守田です。(20141125 23:00)

昨日、アースディしがに参加してきました。素晴らしかったです!しがのかたたち、とくにおかあちゃんたちの柔らかく、楽しく、何でも包み込んでしまうような素敵なパワーをいっぱい感じ、一日楽しんできました。
これらについてぜひ記事にしたいと思っていますが、今宵はその前に、いよいよ本格化しつつある衆議院選挙について再度、思うところを述べておきたいと思います。中心は沖縄県知事選に続こうということです。

衆院の解散が正式に行われたことで、共産党をのぞく野党が、再編や候補者の一本化などに走っています。
確かに僕も今回は与党議員に一人でも多く落ちては欲しいですが、今の野党議員の多くが実質的には「野党内自民党員」になってしまっています。
「これという投票する政党が見つからない」という人も多いかと思います。しかしだからといってせっかくの投票の権利を放棄してしまえば安倍政権への消極的な承認を与えることにしかなりません。

そのために僕が思うのはたとえ「死に票」になろうとも、今のこの時世に対してまっとうなことを言っていると思える人、これまで嘘をついてきていない人に今回は票を投じようということです。
いやそもそも「死に票」などという言葉があること事態おかしい。そんな言葉が出てくるのは小選挙区制度が間違っているからです。民意を著しく歪める、民主主義に反した誤まった選挙制度です。
この制度そのものへの抗議も含めて議席が取れるかどうかだけでは考えず、何がまっとうな意見なのかを考えて投票にいきましょう。僕はそのことで十分に投票は生きると思います。

選挙の大きな争点の一つは集団的自衛権の行使閣議決定の強行など、安倍政権の戦争政策の是非です。私たちの国はこのままでは、戦争国家へと転落してしまいます。
そのことで私たちは、アジア・中国への侵略戦争や太平洋戦争への反省の中で、世界の人々との間に作り上げてきた信頼関係をも著しく損なってしまいます。
とくに私たちはイスラム圏の多くの人々が、今はまだ私たちの国に多大な好意を寄せてくれていることを知る必要があります。アメリカに原爆を落とされながら、平和産業で復興してきた国というイメージが強いためですが、安倍政権はそれをもふいにしようとしています。

さらに重要なのは沖縄・辺野古への米軍基地建設問題です。ご存知のように沖縄ではオール沖縄共闘をはじめて実現させて基地反対候補だった翁長さんが知事になりました。
仲井真元知事の敗北で安倍政権は大きな窮地に立っていますが、総選挙で沖縄から突きつけられた声をも強引に掻き消そうとしています。その意味でも私たちは沖縄の声に応えて、安倍政権への反対票を増やす必要があります。
沖縄の心をともにして投票に向かおうではありませんか。「戦争に行くな!選挙に行こう!沖縄の心をともに・・・」とアピールして前に進みましょう。

私たちが沖縄から学ぶべきことは、今回の沖縄知事選で実現されたオール沖縄共闘の意義と素晴らしさです。
何が素晴らしいのか。この共闘の実現が、第二次世界大戦以降、長きにわたって私たちの国に支配的な力を行使してきたアメリカによる分断工作を打ち破って実現したからです。
戦後、アメリカが日本にしかけてきたことは何か。日本を属国にしアメリカの世界戦略の一環に組み入れることでした。アメリカはそのために潤沢な資金を費やして日本の保守党の政治家たちを籠絡するとともに、反米の立場に立つ勢力の分断をはかってきました。

アメリカの謀略をまとめた『CIA秘録』(ティム・ワーナ著、文芸春秋刊)という本があります。「まえがき」にこうあります。「本書は、CIAの創設から60年間の記録である。西洋文明史上最強の国が、いかにして諜報機関を作ることに失敗したのかが、綴られる。」(『同書』p9)
つまりこの書は、世界最大の諜報機関であり、スーパーエージェントを多数擁しているかに見えるCIAが、その実、いかに諜報活動や謀略に失敗しつづけてきたのかを延々と立証している曝露本なのです。
例示されている事実のソースのすべてが公開されている点でも説得力を持つ本ですが、読んでいると何とも言えなくなるのは、このCIAの無能ぶりを解き明かした本の中で、対外工作の数少ない成功例としてあげられているのが対日工作であることです。

「CIAは1948年以降、外国の政治家を金で買収し続けていた。しかし世界の有力国で、将来の指導者をCIAが選んだ最初の国は日本だった」(『同書』p177)
「岸信介は、児玉と同様にA級戦犯容疑者として巣鴨拘置所に3年の間収監されていた。東条英樹ら死刑判決を受けた7名のA級戦犯の死刑が執行されたその翌日、岸は児玉らとともに釈放される。
釈放後岸は、CIAの援助とともに、支配政党のトップに座り、日本の首相の座までのぼりつめるのである」(『同書』p178)

僕は「自虐史観」批判を繰り返している方たちにもぜひこの本を読んで欲しいです。なぜか。これまで歴史上、日本に住まう人々をもっともたくさん殺しながら、日本を「てなづけよう」としてきたのがアメリカだからです。
全国の主要都市すべてに行われた空襲、広島・長崎への原爆投下、そして沖縄への上陸戦。明らかなる戦争犯罪が行われ、ものすごい数の非戦闘員がなぶり殺しにされました。しかもアメリカはいまだにその非を認めていないのです。
その歴史から言えば「反米」「嫌米」ムードこそがこの国にあってもおかしくないのに、自虐史観批判を唱える人々は誰もアメリカの理不尽さに抗議すらしていません。むしろ日本に住まう人々の最大の殺戮者であるアメリカを褒め称えていますがそれこそあまりにも自虐的なのではないでしょうか。

なぜそうなってしまったのか。アメリカが日本の反米意識を解体しようとして、長年、さまざまな工作をしかけたからです。その際、最も活用された人物が安倍首長の祖父である岸信介元首相でした。次にあげられるのは中曽根元首相です。
米軍基地を日本に固定化する日米安保体制の基礎も岸政権のもとで固められたのでした。原発の導入はアメリカの策略のもとに中曽根氏と読売新聞が暗躍する中で行われたのでした。これらのことは繰り返し曝露されてもいます。
野党勢力にもこうした工作が仕掛けられました。アメリカが画策したのは反米を貫くものを仲間割れさせることでした。この策謀を残念ながらすべての野党もさまざまな反戦グループも打ち破れずに、分裂抗争を繰り返してきてしまったのではないでしょうか。

沖縄でもこうした分断は繰り返し仕掛けられました。基地をめぐる対立が何度も作られました。しかし沖縄の革新共闘は日本の中で唯一崩れませんでした。そして今回、ようやく保守層の中で基地やアメリカの支配に反対する人々と革新勢力が合同し、「保革対立」を越えて基地反対の声が一本化されたのでした。
沖縄の基地反対オール共闘の実現は、安倍政権を追い詰めることにとどまらず、長きにわたるアメリカの日本民衆の分断の歴史を打ち破る位相をも持っていると僕は思います。
これに対して本土はまだまだ遅れています。自民党や公明党はアメリカべったり。「普天間基地県外移設」を掲げた民主党も鳩山内閣が崩されて以降、まともにこの流れに抗することができない。その上超右派の「維新」や「みんな」など野党内保守、野党内自民党の跋扈ばかりが続いてきました。

しかし今、野党内保守としての「維新」や「みんな」はどんどん崩れているし、さらに何よりも脱原発で目覚めた私たち民衆は「革新共闘」というもはや古い言葉ではくくれないもっと広く大きな統一行動を各地で生み出しています。
ここにこれまで政治から離れていた人々の大きな合流も実現され始めています。それが全国での「金曜行動」の連続100週以上の達成を生み出し、原発再稼働をいまだに止めている大きな力となっています。
私たちは、新たに形作られつつある私たち自身の力に自信を持ち、今こそアメリカの世界戦略に組み込まれた日本のあり方を変えていく歩みを強めようではありませんか。

集団的自衛権行使でイスラム圏の人々と私たちの国が戦うなどまっぴらです。原発だってもともとアメリカに押し付けられたもの。福島で爆発したのもアメリカですでに欠陥が見つかっていたGE社のマークⅠ型原子炉でした。
今の経済不況もそう。冷戦終結後、平和産業を軸に富をたくわえていた私たちの国はアメリカに狙われ、構造調整をしかけられ、そのもとに経済をガタガタにされてきたのです。
にもかかわらずアメリカに原爆を落とされても、欠陥原子炉を押し付けられても、経済をズタズタにされても文句も言えないこの自虐的なあり方を越えて行きましょう。沖縄の心をみんなでうけとめて歩みましょう。

最後に沖縄知事選の最中に、内部被曝の危険性を訴えて全国を走り回ってきた琉球大学名誉教授、矢ヶ崎克馬さんが発したアピールを転載したいと思います。
翁長陣営はこの文章をただちに公式ホームページに載せてくれたのだそうです。今の沖縄に溢れている息吹、本土が学ぶべき心意気が溢れています。
沖縄の心を胸に頑張りましょう。戦争に行くな!選挙に行こう!

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そろそろアメリカという異民族政府の政治的・軍事的・精神的コントロールから抜け出して『主権』を発揮しませんか?
自らの『個の尊厳』を確保できるようにしませんか?
その突破口が沖縄県知事選挙「翁長勝利」です。
米軍辺野古新基地建設を許さない住民の主権の発揮について訴えます。

矢ヶ崎克馬

仲井真現知事は前回知事選挙の直前に、「辺野古誘致」から「県外」へ政策転換し「普天間・辺野古については争点はない」などとうそぶき、2選を果たしました。
「県外」は案の定、選挙票目当てでした。昨年末「苦渋の選択」という県民を配慮する言葉もなく「良い正月が迎えられる」と辺野古移設承認をしました。県民を裏切ったのです。
権力に従い、住民の意思を踏みにじって、住民にどのような犠牲が出ようが構わない、という権力政治の実践者に転落したのです。

思えば、戦後日本の政治はアメリカの言いなりから出発しました。
1952年4月28日には、沖縄小笠原・北方領土の主権を売り渡す屈辱の講和条約をむすび(安倍内閣は主権回復に日と言い、式典までしました)、同時に日米安保条約を、国民の誰一人に知らせず国会にも諮らず吉田茂首相ただ一人の調印をもって締結しました。

そもそも、首相も県知事も天皇制国家では任命により天皇の意志を実施する機関でありましたが、民主憲法下ではまさに主権者のために、主権者の命と暮らしを守るために政治を行わなければならない位置づけに変わったのに、まったく旧来の大権力の走狗そのままに、日本の首相が「印鑑をつく」という権力行為を行ったのが、戦後のアメリカによる支配の出発点でありました。
恥ずべき歴史ですが、日本の「主権」は最初から仲井真のような人間がいて屈辱の道に入ったのです。

「60年安保」で国民の大半は安保改定反対の意思表示をしました。全ての野党、圧倒的多数の国民が意思表示をしたのです。アメリカはこの「アメリカ支配の危機」を日本の支配方法を抜本的に変えることで乗り切ることとしました。いわゆるケネディーライシャワー路線です。
政権党のコントロールはさらに強化し、野党を懐柔し政権党が変わっても日米関係は同じように維持させるようにする。従わないものは孤立させる。
実行方法は、労働運動、平和運動、市民運動等々の幹部をアメリカに招待し、学者を特に大量に招待し、厚遇を与え、吹き込んで返す。分断と飴と鞭。その結果政治的共闘、労働運動、平和運動、市民運動はことごとく分断され、分裂し、力を失いました。
1980年に、以前は革新共闘として野党がそれぞれ独立に判断し共闘してきた歴史に終止符が打たれました。あらゆる県で知事選など、実施されて来た革新共闘は、沖縄を除いて不可能になったのです。

それに対して沖縄の県民の精神はアメリカに支配されず、1972年には復帰を勝ち取りました。住民の運動でアメリカと日本政府の政治枠を変更させた、日本では唯一といってよい巨大な成果です。
80年以降も沖縄県は知事選挙でも参議院選挙等でも、政党間の革新的共闘が維持され続けた唯一の県です。

今回の知事選で翁長候補は『保守・革新を超えて』「うちなーのアイデンティティー」を呼びかけています。まさに異民族のマインドコントロールにいつまでも支配されるのではなく、わが県民の主権者としての誇りを訴えています。
県民に「主権者としての一人一人の判断」の独立を訴えています。まさに沖縄の尊厳を確保した復帰闘争は個人個人の主権の発揮でした。
今回の選挙では、新しい形で県民の主権者としての尊厳を訴えています。
翁長勝利で、日本住民の主権を取り戻し、国家の主権を取り戻す突破口にもいたしましょう。