守田です(20210207 22:00)

柏崎刈羽原発の中央制御室不正入室問題の続報です。

● 規制庁は直後から不正を知っていた-保安規定変更案了承を取り消すべきだ

問題は再稼働を目指していた柏崎刈羽原発において昨年9月20日に発生しました。原発の心臓部である中央制御室に職員が他の職員のIDを黙って持ち出し入室したのです。
中央制御室は操作を間違えば破局的事故を招きかねない場ですし、意図的な破壊行為すら画策できる場です。だから当然にも厳しいセキュリティが問われる場なのに、やすやすと自分のIDのないものが入れてしまっていた。
それ自身が大問題ですが、今回明らかになったのは、東電がこの件を翌日21日に原子力規制委員会の事務局を担う規制庁に報告していたのに、規制委に報告せず、更田委員長が知ったのが本年1月19日だったことです。


柏崎刈羽原発不正入室問題で規制庁が情報を止めていたことを報じるNHKのテレビ映像より

つまり問題は東電職員の中央制御室への不正入室だけではなかったのです。重大な不正が規制庁から規制委員会へと伝えられていなかった。うっかりミスなどとはとても言えない。意図的に伝えなかったとしか考えられません。
なぜかというと、この重大な不正に関する情報が規制委員会に届けられないままに、9月23日に規制委員会が行われ、事業者が自ら守るべき安全上のルール「保安規定変更案」への了承が行わて、原発を動かす「適格性」が認められたからです。
不正入室は「保安規定違反」そのものですから、これが伝えられていればとても了承できず、「適格性」は認められなかったはず。これらの点から、当然にもこの了承は即刻取り消されるべきです。


入室問題の流れを示した新潟日報の紙面より

● 規制庁-規制委員会は許認可の権限を返上すべきだ

さらに今回の問題では、原発再稼働に許認可を与えている規制庁-規制委員会の合法性が大きく問われています。
保安規定を話し合っているまさにその時に、保安に関係する重大情報が意図的に伝えられなかったのだからです。当然にも同一事例や他の不正がこれまでなかったか、過去にさかのぼっての点検が必要です。
またそれがすむまでは、これまで出されている再稼働の認可をすべて取り下げるべきです。それほどに、保安上の重大不正が意図的に伝達されなかったことは大きな問題です。

規制委員会東電に「厳正に対処」すると語る一方で、自分たちの問題を8日に臨時会議を行って調べるとしていますが、原発内で起こった重大な事態をなんと3か月も把握していなかった自分たちのあり方にも「厳正な対処」が必要です。
再稼働の許認可において、肝心なセキュリティの問題を把握していなかったのですから規制当局としてまったく失格で、許認可権限そのものを返上すべきです。
繰り返し述べてきたように、こうしたことはもともと新規制基準が、ウソとごまかしと隠ぺいの積み重ねでできているから起こる構造化された問題なのです。危険な原発をモラルを欠いた規制当局と電力会社が動かしている現状を即刻止めましょう。


不正入室問題で「東響電力の核セキュリティ-教育が果たしてどうだったのかという話には当然なるだろう」と語る更田規制委員長。では規制庁の問題はどうなるのか?ANNの報道より

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