守田です。(20142019 16:00)

講演会のお知らせです。
今回は内部被曝のメカニズムについて詳しくお話しします。原子力災害対策についてもお話しします。

内部被曝のメカニズムについて、一つは明日、午後7時半から篠山市市民センターにてです。
もう一つは23日午後1時から。京都市丹波橋の市民放射能測定所にてです。

とくに市民放射能測定所での学習会の内容は、測定所代表の奥森さんとの相談の上で決めました。
というのは最近、同測定所は運営が厳しくなっています。利用者が激減しているためです。

なぜこうなるのか。福島原発事故後、100箇所以上の測定所が開設され、各地で精力的な測定がなされることに業者の側がレスポンスし、家庭で使われる食材販売における放射能汚染物の除去への努力が続いてきました。
そのためとくに西日本では持ち込み検体の多くが放射能不検出となってきています。それ自身がたくさんの測定所によって達成されてきた成果です。しかしそのこと、つまり安心の拡大が測定へのインセンティブを減らすことに結果しているのです。
これは全国の測定所に共通した悩みともなっていますが、チェルノブイリ後のヨーロッパの経験では、測定所のない地域に放射能汚染物が持ち込まれ続けた例もあり、なんとか各地の測定所を維持していくことが、私たちの生活の安全性のために重要です。

そのためには測定所側の現下の状況に対応した改革も必要ですが、僕は奥森さんや他の測定所の方々に、ぜひ測定所が、より強く内部被曝の危険性を発信する場になって欲しいと呼びかけています。

といのは測定所は、放射線値を測る場ですが、多くの測定所がその先の価値判断は利用者に任せる体制をとっています。
これは低線量被曝の危険性が、一般論として指摘できても、どれぐらいのベクレル数でどれぐらいの被害が出るという形では言いにくいからだと思われますが、僕はそこからもう一歩踏み込んで危険性を訴えて欲しいと思うのです。

なぜかとえば国際放射線防護委員会(ICRP)など、原発推進派が依拠する国際機関は、外部被曝と内部被曝の差異を認めようとせず、内部被曝特有の危険性を無視しています。
そのうえで、食品から出される放射線値のベクレル数を人体への打撃の目安であるシーベルトに換算していますが、そうすると非常に小さい値しか出てこなくなってしまうのです。
結果的に例えば今の国の基準である1キログラムあたり100ベクレルの食品の危険性が非常に過小に評価される結果を招いています。これほど小さいシーベルト数なのだから食べての大丈夫だという具合に。

これに対してもともと市民放射能測定所の多くは、低線量被曝の危険性を感じる人々によって建てられてきたものです。
だからこそ、ぜひ市民測定所に、もっと低線量被曝の危険性を踏み込んで説明して欲しいと僕は思うのです。
その意味で、ただ放射線値を測るだけでなく、内部被曝のメカニズムをおさえ、それを測定依頼者に発信していく場になることで、社会的存在意義を一段レベルアップして欲しいと思うのです。

同時に今回の講演では触れませんが、ぜひ各々の測定所が、放射能の問題だけでなく、食の安全全般を問題にし、情報発信していく場になっていって欲しいと思います。
なぜか。放射能に甘い私たちの社会は、同時に、化学物質や薬品など、食べ物に使われているさまざまな物質にも甘い社会だからです。
そうした私たちを取り巻くリスクの総体を問題にし、情報発信していく場に、それぞれの測定所が発展していくことが求められているのではないかと思います。

同時に利用される方も、ぜひ持ち込む食材の安全性を確認することにとどまらず、放射能とはどういうものか、測定とはどういうものかを知る機会として、測定体験をされてみて欲しいし、他の方にも進めていただきたいと思います。
放射能は非常に測りにくい物質です。かつ測定条件によっても大きく結果が左右されるやっかいな代物でもあります。
そのため実際に測定に立ちあって、この点の説明を受けると、様々な測定にはらむ限界も理解できるようになります。安全を宣言するために、それでは検出されることはないだろうという条件にあらかじめ設定してあったり‥などなどです。
それだけでなく、測定は目に見えない放射能を可視化するものであり、放射能に関するさまざまな知識が身につけられます。ぜひ生きた学びの場としても測定所を活用して欲しいです。

今回の20日篠山でのお話と、23日の京都丹波橋測定所でのお話は、こうしたことも踏まえつつ、内部被曝を考える上での基本的なポイントをお話したいと思います。
原子力災害対策については、おもに22日の篠山でのお話で展開します。
それぞれにお近くのみなさま。ぜひお越しください。

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2月20日 篠山市

原子力発電所で災害が起これば、篠山市はどうなるんだろう

篠山市民原子力防災学習会

福島原発では何が起きたのか。そして福島原発の今は、どうなっているのか。
篠山市においても原子力災害に備えるために、どのようなことが必要なのか。
原子力災害の特徴を知り、災害に備えましょう。

1、篠山市からの報告(19:30~19:50)
「篠山市の原子力防災対策」 市民生活部市民安全課

2、講演(19:50~21:00)
「原子力災害の特徴を知って、防災対策を考える」
守田敏也 フリージャーナリスト

平成26年2月20日(木)
篠山市市民センター

入場料無料

申込先 篠山市市民生活部市民安全課
電話 079‐552‐1116
FAX 079‐554‐2332

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2月22日篠山

丹南人権教育研究大会開催要項

(趣旨) 
東日本大震災の発生からまもなく3年が経過しようとしています。この震災では多くの被害が発生し、原子力発電所の安全神話が崩壊しました。原発災害は、篠山市に住む私達にとっても他人事ではありません。
また、平成25(2013)年は、気候の変動が激しく、篠山市では多くの水害が発生しました。
原発災害、自然災害が身近な問題となってきている近年、未来を担う子ども達と私達の大切な命を守るため、また、安心で安全な地域の構築をめざし、本大会を通して、知識と手法を考えます。

1、日 時  平成26年2月22日(土) 13:30開会 (13:00受付)
2、会 場  篠山市立丹南健康福祉センター(2階 研修室)
3、内 容   講演:『水害・原子力災害についての心得』/ 講師:守田 敏也 氏
4、参加対象  丹南地区
自治会役員、人権のまちづくり推進員、人権啓発推進員、学習推進員 人権擁護委員

5、主  催  丹南人権教育研究大会実行委員会
  共  催  篠山市 篠山市教育委員会 篠山市人権・同和教育研究協議会
        柏原人権擁護委員協議会篠山地区委員会

6.日程
時間 スケジュール  
12:30 会場準備 自治会長会代表 丹南地区職員会 人権推進課       
13:00 受付 人権推進課
13:30 開会 (司会)味間地区自治会長会 会長 波多野 恭守
  開会あいさつ 実行委員長 西潟 弘
  共催あいさつ 人権推進課
来賓あいさつ 丹南地区在住篠山市議会議員 代表
13:40 講演 守田敏也 氏 (フリージャーナリスト)
15:10 質疑応答  
15:30 閉会あいさつ 篠山市人権・同和教育研究協議会

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2月23日 京都市丹波橋

守田敏也さんとの勉強会(第2回)

◆日時  2014年2月23日(日)午後1時~3時

◆場所  京都市民放射能測定所(丹波橋測定室)
   http://nukecheck.namaste.jp/image/map.gif

◆テーマ 内部被曝について

◆プログラム (1)事務局から
       (2)守田敏也さんのお話、問題提起
       (3)質疑応答・意見交換
       (4)お知らせ、お願いなど

◆参加費 測定所会員800円、一般1,000円
参加費が改定されていますので、ご注意ください。

◆申込  定員は20名です。
     参加希望の方は、メールで申込をしてください。
     申込先 shimin_sokutei@yahoo.co.jp

○第1回勉強会に寄せられた感想は、測定所ブログ
 http://crmskyoto.exblog.jp/21567756/
 にアップしております。