守田です(20210103 21:30)
● 2021年、世界を平和にし、環境を慈しんでいくムーブメントを進めたい
2021年が始まりました。
いま世界はコロナ禍の中にあります。コロナをどう捉えるにせよ、世界の人々が同じ災厄の中にあり、同じように苦しんでいることは間違いないことです。
みなさんの昨年はどんな日々だったでしょうか。どんなしんどさがあったでしょうか。反対にどんな歩みを深められたでしょうか。
アフターコロナがいつ訪れるのか。誰にも予想はできませんが、この世界共通体験の中から新たな可能性をみんなで拡げたいものです。
僕はやはりアフターコロナの中で、世界を平和にし、環境を、人を、もっと慈しんでいくムーブメントを広げたいと思います。
そのためは現代文明の捉え返しが必要です。とくに核体系を頂点とする現代の暴力と、そのもとでの地球環境の破壊に向き合っていきたいです。
「科学と生産力の発展こそがバラ色の未来を約束する」と核心しながら、地球を破滅させうる兵器を量産し、環境破壊を繰り返してきた現代世界の矛盾を越える可能性をつかみたいです。
見事に空間をシェアする木々たち 自然の神秘の力に学んで歩もう 京都東山にて守田撮影
● 核兵器禁止条約の拡大、豊富化から進めよう
どこから始めるのか。色々なアプローチがありますが、僕は1月22日に発効する核兵器禁止条約を広げつつ、内容を豊かにさせるところからではと思っています。
核兵器がはじめて炸裂したのは1945年7月、米国ニューメキシコ州トリニティサイトにてでした。その後に広島と長崎が核攻撃され、激甚な被害が発生しました。
しかもその後に核保有国が繰り返し核実験を強行し、世界中の人々を被曝させたし、核施設からの汚染や、核廃棄物でも被曝させました。
最初のヒバクシャはウラン鉱を自らの大地から掘らされ、奪われた先住民族でした。核実験も多くが先住民族の地や旧植民地で行われました。核体系は現代の差別・抑圧構造とも強くつながっています。
その上、核戦略の維持のために、被曝影響がすごく小さく見積られてきました。実際には生じている遺伝的影響もないものとされてきました。核兵器体系は、ウソとごまかし、偽造、隠ぺいのオンパレードで推進されてきました。
「核兵器禁止条約」はこの核兵器を持つことそのものを、初めて正しく犯罪と捉えた国際条約です。ぜひとも広げたい。かつまた豊富化したい。
核兵器禁止条約をめぐる保有国と非保有国の立場 ストックホルム国際平和研究の推計 2014年
● 被爆と被曝の実相をもっと明らかに
そのためには非常に小さく見積もられてきた被爆、そして被曝被害の実相を、これまで以上の情熱で調べ、捉え、伝えていくことが大切です。
なかでも大事なのは、放射線被曝の影響を小さく見せるテクニックとしての、内部被曝隠しに立ち向かっていくことです。
同時に隠された被害としての遺伝的影響の実相を、民衆の側から明らかにしていくことが大事です。
この点で昨年の「黒い雨」裁判一審勝訴は画期的でしたし、国による広島県と市への控訴の強要に対し、福島原発事故避難者が、被爆者・被爆二世と共に声を挙げたのも画期的でした。
こうした連携をさらに強めましょう。この時の週刊金曜日の記事をご紹介しておきます。
「黒い雨」裁判で原爆と原発のヒバクシャ共闘 控訴撤回申し入れ
週刊金曜日 2020年10月23日配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e0f575d4c49c0b460f5299c9716bbd1a0dfd05e
厚労省健康局の幹部らに抗議声明を読み上げる福島からの避難者の熊本美弥子さんや被爆二世の森川聖詩さんら 週刊金曜日より
これらと連動しつつ危険を承知で動かされている原発を止めていくこと。また核のゴミの行方をウォッチし、安易な処分を許さないことを進めましょう。
核の問題は国境を大きく越えて広がっていて、だからこそ人類の共通課題です。国際的な連帯とそのための世界に向けた日本からの発信を強化しましょう。
さまざまな意味で平和を拡大すること、地球をもっと素晴らしい場にすることに、みなさんと尽力したいです。
どうか今年もよろしくお願いします。
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