守田です(20210202 23:30)

● 東海第二原発の「安全工事」が進んでない・・・

前号で東海第二原発の避難計画が破綻していることを書きました。その後、そもそも再稼働の前提になる「安全工事」が進んでおらず、「再稼働の道のりは厳しい」状態にあることを報じる記事が出ました。ご紹介しておきます。

東海第二原発、安全工事の契約妥結できず 再稼働に影響
朝日新聞社 2021/02/01 05:00
https://digital.asahi.com/articles/ASP105RL5P14UTIL02V.html?iref=pc_ss_date_article

記事はこう報じています。
「再稼働のための安全対策工事をめぐる原電とゼネコン3社の契約交渉が、交渉開始から2年以上を経ても妥結していないことが複数の工事関係者への取材でわかった。この影響で、2022年12月とされる工事の終了予定が延びる可能性がある。 原電は工事費を約1740億円としているが、ゼネコンの見積額はこれを上回っており、大幅な増額となる見通しだ。予定通りに工事が進んでいないことに加え、周辺自治体から再稼働に必要な事前了解が得られるかも不透明な状況で、再稼働への道のりは厳しい。」

「安全工事」とかっこを付けて書いたのは、これらの多くが、新規制基準で求められているもので、重大事故を避ける設備と共に、重大事故起こった時に対処する設備であって、安全を確保するものとは到底言えないからです。
しかしそれですら大変なコストがかかる。原電は約1740億円としていますが、指名されたゼネコン6社が出した見積もり額は2500億円以上で、妥結できてないそうなのです。
記事は、ゼネコン関係者が「原電は工事費の積算や交渉の実務能力に乏しい。原電の提示額が実態に合わず、工事は終了予定に間に合わない可能性が高い」と話したことも伝えています。


東海第二原発で行われいてる工事 朝日新聞より

● 民衆の頑張りこそがこの事態を引き寄せている-このまま廃炉にしよう!

この事態を生み出しているものは、私たち民衆の頑張りです。どういうことかと言うと、たくさんの方が福島原発事故で原発の危険性に目覚め、同時に「自分が無関心でいたことがこの事態を招いた」という反省の上に大きな声を挙げだしました。
この高まりに対し、原子力推進派は応せざるをえなくなり、それがレギュレーションの強化に結びつきました。日本だけではありません。どこの国でも強化なくして原子力政策を進められなくなりました。
しかしそれだけでどこでも原発建設のコストが大幅にアップしてしまいました。このため安倍政権が結んだすべての原発輸出計画が破綻。この中で東芝の経営が傾き、が破産的事態に。原発からは完全撤退しました。

また日本の中でも「新規制基準」が作られましたが、これでもまた大きなコストがかかるようになってしまいました。
繰り返し述べるようにこの基準は「重大事故が起こらないと言ってきたのが間違い。これからは重大事故が起こったときへの対応を考える」との考えに立つもので、安全性を確保したものではありません。
いやそもそもどんなにコストをかけても安全性の確保ができない欠陥プラントが原発です。しかし安全性を確保しきれない設備でも巨額になってしまい、東海第二でも工事の契約ができずにいるのです。

さらに記事はもう一つ、重要なポイントを書いています。「原電は昨年1月、安全対策工事の終了予定を21年3月から22年12月に延期。再稼働もこの時期と明記した書類を周辺6市村に示したところ、「容認できない」と反発を招いた。」とのこと。
工事が進捗しないだけではなく、地元の合意も進んでいないのです。原電はこんな状態の中でコストをかけて工事を進めるかどうか、経営判断が問われているでしょう。
だから民衆の側がさらに「再稼働をやめてこのまま廃炉に」という声を高めることが大事なのです。効果もあります。みんなで声を高めて東海第二原発をこのまま廃炉にしましょう!


2019年11月16日、「STOP!! 東海第二原発の再稼働 いばらき大集会」後のデモ 水戸市にて 東京新聞より

#東海第二原発 #このまま廃炉に #安全工事の契約妥結できず #原発再稼働反対

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