守田です。(20150127 00:30)

みなさま。ここ数日、僕は湯川遥菜さんと後藤健二さんの救出のための発信を続けてきました。
署名を呼びかけ、声明の拡散を訴え、他の課題で出向いた集会などでも二人の救出を訴えました。
訴えながら、僕の中には何とも後ろめたい気持ちが沸き起こって来るのを禁じ得ませんでした。
「守田さん。あなたは僕たち、私たちの時はそこまで熱心に訴えてくれましたか?」と、パレスチナの子どもに言われたような気がしたからです。

いやパレスチナだけではない。イラクでもたくさんの人々が殺されてきた。
イラクだけではありません。世界中で、暴力で、誰かの愛しい人が酷く殺されてきた。そんなことばかりが続いています。

僕は日本に住んでいる。だから後藤さんのことが良く分かる。良く分かるから、なんとか彼を救いたいとも思うし、それは僕の役目だとも思います。
でも同じようにかけがえのない命が、毎日、毎日、殺されています。その中で、日本人の後藤さん、湯川さんの時だけ、これだけ連続発信していることに僕は後ろめたさを感じます。
辛い。悲しい。そして心が焼けるように痛いです。
もうすべての人殺しをやめてくれ!本当にそう思います。

みなさん。とくに後藤さんに思いを寄せるみなさん。
後藤さんを救いたいと切実に願うその思いそのままに世界に目を移しましょう。そうして本当に毎日、毎日、かけがえのない人々が殺されている現代世界をしっかりみましょう。
確かにそれを観続けることは辛すぎることかもしれない。一日中、365日、それだけを考えていては身が持たないことです。
でもそれは事実なのです。リアルに私たちの前にあることなのです。

後藤さんを救うだけでなく、全ての人を救うための、つまり恒久的な平和のための、地の底から這いあがってくるようなムーブメントを私たちは作らなければいけない。
僕はそう思います。すべての人々の命を守るための行動を私たちは今の事態の中から選び取らなければなりません。

それは僕は「正義の名の下の戦争」の歴史を越える道を私たちが探し、見つけ出し、歩むこと、暴力で正義を打ち立てると言う人類がこれまで依拠してきた根強い発想を根本的に放棄すること、真の意味での武器の廃棄へと進むことだと思います。
その意味で私たちは、現下のこの辛さ、悲しさ、痛さの中でこそ、思想としての憲法9条を再度、選びなおしていく必要があるのだと僕には思えます。
だからきっと僕らは後藤さんとともに今、試練に立たされているのです。この中でこそ私たちは、真の平和思想に近づいていかなくてはいけないと思います。

そんなことをさらに深く感じ、考えるきっかけの一つとして、日本人だけでなく、全ての命の痛みを感じる場として、岡真理さんと「つばめ劇団」の面々が行っている朗読劇に注目をいただきたいと思います。
公演場所である大阪市、津市近郊の方には、今この時だからこそ、ぜひ会場にかけつけて欲しいです。かけつけて、一緒に今の世界の痛みの中で私たちに何ができるかを考えましょう。

再々度、朗読劇「ガザ 希望のメッセージ」をご紹介します。

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朗読集団 国境なき朗読者たち
<朗読劇>

the Message from Gaza ガザ 希望のメッセージ

2014年の夏、パレスチナのガザ地区は、イスラエルによる、言語を絶する大量破壊、大量殺戮に見舞われました。攻撃は51日間に及び、2200名もの命が奪われました。その大半が民間人、500名以上が子どもです。50万もの人々が家を追われました。
ガザに対する大規模軍事攻撃は、これが初めてではありません。6年前の2008年12月、ガザ地区全土に対し突如、イスラエル軍による一斉攻撃が始まりました。完全封鎖され、逃げ場のない 150万の住民たちの頭上に、22日間にわたりミサイルや砲弾の雨が降り注いだのです。世界がクリスマスの余韻に浸り、新年を祝っていたそのとき、ガザの人々は一方的な殺戮と破壊にさらされていました…。
私たちの朗読劇「The Message from Gaza ガザ 希望のメッセージ」は、この出来事に対する応答として、2009年に誕生しました。

この朗読劇は、4つのテクストから構成されています。一つは、空爆下のガザから連日連夜、世界にメールを発信し続けたサイード・アブデルワーヘド教授の『ガザ通信』、二つ目は1972年、36歳の若さで爆殺されたパレスチナ人作家ガッサーン・カナファーニーの短編「ガザからの手紙」。
三つ目は2003年、占領下のパレスチナ人住民の人権擁護活動のためガザに赴いたアメリカ人女子大生レイチェル・コリーがガザからアメリカの家族に書き送ったメール、そして攻撃のさなか、ガザで活動を続けた「インターナショナルズ」と呼ばれる世界の若者たちの証言です。

私たち、平和をめざす朗読集団「国境なき朗読者たち」は、この朗読劇を上演するため、 つばめクラブのプロデュースにより、2009年、京都の市民・学生有志をメンバーに結成されました。以来、京都を中心に、広島、東京などで上演を重ねてきました。
停戦になり、一時に大量に人が殺されるという事態がなくなると、マスメディアは報道しなくなります。しかし、ガザでは依然、封鎖が続いています。家を失った何十万もの人々が、瓦礫の中で、冬の寒さを耐え忍んでいます。「過ちは二度と繰り返しませんから」という私たちの誓いをあざ笑うかのように、繰り返されるジェノサイド……。
いくたび破壊と殺戮に見舞われようと、生を愛し、「人間の側に踏みとどまり続け」ようとするガザの人々の闘い。不正と暴力に抗するために、ガザと私たちを、「想像力」という人間の力によって架橋します。肉声を通して語られるガザの声に触れ、今もなお完全封鎖のもとに置かれているガザへの思い、そして私たちが生きるこの世界への思いを新たにしてください。
岡 真理(演出・脚本)

2015年2月1日 大阪公演
1、14:00 開演
(13:10受付開始、13:30開場、15:45終演)
2、18:00 開演
(17:10受付開始、17:30開場、19:45終演)

2015年2月8日 津公演
1、14:00 開演
(13:10受付開始、13:30開場、15:45終演)

会  場: 大阪 ドーンセンター  津 中央公民館ホール
事前予約 1500円  (障がいのある方及び介助の方・学生 800円)
当 日  2000円  (同 1300円)

〇予約・お問合せ ※メール、またはお電話でお願いします。
大阪 080-5314-1539(つくい)、 tsubamegekidan@gmail.com (つばめ劇団)
三重 059-229-3078(FAX兼)、090-1239-1410(宮西)、syashinten@za.ztv.ne.jp

制作:ふぇみん大阪、ガザ朗読劇三重公演実行委員会、つばめクラブ
協賛:市民社会フォーラム

国境なき朗読者たち ホームページ
http://readers-without-borders.org/