守田です(20181031 23:30)

●自死について・・・

少々唐突ですが自死について述べたいと思います。
僕が参加しているあるMLの中で、ある方が「最近、自殺現場によく遭遇している。何が起こっているのだろうか。どう捉えたら良いのだろうか」と書かれていてどうしてもお答えしたくなり書いた一文です。今宵、多少手を加えて投稿します。

〇〇様

自死について述べたいと思います。最近、僕も電車で移動中に先行の列車の自死と思われる事故で数時間遅れることに遭遇しました。
事件が起きたと思われる場を通過するときに祈りを捧げましたが、事故があったこと、電車が遅延することは繰り返し車内放送で知らさせるものの、当事者の方がどうなったのか、生きているのか否かも伝えてもらえませんでした。
それで生きておられるならどうか早く治ってくださいとお祈りしましたが、なんというか人が亡くなったかも知れないのに、電車がどれだけ遅れるかにだけにしかフォーカスしないあり方に悲しい気がしました。

● 自死は2003年約3.4万人から2017年約2.1万人と減ってはいるが自死率はまだまだ高い!

さてそれで自死そのものですがピーク時の2003年が約3.4万人だったことに対して、2017年は約2.1万人と、このところ減少傾向にあるとされています。
それでも1日平均58人もの方が亡くなっているのですから大きな社会矛盾です。この点については以下の統計をご覧ください。
https://www.jiji.com/sp/graphics?p=ve_soc_tyosa-jikenjisatsu

世界の中の自死率比較を見てみるとある統計で日本は上位の13位となっています。OECD参加国に限ってみると1位韓国に次ぐ2位でやはりとても高い。
ちなみに日本は他殺される可能性はOECDの中で一番低く、アメリカの十分の一、メキシコの三十分の一で、その点での安全性は高い国です。
しかし自死率はとても高いのです。各国の順位を掲載した上で、それぞれの国の自死殺率の高さの要因をさぐった記事をご紹介しておきます。
http://english.cheerup.jp/article/5223?page=1

ただしこれらの統計にはより多くの数である「不審死」が含まれておらず、この中に自死が含まれうることを考えればもっと格段に多いはずだという声がネットに挙げられていることも紹介しておきます。
確かにそうなのかもしれません。しかし僕の調査ではこの点を裏付ける正確な情報を得られませんでした。

● 日本の自死率が高いのは完璧を求めすぎるからではないか?

これらにはさまざまな要因がはらんでおり一概に論じれない問題も多い。新自由主義のもとでの競争で人々が追いつめられているのは確かですが、それだけではとくに日本が高い理由が見出せない。では何が要因なのか。
あくまでも推論にすぎませんが、僕は日本の自死の多さは、日本社会が人々に完璧さや真面目さを求める度合いが他国よりはるかに高いことに要因をおいているのではと思えます。
その結果、多くの人々が実に低い自己評価をしがちなことに少なくとも1つの要因があるのではないでしょうか。

これに新自由主義のもとでの自己責任論というばかげた屁理屈が追い打ちをかけています。
自己責任論は多くの場合、本来社会の側に原因のあることを本人のせいに転嫁する卑劣なレトリックとして使われています。

と言っても完璧さや真面目さを求める志向性の全てが否定されるものではなく、それが高い職人意識などを形成し、芸術、芸能、工芸などさまざまな点で優れたものを生み出す原動力の一つにもなっているのも確かです。
しかし他国に比べた場合、それがこの国の生きづらさにつながり、新自由主義のもとで強まっているのではないかと思えます。

続く

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