守田です。(20120814 23:30)
表題のように、8月23日に、全京都建築労働組合(京建労)伏見支部の第25回「労働学校」でお話することになりました。19時半から休憩をはさんで90分の予定です。場所は同支部事務所(伏見区竹田七瀬川町87-1)です。一般の参加も可能ですが、スペースがそれほど大きくないので、その場合電話で事前に連絡をくださいとのこと。連絡先は075-642-4999です。
僕に与えらえたタイトルは、「原発ゼロ社会へ! 再稼働反対運動の意義 福島の真相解明が、原発NOの道」です。これにいつものように、私たちの国の被曝状況や、福島などで起こっていること、内部被曝のメカニズム、それが隠されてきた歴史について加えますが、今回は建築関係の労働組合のみなさんにお話するため、脱原発と雇用の問題についても加えようと思います。
というのは、8月12日の読売新聞紙面に「原発ゼロなら・・・業界団体の96%「雇用減る」」という記事が載るなど、原発が無くなると、雇用が無くなるという「脅し」が繰り返しなされてきているからです。労組のみなさんが、労働者とお話するときに、こうした点でも自信をもって脱原発を語っていただきたいと思い、この点を付け加えようと思っています。
論じたいのは端的に、原発が無くなっても電気が足りなくなるわけでは全くないということと、原発が無くなっても、原発関連の仕事が無くなるわけではないということです。なぜなら脱原発になっても、使用済み燃料は管理を続けなければならないし、さらに原発を廃炉にするためにも、たくさんの工程が必要だからです。
ただしそれらの一つ一つが被曝労働を伴いうるので、単純に雇用が確保されるからいいとは言えないし、これまで生み出してしまった膨大な核のゴミをどう封じ込めて管理していくのか、非常に大きな課題が残されていると言えます。
それでもその作業は、私たちが社会をあやまった方向に導くことをやめ、未来世代に少しでもきれいな状態で地球を渡そうとするための大切な行いであり、そのための労働は社会的なリスペクトを集めてしかるべきです。その意味で脱原発の中でこそ、社会にとって大切な仕事が増えると考えるべきだと僕は思います。
同時に、原発をやめて、さまざまな自然エネルギーを使用するようになれば、そこでも新たにいろいろな雇用が発生します。何も原発などにしがみついていなくてもやるべきことはたくさんあります。また原発がフルに稼働してたって、この間、雇用がまったく安定していなかったことをこそ、しっかりと見据えておくべきです。
なぜなら雇用の安定は、エネルギーがどれぐらいあるかなどに依存してなどいないのです。非正規雇用が増大し、雇用条件が悪化の一途を辿っていることにこそ、雇用の不安定化の真の原因があります。その意味で、京建労のみなさんなど、組合運動をしっかり守ってくださっている方たちの、権利としての雇用を守る活動の拡大こそが大切だし、それと脱原発のムーブメントが重なっていくことが必要だと思います。
・・・組合活動を担われているみなさんには「釈迦に説法」になってしまうかもしれませんが、そんな観点も含めたお話をしようと思います。お近くの方、お越しください。
以下、案内を貼り付けておきます。なお労働学校自身は22日から25日連続4日間の開催ですので、それ以外の日にちの講師の名前も記しておきます。これについても興味のある方は、同支部までご連絡ください。
原発と雇用の関係を論じた読売新聞の記事も貼り付けておきます!
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京建労伏見支部 脱原発・増税NO特別講義!
2012年度第25回労働学校のお知らせ
今年で25回目となる労働学校が下記の要綱で開校されます。
原発ゼロを求める国民の意思が全国に広がり、官邸前には毎週金曜日に10万人を超える国民が「脱原発」を鳴り響かせています。今まさに時代が変化しようとしています。
激動の情勢を学び、国民的反撃の力にする労働学校がいよいよ始まります。学びを力に、今年の拡大月間を成功させる勇気をつけましょう。1日だけの参加もOKです。
今年も例年以上のマスコミ注目の講師陣です。日程・講師は下記のとおりです。
是非、ご出席ください。記念品もあるよ♪
8月22日 二宮厚美
8月23日 守田敏也
8月24日 石川康宏
8月25日 唐鎌直義
会場 支部事務所2F
伏見区竹田七瀬川町87-1
連絡先は075-642-4999
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原発ゼロなら…業界団体の96%「雇用減る」
2012年8月12日10時29分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120812-OYT1T00271.htm
経団連は、政府が策定する2030年時点の電力に占める原子力発電比率の目標について、主要な業界団体など33団体(うち製造業20団体)に緊急調査を行った。
ゼロシナリオになった場合、雇用が減ると答えた団体は96%を占め、国際競争力が低下するとの答えも90%に達した。電気料金の値上がりによる産業空洞化などの懸念が浮き彫りになった。
政府は、30年時点の原発比率について「0%」「15%」「20~25%」の三つの選択肢を示しており、それぞれのシナリオが企業活動に与える影響などを聞いた。
雇用に与える影響(回答数23団体)は、ゼロシナリオでは「大きく減少」が57%、「減少」が39%で、ほとんどの企業が雇用減は避けられないとみている。20~25%シナリオでも、減るとの答えが7割を占めた。