかる見通しで、今夜も灯のない夜を迎える地域が出るであろうこと、それらに備えて欲しいことなどを伝えてください。
○ 泊原発で外部電源喪失、非常用ディーゼル運転が稼働も燃料は1週間しかない
なお停電の発生により泊原発が外部電源を失ってしまいました。非常用ディーゼル運転が稼働し、核燃料の冷却が続けられていましたが、6日午後1時までに復旧したそうです。
今回、この地震を前に泊原発が長く止まっていたことは「不幸中の幸い」でした。使用済み核燃料の温度がかなり下がっていたからです。稼働中であればそれ自身が危険でしたし、熱量も桁違いに高い状態でした。
やはり災害続きのこの国で原発を動かしているのはリスクです。今回、震源地近くの苫東厚真火力発電所で配管損傷が起こりましたが、原発なら冷却材喪失⇒メルトダウンへと向かっていたでしょう。今回の事態からも、稼働中の原発を早急に止めた方がいいのは明らかです。
緊急用のディーゼルエンジンは一週間分しか燃料を持っていません。今回のように複数の発電所がダウンしてしまえば一週間では足りない可能性も出てきます。
南海トラフ地震では海側にある火力発電所のすべてが被災する可能性が考えられており、とくに四国で長期にわたって電源が回復しない可能性もあります。それも考えて伊方原発を止め続けておくことなどが極めて重要です。
○ 災害対策の強化を!
これだけ自然災害が重なる中で私たちが考えなければならないのは、南海トラフ・ひずみ集中帯地震をはじめ、今後、さらにどこかが災害に襲われ、甚大な被害が出る可能性があることです。
だからもっと真剣に備えなくてはなりません。私たち自身の能動性を上げるとともに、国にもっと責任を果たさせていく必要があります。災害から守られるのは人権であり、国にとっては人々を守るのは義務です。
そのために自衛隊の災害救助隊への改編を進めると同時に、避難所のあり方の改革などを私たちの力で国にさせなくてはなりません。北海道のみなさんを支援しつつ、全国津々浦々で頑張りましょう
これらの点を9月8日(土)松本市で、9日(日)日進市でお話します。ぜひお越し下さい!それぞれのチラシをFacebookにアップしました。以下からご覧ください。
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