守田です(20171026 23:30)

今宵は連投をお許しください。今回は総選挙の考察の2回目の投稿です。
いろいろな意味で確かに激動だった今回の選挙、さまざまな形でのとらえ返しが始まっています。

マスコミの動きを見ていて前回選挙と違うなと思えるのは、小選挙区制の歪みに言及する論調が非常に大きくなっていることです。
世論調査でも「自公の議席が多すぎる」という声が高まっていることが明らかにされています。
「内閣不支持率が支持率を上回っているのに安倍政権が信任されたかのようなこの結果はおかしい!」という声が起こっているのです。ならばぜひこれを促進させましょう!

一方で民進党が一夜にしてなくなってしまい、希望に合流し、かと思ったら排除され、立憲民主党が立ち上り・・・という連夜の「事件」は、これまで市民と野党の共闘を前進させてきた多くの市民勢力をもふるいにかけました。
しかし各地で市民たちはそれを逞しく乗り越えられたと思います。その中でみんなで立憲民主党の議員三倍増の大躍進にもいたれたのではないでしょうか。
この共闘を誠実に支えた共産党の議員が大きく減ってしまったことはなんとも残念ですが、いわば市民と野党との共闘壊しでもあった小池―前原劇場を市民勢力は乗り越え、より成長することができたようにも思います。

いま大事なのは実際に現場を担った人々の意見をおおらかに語り合い、前向きに学びを深めることです。
そう考えているときにとても感動する一文につきあたりました。滋賀県信楽に住まい「くらしとせいじカフェ」などで懸命に頑張っている玉崎洋子さん(「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民の会しが」副代表の一人)のFacebookへの投稿です。
玉崎さんはこの試練の中での市民の成長を生き生きと描いています!ここに新たな可能性、選挙文化熟成のはじまりがあると僕は感じています。

実は僕も滋賀の「くらしとせいじカフェ」には何度も参加してきました。
とくに滋賀二区にあたる「彦根、長浜、米原」で2か月に1回行われたカフェで、民進党の衆議院議員だった田島一成さん一緒に参加し、まずは僕ら二人が発話を行い、参加者がわちゃわちゃ意見を言って突っ込んだりする楽しい会合をもう3年近くも続けてきました。
田島さんはその中で原子力災害対策の観点を自らのものとしてくれて、国会の環境委員会で当時の丸川大臣にヨウ素剤配布を求める質疑を行ったり、今回も選挙公約の中に「ヨウ素剤事前配布の実現」を入れてくれたりしました。

しかし田島さん。あんなに市民と野党の共闘の発展への尽力を語っていたのに、一夜にしてそこから切れて希望の党に行ってしまった。
そして今回の選挙で、滋賀の市民たちと切れたまま小選挙区でも比例代表でもあえなく落選してしまいました。とても残念に思っています。
といっても僕はこれで田島さんと一緒に積み上げてきたもののすべてが無くなったとは思っていないし、リベラル派なのですからその立場でまた頑張って欲しいと思うのですが、そのためにも一緒に歩んできた市民勢力の歩みをぜひ知って欲しいです。

同時に選挙を担った多くのみなさんが、選挙を振り返る一つのきっかけにしてくださればとも思います。
僕は玉崎さんのこの意見にとても共感していますが、もちろん他にもいろいろなとらえ方があるでしょう。というか山の登り方が一つではないように、いろんなアプローチがあって当然です。
そのことを踏まえて、互いに違いがある場合は尊重し合い、正しさを厳しく競い過ぎてしまわずに、ともに歩む心を一緒になって広げたいです。そんな観点からぜひ読んでみてください。

以下、貼り付けます。

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玉崎洋子

今までの振り返りです。長いけど良かったら読んでね。

昨年の参院選で滋賀は市民がつないで野党共闘が実現し(ここまでにも大変な苦労があった)民主党の林久美子さんが統一候補となり、
絶対にいややったけど、
でも安倍自民に議席を渡さないためにみんな一丸となって全力でがんばった。
私も初めて選挙に参加して全力でがんばった。
候補者がいまいちでも野党共闘すれば勝てるとみんなが信じてがんばった!
応援する為に対話もした。少しやったけど。
そして、負けた。
林久美子は選挙の後一度も市民の会に顔を出すことなく、
安倍の右腕の世耕大臣妻としてきらびやかに暮らしている。
めちゃくちゃ悔しかったし、何か月も落ち込んだし、騙されたと思った。
こんな候補者を応援して良かったのかと後悔しまくったし、
勝つための大義は間違ってたと思った。
勝つためには候補者は誰でもいいなんてことはなくて
市民は投票したくない人には投票しなかったのだ。

でも、市民の会しがの皆さんの不屈の精神に励まされ、
また、衆議院選に向けて少しづつ対話を始めたのが去年の今頃。
民進党の候補者の方と何度もくらしせいじカフェをやり、
ずっと対話してきた。この選挙のために!
林久美子に比べたら3人ともみんないい方でリベラルで市民派。絶対この人たちを応援して、今度こそ勝つぞと思ってたし、
そのためには市民の声や共産党、社民党の声もたくさん聞いて野党統一候補にふさわしい人になってもらわなあかんと思っていっぱい対話し、信頼関係も築いていった。
あの日の直前まで。

安保法制の廃止と立憲主義の回復をずっと一緒に叫んでいた人たちが、
一夜にして希望の党に吸収された。
2年かけて築いていった野党共闘は解散の直前に崩れ去った。
前原の出したロイヤルストレートフラッシュで私たち市民は完全に敗北した。あそこで終わった。
希望の党から立憲民主に行ってくれないかと期待もしたけど、
それもなく、私たち市民は権力の前に切り捨てられた。
希望の党に行かれた方々にはその選択肢しかなかったのはよーくわかる。
しかし、市民のほうは見てないってこともよーくわかった。

またまた落ち込んだ。
2回もやられたらさすがに気づく。
3回目やったら市民はあほやね。
しかしまた不屈の市民の会しがの方たちは、すぐさま動き、
一夜にして野党統一候補をみんなで決めた!すごすぎるー
これは、いままで野党共闘で頑張って積み上げてきた信頼関係があったからできた。
前回の学びがあったからできた。
これしかないのだ!
市民による市民のための市民の政治をはじめるには!
それに最高の候補者!感動で泣けた!
やっとスタートできると思った。
こんな短期間で無名の候補者が大きな組織に勝てるわけがないのは重々承知!でもこんな裏切られる投票を何度やっても、私たちが望む社会には近づかない。
権力にぶら下がり、振り回されるのはもうこりごり。
変わるのは私たち有権者!
絶望にさした光を信じて、そして自分たちの力を過小評価せず、
同じ思いの人と一人でも多く繋がること、
そうして、私たちの基盤を作ること、それが今勝つことよりも大事なこと。

そのために今日もがんばる!
そうやって一歩ずつ民主主義を創っていくこと。
2つの大きな失敗から学んだこと。当事者だから見えること。
それは今回の選挙が勝ち負けではなくて、もっと先を見てるから
それが大きな根っことなり、幹となり、
自分たちの民主主義と自分たちの政治の礎になるとみんな信じてるから!

だから、今回の選挙はめっちゃたのしーー
すっごいことが毎日、現場でおきてるー
楽しみながら、お互いをリスペクトしながら進んでいこう
私たちの未来へ~