守田です(20180609 23:30)

6月14日に京都市のコープイン京都で、「福島第一原発の放射能汚染水問題はその後どうなっているのか」についてお話します。コープ自然派さんのお招きです。
そもそものきっかけは僕が2016年夏に自然派さん主催の講演会で語った「毎日400トンの汚染水が出ている」という内容を、自然派さんがカタログに掲載したことに対し、水産庁から削除要請がきたことに始まっています。
水産庁は「事実と違うので危険だと風評被害をあおる」と指摘してきたのでした。

以降、詳しく調べて判明したのは一つには膨大な放射能汚染水の海への流出事態は2015年10月に海側遮水壁を作ったことで止まったとされていることでした。その点を的確につかんで語れなかったことは確かに僕のミスでした。この点を素直にお詫びしたい

です。
しかし「危険だと風評被害をあおる」というのはおかしい。なぜなら2015年10月までにすでにものすごい量の放射能が海に入り込んでしまったからです。半減期を考えてみてもこれから長い間汚染は続きます。
そもそもこれそのものがものすごく犯罪的なことです。遮水壁で止まったらそれでいいという問題ではない。膨大な放射能がすでに海に流れ込んだ事実を水産庁はきちんとハイライトし、人々に伝えるべきなのです。

また遮水壁を作っても、雨などが降った時に原発敷地内を流れる「表層水」はまったく対策ができないまま海に流れ続けているし、建屋の山側に掘った井戸や建屋の海側に作ったドレンから組み上げた汚染水の一部は意図的に放出されています。「汚染が少

ない」という勝手な判断に基づいてです。
さらに東電はタンクに汚染水がどんどんため込まれて限界に来ているからと、今後、セシウムなどの除去をほどこしたもののトリチウムだけはとれずに残っている汚染水を海に大量放流することを計画しています。
その際、1リットルあたり何万㏃ものトリチウムがある汚染水が流されようとしています。それらの総体を見たときにとても海の汚染が止められているとは言えません。福島第一原発はいまなお海を汚染し続けているのです。

もう一つ、かかる現状はすべて東電の発表に基づいたものですが、そもそも東電は膨大な汚染水が地下水と混ざって海に出ている事実を、事故後何年も隠し続けていたのでした。
その点では2015年10月に海側遮水壁ができて汚染水流入が止まったと言われても、どこまで信頼できるのかという疑問も大きく残ります。そもそもこんな大変な事実を隠していたことが犯罪として裁かれていないからです。
いやそもそもあんなにひどい事故を起こしたことがまだ裁かれていない。東電はメルトダウンのことも知っていたのに嘘をつき続けたし、汚染水のことも知っていたのに黙り続けていたのです。これでどうして東電発表を信頼しろというのでしょうか。

水産庁は本来、このように東電が繰り返し大きな嘘をついてきた事実を指摘し、海を守る立場から東電にもっと厳しい姿勢で臨むべきなのです。その点からも東電の発表だけを鵜呑みにし、「風評被害」を作るからと一方的に削除を求めてきた姿勢はまった

く間違っています。

6月14日には、こうした放射能汚染水問題の発生から今日にいたる流れを振り返り、その中で現状をおさえて私たちがなすべきことを導き出したいと思います。
みなさんのご参加をお待ちしています。

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6/14 3.11後の放射能汚染水問題を考えよう
http://www.shizenha.ne.jp/kyoto/detail/5/index.html?articleId=22800

福島第一原子力発電所において「毎日400トンの汚染水が出ている」と2016年26号のカタログに掲載したことに対し、「事実と異なるから」と削除を求める水産庁からの手紙が2016年10月にコープ自然派に届きました。
それに対してコープ自然派記事の根拠を説明し、水産庁側で把握する事実を裏付けるデータとして水産庁または第3者機関による調査結果や検査を求めましたが、東電の見解が記述されるのみで、議論は平行線をたどっています。
生協も水産庁も、漁業者と消費者を守り支える同じ立場であり、起きてしまった困難な状況に対してともに解決策を探り、協力していきたいと考えていますが、水産庁の姿勢には疑問を抱かざるを得ません。
水産庁とのやり取りが始まって1年半が経過する今、カタログ掲載内容の基となる守田さんの講演内容を振り返るために、守田さんをお招きして学習を行いたいと思います。
また、この間めっきりと報道が減った汚染水の現状についてもしっかり学びたいと思います。

■日 時: 6月14日(木)13:30~15:30
■会 場:コープイン京都
■講 師:守田敏也(もりたとしや)さん
【プロフィール】同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、フリーライターに。環境問題や平和問題に関わる。福島原発事故以来、全国各地で講演。放射能防護やヨウ素剤配布などを訴えている。
兵庫県篠山市災害対策本部対策委員。日本からの原発輸出の危険性や日本民衆の脱原発運動の現状を伝えるためにトルコ、ドイツ、フランスなどにもたびたび赴いて講演を続けている。
著書「内部被曝」(共著)、「原発からの命の守り方」。コープ自然派の「内部被ばくをさけるために・・・」リーフレットの製作に協力。ブログ「明日に向けて」で情報を発信し続けている。

■参加費:200円(組合員対象)
■定 員:90名 *定員に達した場合 先着順
■託 児:あり。5名(1歳半~未就学児)
託児費:500円/人
託児対象外(1才半未満)の同伴:可
※託児締切は6/7 (木)17時

■持ち物:筆記用具
■締切日:6/12(火)17時
■主催:コープ自然派事業連合理事会・コープ自然派京都理事会
■イベントID: 06180501
京都市営地下鉄四条駅  阪急烏丸駅⑬出口 徒歩10分

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