守田です(20220320 23:30)

ロシアのウクライナ軍事侵攻に対する国際法律家協会(IADL)が3月8日に発した声明を前回ご紹介しました。

国際民主法律家協会(IADL)の声明を支持します! 平和への道を見いだそう! 明日に向けて(2175)
https://toshikyoto.com/press/7303.html

今回はこれへの僕の考えを述べます。

● ロシアの侵略もNATOのロシア圧迫も間違い

IADLはロシアの行為を「国連憲章第51条の下でロシアがウクライナに対して行った軍事行動を法的に正当化することはできない」「自衛を主張する根拠がない以上、ロシア軍による行動はウクライナの領土保全に対する違法な侵略であると述べ」、ただちに軍隊を徹底することを要求しています。
ロシアは東部の二州を国家として承認し、相互援助協定を結び、集団的自衛権を主張して侵攻してきましたが、IADLは「集団的自衛権の行使」を理由とした攻撃をまったく認めていません。

同時にIADLは「米国とNATOは、10年以上にわたってロシア連邦に対して極めて挑発的な振る舞いを行ってきた。 2014年、米国政府は、著しい超国家主義者やネオナチ勢力を含むマイダン運動を支援し、ウクライナの内政に大きく関与した」とも的確に述べています。
さらに「NATOは、国連憲章に違反する違法な組織である。国連憲章は、紛争の平和的解決において国連を支援することができる地域連合を認めているにすぎない。NATOはそのような組織ではない。
NATOは軍事同盟であり、その軍隊はセルビア、イラク、アフガニスタン、リビア、シリアなど多くの事例で攻撃的な目的のために使用されてきた。他国に対する武力行使は、武力攻撃に対する自衛の場合、または安全保障理事会の承認がある場合を除き、禁止されている」とも述べています。

僕は今回の事態に対して「ロシアのウクライナ軍事侵攻反対」と叫んできましたが、この声明の趣旨に基づき、「ロシアのウクライナ軍事侵略反対」と言葉をあらためようかなとも思います。しかしNHKが独自の判断で「侵攻」との表現を続けているので、この点はもう少し考えてみます。
僕は同時に、攻撃的な軍事同盟であり、戦争を繰り返してきたNATOもまた国連憲章違反であること、米国とNATOが、ロシア連邦に挑発的な振る舞いを行ってきたことなどを、やはりこの声明の趣旨にもとづいて、もっと強く批判していこうと思います。

アスリートも懸命に戦争への抗議を繰り返してきた

● 大事なのは各国で、自国政府に「戦争を止めよ。そのために行動せよ」と促すこと

またIADLは「国連憲章は、加盟国が憲章を遵守し、攻撃的な行動をやめるよう圧力をかける方法として、安全保障理事会に加盟国に対する経済的強制措置を課す権限を与えている。 これらの措置は、安全保障理事会だけが合法的に課すことができる。憲章は、加盟国がこのような強制的な措置を一方的に課すことを認めていない」と述べています。
いまは、国連安保理の決議を経ずに「経済制裁」などが行われていますが、「このような強制的な措置を一方的に課すこと」を国連憲章は認めていないとも指摘しています。
「このような一方的な強制措置は違法であるだけでなく、状況を悪化させ、最も重要なことは、最終的には現場の民間人の生活と福祉に影響を与えることになると、私たちは主張する」と言うのです。これも素晴らしい。

これをどう受け取れば良いのか。大事なのはこうした考え方に基づき、それぞれの国の民衆が、自国政府に対して戦争を止めるように、戦争への関わりを止めるように、話し合いでの解決に舵を切るように、促すことです。
とくに日本は西側の大きな国の中で、この戦争への武器供与を行っていないまれな国です。といっても「自衛隊の防弾チョッキを除いて」と言わねばならなくなってしまって残念ですが、それでもまた両者の戦闘に、積極的な協力をしていません。
だからこそ日本が仲介に乗り出すべきです。丸腰国家、日本が戦争の間に入り、戦火を止めさせるべく努力するべきです。それが平和憲法をいただく国としての使命だと政府に迫りましょう。

話し合いによってこそ、戦争を終わらせましょう。戦闘が長引いたのちに、どちらかの軍事的勝利によって終結するのではあまりに悲惨です。
だからこそ、ロシアの侵略もNATOの軍事的圧迫も許さず、戦争を終わらせましょう。戦争を止めましょう。
日本政府はそのために行動せよと叫び続けましょう。

そもそもすべての武器が楽器になれば戦争はできない。「そんな話はお花畑」と語る軍需産業にご用心 写真は高知平和資料館・草の家HPより

#ロシアのウクライナ侵攻は国連憲章違反 #ロシアのウクライナ侵略を許さない #NATOのロシア圧迫を許さない #NATOの存在も国連憲章違反 #ウクライナ民衆を助けよう #ウクライナ兵もロシア兵も撃つな #国際民主法律家協会


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