守田です。(20150129 23:00)
後藤さんとヨルダン人パイロットの解放交渉がヨルダン政府とイスラム国を中心に行われています。
イスラム国側は、現地時間の本日29日日没(日本時間深夜)までに、ヨルダン政府が拘束中の女性の解放をするように求めています。
情報は入れ乱れています。昨日の夕方、交渉がまとまったかのような報道が中東方面から流れましたが、ヨルダン政府も日本政府も認めていません。
しかし交渉が行われているのは間違いのないことです。初めてビデオが流された時の感じからすると、少なくとも今、解放の可能性があることは間違いありません。
だからこそ、日本政府とは違った立場で、平和を愛し、中東の人々のおかれた悲惨な状態を報道してきた後藤さんを解放して欲しいという声を、「イスラム国」にも届く形で私たちが発し続ける必要があります。
そのためのうってつけの緊急ライブをジャーナリストの方たちが行ってくれました。
日本語で話してからすぐにアラビア語への通訳を流すという形で、それぞれ中東取材の第一線で自ら死の危険性をくぐり抜けて取材してきたジャーナリストたちが重要なメッセージを発してくれています。
非常に説得力がありますので、ぜひJVJAが出している声明の拡散協力と同時に、このライブの拡散をお願いします。とくにアラビア語圏の方に回して下さい。
6人のジャーナリストが話していますが、このうち野田さん、豊田さん、綿井さんの発言を文字起こししましたので、それも添付しておきます。なお野田さんはJVJAを代表して発言されています。
この中でとくに豊田さんの発言に僕は深く共感しました。彼が、そして私たちが後藤さんの命だけでなく、すべての人の命を救うために行動していることを打ち出して下さっているからです。僕もまったく同じように思うし、このことを伝えかつ自分たちにも繰り返し言い聞かせていくことが最も大事だと思います。
動画を観る時間のない方は、文字で発言を確認して下さい。そのために文字起こししましたが、時間がないので3人分を先に発信し、あとから残りの3人分も発信します。
なお司会と放映にはOurPlanetTVの白石草さんが活躍して下さっていますが、情報を短く早く伝えるため司会部分は割愛させていただきました。
添えられている英文は緊急ライブの説明文ですが、これに僕が英文を付け加えておきました。カッコでくくった部分です。
僕が加えた内容は「この方たちは日本語で話しました。次にアラビア語へ通訳されました。どうかこのビデオをアラビア語圏に伝えて下さい」というものです。
この一文を添えることでアラビア語の通訳がなされていることが英語圏の方に伝わりますので、拡散の場合にはこの英文も添えて下さい。
なお末尾にJVJAの声明のアドレス、および今、継続されている署名の呼びかけも貼り付けておきます。
みなさん。さらに、一層、強く、声をあげましょう!
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後藤健二さんの「解放」を呼びかける緊急ライブ
ourplanet 投稿日時: 水, 01/28/2015 – 05:43
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1881
Emergency Live Stream Calling for the Release of Kenji Goto
A group of journalists and NGO staff is having an emergency live stream calling for the release of Kenji Goto to deliver video messages to the Islamic State and the Government of Japan, from 7PM on January 28th.
(They spoke in Japanese. Next it was interpreted into Arabic.Please inform to the Arabic area of this video.)
1月28日(水)19時から、「イスラム国」に対し、ジャーナリストの後藤建二さんの「解放」を呼びかける緊急ライブ中継を行います。後藤さんの友人やイラク戦争を取材したジャーナリストらの有志が集まり、ビデオメッセージを届けます。概ね1時間半〜2時間程度を予定しています。
出演:豊田直己(フォトジャーナリスト)、綿井健陽(ビデオジャーナリスト)、古居 みずえ(フォト・ジャーナリスト、映画監督)山本宗補(フォトジャーナリスト)、川上泰徳(ジャーナリスト)、佐藤真紀(JIM-ネット(イラク医療支援ネットワーク)
日本語・アラビア語通訳が入ります。
主催:JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)
協力:OurPlanetTV
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野田雅也(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)
こんにちは。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会の野田雅也です。
私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会はフリーランスのビデオジャーナリストとフォトジャーナリストの団体です。
1月20日に日本人人質事件に関するIS(イスラム国)の動画が公開されたことで私たちは一度、声明文を発表しました。
しかし残念ながら1月25日になってイスラム国から新たな画像と音声メッセージが届けられ、そこには拘束された日本人の一人、湯川さんが殺害されたと見られる遺体の写真を持つ後藤さんの画像が公開されました。
そこで私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会は、二回目の緊急声明を発表しました。この場を借りて中を読みたいと思います。
後藤健二さんの解放を求める緊急声明
私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)は、「IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明」で2人の解放を呼びかけてきましたが、湯川遥菜さんが殺害された可能性が高いことから、以下、緊急メッセージをイスラム国および日本政府に届けたいと思います。
1月24日にインターネットに投稿された湯川遥菜さんの遺体とみられる写真を持つ後藤健二さんの画像を見て、私たちは悔しさと残念さでいっぱいです。暴力では何も解決しないと声明を通じて訴え続けてきましたが、残念ながらその願いは踏みにじられました。
しかし私たちは、残された後藤健二さんの解放を求めて、引き続き訴え続けます。イスラム国と日本政府が真の交渉を行うことを求めます。公開された画像と音声メッセージによると、イスラム国は日本政府との交渉を呼びかけていますし、日本政府も人命を最優先すると明言しています。両者の非暴力による対話は、十分に可能なのです。
最後になりましたが、湯川遥菜さんが殺害されたことが事実であれば、ご冥福を祈ると同時に、彼の犠牲が最後となることを祈ります。また今も戦渦に直面するすべてのアラブの人たちが、苦難から解放されることを心より願います。
2015年1月25日 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会 (JVJA)
1月28日19時30分現在ですが、伝えられているニュースによるとリシャウイ死刑囚と後藤さんの解放について合意という形で報道がなされています。しかしまだ状況は流動的でこの後どうなるか分かりませんが、私たち、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会は最後まで後藤さんの無事の解放を願って訴え続けていきたいと思います。
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豊田直巳(フォトジャーナリスト)
私たちジャーナリストの役割は差別や暴力や差別が無くなる世の中を作ることだと思っています。
半世紀以上も暴力にさらされてきたパレスチナを取材してきたのはそのような暴力が無くなることを願ってのことでした。
イラク戦争中にバクダッドに留まって取材を続けたのも、アメリカ軍やイギリス軍の空爆の犠牲者を少しでも減らしたいと言う思いもありました。
そのようなジャーナリストの仲間の一人として後藤さんと私は付き合ってきました。
この一週間、後藤さんの解放に向けてアラブの人たちにいろいろとメッセージを発してきたのは、後藤さんの解放が、そのようなアラブの現在置かれている戦争の状況を少しでも改善することにつながるというふうにも思っているからです。
私たちは一つの象徴として後藤さんの解放を願いましたけれども、それは同時に、今、この瞬間も起こっているアラブでの戦争に対して、そういう暴力によっては問題が解決しないのだということを願っていると同時に、暴力よる解決ではないということも、後藤さんを解放することで示すというふうにも思っています。
私たちのJVJAのメッセージを届けるにあたってたくさんの人に協力してもらいました。何人ものイスラム教徒の人たちも協力してくれました。
私たちは信じています。一人一人はお互いに理解できるし、暴力を振るいあう必要がないということを。私たちは国家とはまた立場が違うところにいます。
後藤さんの解放は、おそらくイスラム国の願う平和にも通じると信じています。
後藤さんに再開したいと思うと同時に、暴力を排したところで、暴力を使わないところで、イスラム国の人ともぜひ出会いたいと思っています。
そのチャンスをください。
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綿井健陽(ジャーナリスト・映画監督)
私は綿井健陽(わたいたけはる)と言います。ジャーナリストで映画監督をしています。
2003年のイラク戦争の開戦直前から最近までイラクの取材をしてきました。
後藤健二さんとはパキスタンやアフガニスタンで今まで何度か一緒に会ったり話をしたりしたことがあります。
世界中のみなさん。とくにアラビア語を話されるみなさんにお伝えしたいことがあります。
後藤健二さんは私たちジャーナリストの良き友人であります。
と同時に、この放送をご覧になっているすべてのみなさんの友人でもあります。
今、後藤健二さんのそばにいらっしゃる方へぜひともお願いがあります。
後藤健二さんの健康に、なんとか気をつけていただいて、ご配慮をお願いします。
そしてなるべく早い時期に後藤さんを解放してあげて、自由の身にしてあげてください。
後藤さんが無事に解放されるまで、ゆっくりとそして安全にことを進めていただきたいと思います。
この後の後藤さんの身体も心も大変疲れ切っていると思っていますので、解放された後も、世界中のみなさん、なんとか優しく見守っていただけませんでしょうか。
後藤さんがこれまで出あったすべての人たち、取材したすべての地域、国の人たち、世界中に後藤さんが願っていた平和が訪れますように、そして暴力行為がないように、私たちも願っております。
以上です。ありがとうございました。
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後藤健二さんの解放を求める緊急声明
http://www.jvja.net/JVJA_IS_Statement.htm
日本からイスラム国へのメッセージ: イスラム国により人質となった日本人ジャーナリスト、後藤健二さんの友人たちより
https://www.change.org/p/respected-leaders-of-the-muslim-faith-persuade-the-islamic-state-to-release-two-japanese-hostages?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-share_petition-reason_msg&fb_ref=Default