守田です(20220124 22:00)

● 連合が共産党と連携する候補者を推薦しない方針を決定!立憲のみなさん。正念場です

夏の衆院選に向けて、連合が共産党と連携する候補を推薦しないとの方針をまとめたそうです。「『なんて乱暴な』立憲幹部は絶句 連合の野党離れ、なくした政治の軸」と朝日新聞が記事にしました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3aaa31bfad55ea5a719ef1c072471b436fb86c29

記事では、これに続いて、立憲幹部が「『なんと乱暴な』と絶句し、『今までのような共産との連携はできなくなり、新しい方法を考えないといけない。これで得をするのは自民党だけだ』とこぼした」と書かれています。
いやいやいや。立憲幹部のみなさん。「絶句」するほど乱暴なお相手に付き合っていてはダメです!しっかり筋を通してください。正念場です。

連合の「乱暴な」方針を報じる朝日新聞

● 連合会長の共産党批判の狙いは野党共闘から脱原発の旗を降ろさせること

なぜ連合会長はこれほど共産党批判を繰り返すのか。連合の立場から見てみましょう。答えは明白、前回衆院選の前にかつてなく原発批判のムードが高まりつつあったからです。
一つにここ数年、原発での「不祥事」が繰り返され、電力会社不信が高まっていたこと。裁判でも原発の運転を認めない判決が相次ぎ、避難者裁判でも国と電力会社の責任が次々認められています。

一方で黒い雨訴訟勝利により、被曝被害が過小評価されてきたことが大きく明らかにされました。しかもそんな時に自民党総裁選に原発批判を語る河野太郎氏が立候補し、初めて原発の是非が与党の論議の俎上に上ってしまった。
「このままでは脱原発の動きが加速する!」 電力会社と一体化している連合は、ものすごい危機感から、まさかの人事で女性会長を登場させ、「感情的な」共産党批判を始めたのです。野党共闘から脱原発の旗を降ろさせるためにです。

規制委員会が柏崎刈羽原発の相次ぐ不祥事に耐え切れなくなり運転禁止命令を発令 2021年4月14日

● 連合は電力会社が「事故は防げない」と思っていることを知っている

実は連合の危機感にはもっと大きな問題が介在しています。まずこの間、電力会社を観察していると、事故対策を真面目にやろうとしていないことが分かります。どうやっても過酷事故を防げないことを知っているのです。
それで例えば西日本の電力会社は、福島原発事故後、10年間もベント設備を作らなかった。特定重大事故等対処施設(テロ対策施設と呼ばれる)とされたものですが、それで全ての原発が期限切れで一度、止まりました。

その後、わずか一年ぐらいの突貫工事で「完成」したと運転に復帰しているのですが、どこも短期間でできていますから手抜き工事なのは明らか。しかももっと早く作れたのに作らなかったことにも、無駄だと思っていることが現れています。
電力会社の現場で働いている連合組合員が、この実情を知らないはずがない。そもそも現場は士気もモラルも低下している。他人のIDカードで運転室に入室したり、センサーが数年壊れていたことを放置したりしている。

美浜原発もベントなどが完成しないまま強引に4ヶ月稼働した後に停止 2021年10月23日 カンテレ

● 次の核事故が見すえられている

ここには重大な問題があります。電力会社は明らかに次の事故が不可避と思っているのです。さらに原子力マフィアは「放射線災害復興学」という事故後を考えた学問すら立ち上げ、被曝は危険ではないというキャンペーンを繰り返している。
実はそれで多くの連合傘下の労働者も、岐路に立たされているのです。このまま原発の危険な状態を見てみぬふりをして、犯罪に手を染めるのか。今こそ、内部告発などに走るのか。

連合幹部にとって一番恐ろしいのは、原発が事故を起こすことではなく(それなら自ら止めに走ります!)、事故で連合の存在意義がなくなること。電力会社と共に連合にも批判が集中し、労働者が原発反対に走りだすことです。
しかもその時、原発反対をしっかりと掲げた市民と野党の連合があったらもの凄い脅威。たちまち連合は形をなさなくなります。だからこの点も見すえて、組織の存亡をかけ、共産党を批判しつつ、脱原発を降ろさせようとしているのです。

守田講演スライドより

● 連合のだましに乗らず「危険な原発止めて」と大きく叫ぼう

そこで扱われているのが気候変動問題。例えば「代替エネルギーを促進して原発ゼロに。温暖化ガスも削減しよう」なんてスローガンに代えさせようとしている。
しかしそれでは代替エネルギーが促進されるまで原発が必要となってもしまいます。違います。そもそも原発問題はエネルギー問題ではないのです。安全問題なのです。「原発ゼロは理想」もウソ。だってとにかくリアルに危険ですから。

実はこの流れは連合だけが作っているのではありません。世界的にも気候危機を煽りながら、原発が必要だとの論が起こっている。しかしかりに気候が大変動しても日本列島は沈みません。原発は東西サイトの事故で日本を壊滅させてしまいます。
だからいま、私たちはもう一度、「危険な原発止めて」と大きく叫びましょう。それこそ連合傘下の労働者にも「社会を守ろう。命を守ろう。自らの意志で投票しよう」と呼びかけましょう。連合のだましを越えて、原発ゼロの道を力強く進みましょう!

原発は一つのサイトの過酷事故で日本の半分を壊滅させる

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原発はエネルギー問題ではありません。放射線被曝の危険性をしっかり把握しようー『放射線副読本』読み解き会をあなたの周りで 明日に向けて(2145)
https://toshikyoto.com/press/7097.html

昨年12月に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。

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