守田です(20181014 23:30)

京都市左京区養徳地区で配られている月刊紙『ようとく』に連載中の「原発から命を守るために」の4回目をお届けします。
なおこの原稿は9月6日の北海道胆振東部地震のすぐ後に書いたもの。今回の掲載にあたり、少しだけ加筆しました。

原発から命を守るために―4北海道地震と原発

● 海溝型地震-南海トラフ地震に備えよう

大災害が続いています。原発との関係で怖いのは地震で、この連載の初めでも6月大阪北部地震など「ひずみ集中帯」地震が多発していることを指摘しました。
この国は地球を覆う10のプレートの4つがひしめき合う世界有数の地震地帯。列島が乗っている北米・ユーラシア両プレートの下に海側から来る太平洋・フィリピン海両プレートが潜り込んでいます。
このとき一緒に巻き込まれた陸のプレートが跳ね上がって起きるのが海溝型地震で東日本大震災がそれでした。静岡以西では東南海トラフ地震がいつまた来るか分からない状態で、命を守る対策を幾重にも重ねておく必要があります。

● ひずみ集中帯の上にある原発はもう絶対に動かしてはならない

一方、こうして海側から押されることが列島に「ひずみ」を作り、それで起こるのが「ひずみ集中帯」地震で9月6日に北海道で起こったマグニチュード7(厚真市)の地震もそれでした。
実はこの仕組みが分かったのは1995年の阪神大震災後。GPS機能が発達し精密な地震観測が可能になったためですが、この国の原発のほとんどはそれ以前に、つまり「ひずみ集中帯」など知らずに作られ、危険地帯の上に幾つも建てられてしまっているのです。
今回、北海道が大停電してしまったのも根本的には「ひずみ集中帯」の上に北海道の電力の半分をも賄う火力発電所が置かれていて、地震で壊れてしまったからです。これが原発だったら福島のような事態になりかねませんでした。
これらから言えることは「ひずみ集中帯」にある原発は絶対にもう動かしてはならないということです。京都直近の福井の原発銀座も「ひずみ集中帯」の上。「あまりに危険なので止めよ」の声を高めましょう。

続く