守田です。(20120804 23:30)
「明日に向けて」が7月1日の段階で501回に入り、今日の段階で520回を迎えました。それ以前の「地震情報」を46回出していますので、現在566回を数えることになりますが、ともあれ500回を越えたことは自分でも感慨深いものがあります。
本当はこの段階で何かコメントを書こうと思ったのですが、6月末の、ドイツのお二人と広島から東京へと同行した行動のこと、その後の大飯原発再稼働反対運動へのコメント、そして7月中旬からの岩手県大槌町から山形・米沢・会津若松の訪問が続き、書く余裕が持てませんでした。
ようやく少し講演の手があくなかで、今日、400回から520回を自分なりに振り返り、この間の講演や訪問などをまとめることができました。そしてそれらをもとに、みなさんに、再度、カンパの要請の呼び掛けをさせていただこうと思います。
この3月から7月の行動は、僕自身にとってそれまでの行動よりも質の変化の上に重ねてくることができたものでした。それは一つには講演に呼んでいただく機会も、呼んでいただける地域も大きく拡大したことに現れています。とくに5月から7月にかけて行った講演・司会は43回。2日に1回近いペースで、いろいろな地域を駆け巡らせていただきました。
同時に自分なりには、「がれき」問題の切迫性の中で行われ西日本各地の集会や、福島・宮城・岩手・山形においての、それぞれの切実な放射線防護の必要性と結びついた講演活動を積み重ねてくることができたように思っています。僭越ですがそれぞれの場のみなさんに何がしかの貢献ができたように思います。
違った言い方をするならば、それぞれ、僕を呼んでくださったみなさんが単に知識を求めて集会を行ったのではなく、知識を糧に行動されていった。僕が提供したものを自由に取り込んでくださり、血に肉にかえてくださって、それぞれのパワーに変えていかれた。そんな質の高い交流の積み重ねを本当にたくさんの場でできたように思うのです。
何というか、そこには私たち民衆の覚醒の過程、私たち民衆が力を得ていくこと、デモス(民衆)のクラチア(力)を拡大していく素晴らしい息吹がありました。しかもそれは急速に育ちつつある。おそらく日本中でこういうことが起こっていて、それが首相官邸デモなどにもつながっているのだという実感が僕にはあるし、そのささやかな一翼を僕も担うことができたのだと自負しています。とても喜ばしいことです。
こうした活動が可能になったのは、みなさんが繰り返し、カンパをしてくださり、またさまざまな活動で僕の行動を支えてくださったからです。みなさんの全てのサポートに対して、心かの感謝を述べさせて頂きます。
ここからぜひともさらに前に進みたい。大きく問われるのは、脱原発運動そのものの深化・発展・拡大と、それに密接に絡むものとしての放射線防護活動の深化・発展・拡大です。前者では首相官邸前行動や大飯原発再稼働反対現地行動などにみられる直接行動をさらに強化することや、ようやく産声をあげた緑の党を育てていくことなどがありますが、これと同時に、現に今、膨大に漏れている放射能への対策も強化していく必要がある。
僕自身はとくに後者を担うことを自分の役割と考えているわけですが、そのためには第一に、放射線防護の理論的・科学的・思想的内容をさらに前進させることが必要だと思っています。この点では6月に大変刺激を受けたECRRが切り開いてきている地平を完全に我がものとする形で学び、発展させていく必要があります。そのことでICRP批判の地平をさらに大きく高める必要があるし、それが可能だと思っています。
第二に、こうした地平にたちつつ、放射線計測の市民的質をアップしていく必要があります。とくにこの間の幾つかの市民測定所の優れた実践に学び、それを市民相互が共有し合っていくこと、ないしはその可能性を大きく拡大することが問われています。これをすでにこの領域をリードしている方たちに学び、結合して進めていく必要がある。
第三にさらにこうした作業をより高度に組織化していくことが必要です。といっても上から何かの組織的なものをかぶせていくのではありませんが、個人の努力の枠を越えた有機的な連関を作り出していくこと、例えば市民測定所の連関であるとか、土壌調査・尿の調査の市民的組織化であるとか、そうした面での市民活動相互のリンクをもっと強めていくことが大切だと思います。
第四にそれを健康被害調査にまで広げていく必要がある。そのための有効な調査方法、データ収集のあり方そのものを開発し、進めていくことが必要です。より正確に言えば、上述のものも含めて、すでに多くの方たちが着手しているそれらのことをより組織的に進めるということです。
第五にこうしたことを可能とする何らかの組織的動きを強めることが求められます。僕はそのひとつが「市民と科学者の内部被曝問題研究会」を発展させていくことだと思っていますが、それ以外にも可能なあらゆることにチャレンジしていく必要があると思っています。その中には新たなメディアの立ち上げへの挑戦、新たな冊子の発刊、新たな本の執筆などなども含みます。実はすでに各方面から話が舞い込んできているので、それらを足がかりにできることを考えようと思っています。
ともあれそれらに可能な限り尽力することで、私たちの国の放射線防護活動の質を格段に上げていくこと、そのことに僕は自分の全精力をつぎこんでいこうと思います。
そのためには資金が必要であり、みなさんにお力添えを訴えようと思います。これまでの僕のカンパの訴えは、我が家の経済状況の苦境に関してのもので、われながら悩ましい思いでの発信とならざるをえませんでした。その状況が抜本的に変わったわけではないのですが、しかしこの間、講演回数が大きく増えたこと、また同時に謝礼も増やしていただけたことなどにより、何とか生活を回すことは出来始めました。またこの点は、さらに資金獲得のためにも、有効な冊子を作るなどして、展望を広げたいと思っています。
ではなぜカンパを訴えるのか。何よりもこうした活動をさらに拡大するためにです。とくにもっと頻繁に東北・関東との往復をしていく必要がある。もっと頻繁に各地に赴き、調査を行い、交流を行い、記事を書き、それで各地をつなげていく必要がある。とくに重要なのは福島県のみならず、岩手、宮城、山形などなど東北各県への関わりの強化です。ここから大きな声があがってこそ、私たちの国の放射線防護は抜本的な強まりを見せていくことができるようになる。それは脱原発の声にそのまま連なるものになりますが、そのための活動資金を求めたいのです。
繰り返しのカンパ要請ですが、今回は気がひけるなどとは言わずに、積極的にみなさんにサポートをお願いしようと思います。必ずそれを放射線防護活動の発展につなげますので、みなさま、どうかよろしくお願いいたします。振込先を以下に記しておきます。
振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関からのお振り込みの場合は
店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金
口座番号 2266615
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2012年2月中旬から2012年8月4日までの歩み
【2月】(15日以降)
2月15日 国際婦人年で講演
2月18日 「あすのわ」で講演(滋賀県大津市)
2月25日~27日 福島市内にて放射能除染回復プロジェクトに参加
2月合計で講演5回演説3回
福島市内訪問
【3月】
3月1日 給食人サークルで講演(京都市東山区)
3月6日 『内部被曝』岩波ブックレット上梓
3月9日 岩波書店『世界』4月号に「放射線防護に市民と科学者が立ち上がった」を掲載
3月10日 ばいばい原発310京都に参加
3月11日 映画『バベルの塔』で講演(京都市同志社大学)
3月15日 修学院児童館で講演(京都市左京区)
3月18日 北区母親大会で講演(京都市北区)
3月25日 高木基金放射線測定室講習会に参加
3月27日 『内部被曝』出版記念会で講演(京都市伏見区)
3月30日 福島大学荒木田さんと対談(京都市下京区)
講演・対談6回 デモ参加1回 講習会参加1回
『内部被曝』岩波ブックレット上梓
「放射線防護に市民と科学者が立ち上がった」(『世界』)執筆
【4月】
4月1日 肥田さん修学院講演会に参加
4月2日 肥田さん本願寺講演会に参加
4月5日 京丹波果歩果歩にて講演(京都府京丹波町)
4月8日 京都測定所オープン講演(京都市伏見区)
4月14日 小水力シンポジウムに参加(京都市)
4月15日 四日市ハハ山イベントで講演(三重県四日市市)
4月21日 映画『子どもたちの夏チェルノブイリ福島』で講演(京都市みなみ会館)
4月22日 「市民と科学者の内部被曝問題研究会」設立総会・講演会に参加(東京都)
4月28日 同志・安藤栄里子さんとのお別れ会に参加
4月29日 「がれき」問題学習会に参加(京都市左京区)
講演4回
内部被曝問題研常任理事、広報委員長、総務企画委員に就任
【5月】
~「がれき」問題で連続講演~
5月5日 関西電力京都支店前行動に参加
5月7日 キッチンハリーナにて講演(京都市左京区)
5月8日 篠山市市民センターにて講演(兵庫県篠山市)
5月9日 たかつかさ保育園にて講演(京都市北区)
5月10日 近江八幡にて講演(兵庫県近江八幡市)
5月10日 キッチンハリーナにて講演(京都市左京区)
5月11日 尾道にて講演(広島県尾道市)
5月12日 ひまわり保育園にて講演(京都府綾部市)
5月12日 保育園保護者などに講演(京都府綾部市)
5月19日 富士吉田市で講演(山梨県富士吉田市)
~矢ヶ﨑さんとジョイント講演~
5月20日 仙台市で講演(宮城県仙台市)
5月21日 放射線測定室「小さき花」訪問
5月22日 放射線測定室「てとてと」訪問
5月23日 福島大学シンポジウムに参加(福島県福島市)
5月24日 福島市で講演(福島県福島市)
5月25日 矢ヶ﨑さんと南相馬小高地区など調査
~矢ヶ﨑さんとの同行はここまで~
5月27日 伏見区エコロジーセンターで講演(京都市伏見区)
講演13回
富士吉田市・仙台市・宮城県南部・福島市・飯舘村・南相馬市訪問
【6月】
6月1日 さつき保育園で講演(京都市北区)
6月2日 北区ライトハウスで講演(京都市北区)
6月4日 カライモブックスで講演(京都市上京区)
6月8日 「フクシマから考える一歩の会」で講演(広島県尾道市)
6月9日 宇治市生涯学習センターで講演(京都府宇治市)
6月10日 肥田舜太郎さん講演会に司会として参加(京都府京丹波町)「
6月16日 京都市茶山のさとで講演(京都市左京区)
6月20日 エルコープ西センターにて講演(京都市南区)
6月22日 映画『チェルノブイリハート』で講演(兵庫県篠山市)
6月23日 映画『チェルノブイリハート』で講演(兵庫県丹波市)
6月23日 舞鶴社会保障推進協議会定期総会で講演(京都府舞鶴市)
6月23日 舞鶴市市民交流会に参加
6月24日 三重県四日市市で講演(三重県四日市市)
6月26日 ドイツのお二人と放影研訪問
6月26日 ドイツのお二人の講演会に司会で参加(広島県広島市)
6月28日 お二人の京都講演会に参加
6月29日 お二人の東京講演会に参加
6月30日 飯舘村長谷川健一さんと対談(京都市龍谷大学)
6月30日 映画『内部被ばくを生き抜く』で講演(京都市下京区)
講演・司会15回
ECRR会長とドイツ放射線防護協会会長の放影研訪問、広島・京都・東京講演に同行
【7月】
7月6日 白い鳩保育園にて講演(京都市北区)
7月7日 小水力関連で古谷さんと対談(京都市東山区)
7月8日 長岡京市にて講演(京都府長岡京市)
7月14日 大槌町寺野勤労体育館にて講演(岩手県大槌町)
7月14日 大槌町第5集会所にて相談会(岩手県大槌町)
7月15日 大槌町吉里吉里吉祥寺で講演(岩手県大槌町)
7月15日 大槌町安渡第2集会所にて相談会(岩手県大槌町)
7月17日 山形市遊学館にて講演(山形県山形市)
7月18日 山形市遊学館にて講演(山形県山形市)
7月18日 米沢市伝国の杜置賜文化ホールで相談会(山形県米沢市)
7月18日 米沢市伝国の杜置賜文化ホールで講演会(山形県米沢市)
7月19日 会津若松放射能情報センターで講演会(福島県会津若松市)
7月21日 西陣和楽園で講演(京都市北区)
7月22日 東山区やすらぎふれあい館で講演(京都市東山区)
7月29日 北部クリーンセンター近くで講演(京市右京区)
講演15回
岩手県大槌町、山形市・米沢市・会津若松市訪問